コリコリ食感がたまらない<ほっき貝>の正式名称は? 寿命は30年超&殻長10センチ以上
寒い時期になるとスーパーでも見かけるようになる「ほっき貝」ですが、名前は知っていても食べたことがないという人もいるのではないでしょうか。
ほっき貝は、ホタテやハマグリとも違ったコリコリとした食感が特徴で、調理方法で見た目が変わるだけでなく食感や味も変わります。
そのため、ほっき貝が有名な地域ではカレーや炊き込みご飯、バター醤油で食べるなどレシピが豊富で、特に刺身は晩酌のお供にぴったりです。
正式名称は<ウバガイ>
ほっき貝の正式名称はバカガイ科に属する「ウバガイ」ですが、ウバガイと言われてもほっき貝を連想できる人は少ないと思います。
ほっき貝という呼び名はアイヌ語に由来しているといい、「北寄りでとれる貝」から北寄貝(ほっき貝)となったと言われています。
その名の通り、北海道や東北などで多く水揚げされています。見た目はしじみに似ていますが、大きさは殻長10センチ以上で、30年も生きることから正式名称にあるウバガイ(姥貝)と名付けられました。
ほっき貝の下処理は難しい?
ほっき貝の下処理は、砂抜きをした後に、包丁で足、貝柱、紐に切り分け、黒い内臓を流水で流しながら取り除きます。
生で食べるとコリコリとした食感を楽しみながら、しつこくない貝の旨みを感じることができます。また、湯通しすることで食感に弾力が生まれ、甘みが増し違った美味しさを感じることができます。
鮮度が命となる生の状態では、食中毒のリスクがあるほか、下処理が不十分だと生臭くなるなどのデメリットがあります。スーパーや回転寿司などでは安定して美味しく提供するため、湯通しをした赤いほっき貝が提供されていることが多いです。
生のほっき貝を食べられるところは限られてきますが、クセになる食感やほんのりと香る貝の旨みを堪能することができます。
ほっき貝の産地と旬
ほっき貝の産地では北海道が最も有名で、ほっき貝の漁獲量は日本一です。
中でも、苫小牧市はほっき貝の産地として知られており、夏には「夏ホッキ」、冬には「冬ホッキ」と産卵期を除いて一年中ほっき貝を楽しめます。
ほっき貝の旬は<冬から初春>と言われています。
5月から6月にかけて迎える産卵期に備え、ほっき貝が栄養を備えるため、この時期のほっき貝は身が大きくなり、旨みが増すためより一層美味しくなります。
ほっき貝の刺身は日本酒にぴったり
ほっき貝は旨み成分であるアミノ酸を多く含んでいるほか、ミネラルも多く含んでいることから栄養価が高いです。噛むほどに貝の旨みを感じることができるため、貝類が好きな人にはおすすめです。
特に旬の時期が寒い時期ということもあり、日本酒との相性が抜群。貝の旨みを堪能しながら、ほっき貝の魅力である食感を楽しみつつ、辛口の日本酒で締める……というマリアージュを楽しむことができます。
一方、活ほっき貝を刺身で頂くと、日本酒を邪魔しない味と食感の両方で晩酌を楽しませてくれます。
旬のほっき貝(ウバガイ)をぜひ味わってみてください。
(サカナトライター:nasu阿部)