【倉敷市】中華そば こうた 〜 肩肘張らず気兼ねなくラーメンを楽しめる。毎日訪れたくなるような郷土に愛される店をめざす
ラーメンと聞いたら「おいしいけど、毎日食べると飽きてしまう」というイメージがありませんか。
いっぽうで、ラーメンには老若男女に広く親しまれている国民食という側面もありますよね。倉敷市児島地区にある「中華そば こうた」は、毎日でも飽きずに食べたくなるような、気楽に楽しめるラーメン店です。
しかも肉厚のチャーシューや、旬の野菜たっぷりの「季節のそば」なども魅力。
そんな中華そば こうたについて、店の特徴やこだわり、開業の経緯などについて深掘りしましょう。
なお、中華そば こうたは児島本店と中庄店がありますが、当記事では、おもに児島本店を紹介しています。
中華そば こうたは児島中心部にあるラーメン店
中華そば こうたは、倉敷市児島地区中心部にあるラーメン店です。
2016年(平成28年)のオープン以来、連日多くのお客が訪れています。
店舗は幹線道路である国道430号線のすぐ近くにあり、さらにJR児島駅からも徒歩圏内。アクセス抜群の立地です。
店舗は、木のぬくもりを感じる印象的な建物です。
店内も木を感じる落ち着いた雰囲気があります。
メニュー紹介
2025年(令和7年)6月時点の情報。価格は消費税込
基本のラーメンメニューは「中華そば」です。具材の違いなどによってバリエーションがあります。
中華そばに入っているチャーシューを増量させたのが「肉そば」。
同じく、旨辛い味付けの白髪ネギが載る「辛ねぎそば」などです。
また旬の野菜がたくさん載った「季節のそば」や、中華そばのハーフサイズ「子どもそば」もあります。
暑い時季には、冷たい「ざる中華」も登場します。
時季は、その年の気候状況を見ながら決めているそうです。
大盛・替玉も可能で、おすすめは替玉とのこと。
トッピングもいろいろなものがラインナップ。
特に「味付半熟玉子」や「あげもち」が人気です。
サイドメニューには定番の「ぎょうざ」や「焼きめし」「鶏の唐揚げ」のほか、オリジナルの「そぼろめし」があります。
2号店となる中庄店もある
倉敷市内の下庄地区に2号店「中華そば こうた 中庄店」もあります。
児島の本店は昼営業のみですが、中庄店は夜営業もしているのが特徴です。
基本的なメニューは同じですが、「季節のそば」「そぼろめし」「替めし」がなく、代わり中庄店限定の「皿めし」があります。
中華そば こうた 中庄店の概要
人気・イチオシのメニュー
中華そば こうたのメニューのなかから、人気メニューと店のおすすめメニューを紹介しましょう。
中華そば
「中華そば」は、こうたの基本となるラーメンです。
醤油スープにチャーシュー、メンマ、ネギ、ホウレンソウが載っています。
スープは黄褐色。
飲むと、ほど良い塩味と奥深いうまみが口の中に広がります。
さらに、魚介の風味が適度に感じられる味わい。
心地良い余韻が残り、思わず2口目をすすってしまいます。
麺は細めのストレート。
スープがほどよく絡みます。
メンマは極太で、コリコリとした食感で食べごたえが抜群。
チャーシューは、とても肉厚です。
噛むと肉はホロリととけていき、赤身の味わい、脂身の甘み、適度な塩味が楽しめます。食べごたえのあるチャーシューが入っているのは、非常にうれしいポイントではないでしょうか。
ほかに特徴的な具材として、ホウレンソウが入っています。
おばんざい店で働いた経験のある店主が、おばんざいにヒントを得て入れたそうです。
ホウレンソウをスープにしっかりと浸して食べるととてもおいしく、口直しにピッタリ。
こうたの中華そばはどこか懐かしさがあり、落ち着く味わいで、また食べたくなってしまいます。
食べごたえ抜群の肉厚チャーシューもポイントです。
季節のそば
「季節のそば」は、お得感のあるメニューです。
中華そばをベースにし、その上に野菜を中心に多彩な具材がたっぷりと載っています。
取材時は5月で、入っていた野菜はズッキーニ、アスパラガス、ニンジン、キャベツ、キクラゲ、ネギなど。
また野菜以外にも、中華そばに入っている肉厚チャーシューや極太メンマも入っています。
さらにナルト、溶き玉子も入っている点もうれしいです。
野菜はたっぷりで、素材の持つ味わいを楽しめるのが特徴。
野菜とスープの組み合わせも楽しめます。
おろしショウガも付いており、好みで入れて味を変化できます。
季節のそばは、ボリューム感とバランスの良い栄養を満たせる、一挙両得なラーメンです。
焼きめし
「焼きめし」は、定番のサイドメニューの一つです。
並盛とハーフサイズがあります。
取材ではハーフを注文しました。
ハーフといえども、なかなかのボリュームです。
具材はネギ、玉子、チャーシュー。
ほどよい塩加減と、チャーシューの肉のうまみ・塩味が一体となって、食べやすい味わいのチャーハンだと思います。
不ぞろいにカットされているチャーシューによって、口に入れたときのチャーハンの味わいが少し違いが出てくるのがおもしろいです。
そぼろめし
「そぼろめし」は、中華そば こうたならではのサイドメニュー。
ごはんの上に甘辛いタレがかかり、その上に辛子高菜漬けと細切れにしたチャーシューが載り、さらに刻みネギと生の卵黄が載っています。
卵黄を崩すとともに、全体を混ぜ込みながら食べ進めていきます。
チャーシューの味わい、辛子高菜の塩気とほど良いピリ辛さ、甘辛いタレの味などが一体となり、そこに卵黄のまろやかさが加わります。
また高菜のシャキシャキとした食感がアクセントに。
ごはんとの相性は最高で、ドンドンと食べ進めてしまいました。
ぎょうざ
「ぎょうざ」は人気のサイドメニューです。
中華そば こうたのぎょうざは、独特な形状をしているのが特徴。一口で食べられるほどの、小さなサイズ・形です。
ぎょうざの皮には、きれいなキツネ色の焼き目が付いています。食べるとパリパリッとした食感で、香ばしさを感じました。
中は肉の味わいとともに、ニンニクやショウガがしっかりと効いています。
濃厚な味わいを感じるぎょうざです。
毎日でも食べられる味わいで、地元・児島で根強い人気を誇る中華そば こうた。
代表の葛西功太(かさい こうた)さんに話を聞きました。
中華そば こうた 代表・葛西 功太さんへのインタビュー
毎日でも食べられる味わいで、地元・児島で根強い人気を誇る中華そば こうた。
代表の葛西功太(かさい こうた)さんに話を聞きました。
大衆食堂のように親しまれる店をめざす
──開業の経緯を教えてほしい。
葛西(敬称略)──
私は、神奈川県横浜市の出身です。
酪農に興味を持ち、北海道の酪農が学べる高校へ進学しました。
酪農を学び、もっとほかのこともやってみたくなり帰郷。全国各地をめぐりながら、おもに飲食店で働きました。
たとえば東京都ではラーメン店、沖縄県では沖縄料理店などです。
各地を転々とするうち、やがて倉敷市児島にやって来ました。
児島に来てからは、妻の母が営業しているおばんざいの店で10年ほど働きました。ここでは、いろいろなことを学びましたね。
働きながら、小さなころに親しんでいた、気軽に食べに来られるような、和気あいあいとした雰囲気の大衆食堂のようなお店をしたいと思い、開店を決めました。
私はラーメンが大好き。ラーメンは多くの人に好まれる料理です。
ちなみに、大衆食堂をする場合もメニューにラーメンは入れようと思っていました。
地元の人の協力を得て店をオープン
──ラーメン店にするにあたり、修業はした?
葛西──
東京のラーメン店で働いていたとき、深いところまで経験させてもらえました。このときの経験が生きたと思います。
また、飲食店のノウハウは、沖縄の料理店や義母の店での経験から学んだことが大きかったです。
とはいえ、資金調達や物件探し、建築の打合、各種手続きなど分からないこともたくさん。これまで知り合った多くのかたがたのお知恵・お力を借りながら、なんとか開店にこぎつけました。
本当にありがたく、今も感謝の気持ちでいっぱいです。
こうして2016年(平成28年)、現在地に「中華そば こうた」をオープンしました。
2021年(令和3年)に、2号店となる中庄店をオープンしています。
あえて「雑さ」を残すことで親しみやすく、楽しめるものに
──店の運営でこだわっている点を知りたい。
葛西──
「肩肘張らずに気軽に立ち寄れるお店」をめざしています。
もともと大衆食堂をやりたかったのは、地元の人たちに愛されるような、和気あいあいとした店にしたかったから。
ラーメン店に変わっても、それは同じです。
毎日訪れても飽きない、大衆食堂のように気軽に楽しめる店にしたいという思いで運営しています。
気兼ねなく来られる店が目標ですね。
あえてターゲットは絞っておりません。老若男女、すべての人に楽しんでもらいたいからです。
「今日はどこで食べようかな? 『こうた』でいいか」と思ってもらえるのが目標です。
地域のかた、お客様、さまざまな支えがあってお店が運営できていることに感謝をしています。
今後もその気持ちを忘れず、ラーメンに込めて提供を続けていきたいです。
──味や調理に関してのこだわりは?
葛西──
運営面だけでなく、料理に関しても「肩肘張らない、気楽に楽しめる」ことがテーマ。
そのために、あえて「雑さ」を残すことにこだわっています。
決して乱雑に作業するということではなく、具材の切り方や盛りつけを、整えすぎないということ。
整いすぎると、気持ちの面で少し気構えてしまうからです。
雑さを見せることで、親しみやすく楽しめるラーメンをめざしています。
おばんざい店での経験を生かしたメニュー
──ラーメンのポイントを教えてほしい。
葛西──
中華そばのスープは鶏ガラがベースです。
鶏ガラは白濁するまでじっくりと炊いて、鶏のうまみがしっかりと感じられるようにしています。
自家製麺は当店のスープに合うように、細めのストレートにしました。
チャーシューは、具材として入っていてうれしくなるようなもの、食べて満足ができるようなものをめざしました。分厚くて、赤身と脂身のバランスがいいものにし、味付けは、肉の味わいが感じられるように仕上げています。
このチャーシューは自家製で、5時間熟成させてつくっています。
また当店の中華そばのポイントのひとつが、ホウレンソウです。
途中で箸(はし)休めになるような具材がほしいなと考え、当店の中華そばに合うなと思ったのがホウレンソウでした。
これは、おばんざい店での経験から思いつきました。
──「季節のそば」は、こうたならではのメニューのように感じる。
葛西──
そうですね。「季節のそば」は、当店ならではの中華そばです。
季節のそばのスープや麺は、旬の野菜を鶏ガラスープと玉子でとじたものです。
野菜は、地元周辺のものが中心。
旬のものなので時季によって内容は変わりますし、その日の仕入状況によっても変わってきます。
内容が変わるのは、楽しみですよね。また野菜が多いのも、栄養があってうれしいと思います。
季節のそばは、おばんざいの店でやっていたことを生かしたメニューです。時季ごとの食材で料理をつくっていました。
また仕入状況が日によって異なるため、つくる料理をアレンジしていました。
この臨機応変な料理をラーメン店でも取り入れ、季節のそばが生まれたのです。
一緒に楽しめる人とラーメン店をやっていきたい
──今後やってみたいことがあれば教えてほしい。
葛西──
多店舗展開をしてみたいですね。
システマティックな運営体制にするのではなく、楽しいことをやりたいから、ラーメン店をやっているので、日々笑顔で仕事をしています。
私たちとともに楽しんでいけるような面白い人と一緒に、ラーメン店をやっていきたいですね。
毎日通いたくなる、気楽にラーメンが楽しめる中華そば こうた
代表・葛西さんの「毎日でも通える店」「気軽に通える店」という思いのとおり、親しみやすい雰囲気の中華そば こうた。
鶏ガラベースのスープは、あっさりしながら味わい深く、どこかクセになる味わい。
具材の自家製肉厚チャーシューもやみつきになるおいしさです。
ぜひ、おいしい中華そばを味わってみてください。