ハンガリー「カンテムス少女合唱団 」高津・合唱団指揮者らの交流縁に、来日公演
坂戸のかながわサイエンスパークホールで7月20日、さまざまな国際的な賞を受賞しているハンガリーのカンテムス少女合唱団のコンサートが行われ、会場に荘厳な美しい歌声が響いた。来日公演は8年ぶりで高津市民合唱団の指揮者、岩本達明さんらが30年以上同団指導者と交流してきたことから実現した。
カンテムス少女合唱団はハンガリーの小学校で音楽指導を続けるデーネシュ・サボー氏が設立、指導する合唱団。今回は同合唱団が香港の音楽フェスティバルの参加を予定していたことから、開催地からほど近く長年交流の続く日本に立ち寄ることになったという。
元音楽教師の岩本さんはサボー氏から合唱指揮を学んだ経験もあり、交流は30年以上続く。同じく長年交流のある日本人らで来日公演に向け実行委員会(後藤田夫規子代表)を結成することとなり、岩本さんが川崎の公演、所沢市の児童合唱団の指揮者が所沢公演を担当し、準備に当たった。
来日したのは45人で、合唱団メンバーは14歳前後。川崎では2回公演を行い、延べ約1000人の定員が満席となる盛況ぶり。コチャールの「アヴェ・マリア」などを演奏し、聴衆を美しい響きに包み込んだ。会場を訪れた女性は「震えるほど素敵。染みるような歌声で涙が出るほど感動的だった」と振り返った。
生徒らとホームステイも
また、日本からの歓迎演奏では高津市民合唱団等のほか、活躍する学校の合唱団などに岩本さんが「交流の機会を」と声をかけ、坂戸小や横浜市立大綱中、法政大学第二中・高、湘南高も参加、演奏を披露した。
日本滞在も高津市民合唱団の団員や参加した児童・生徒たちの家族の協力を得て、ホームステイで来日メンバーたちの受け入れが実現。大綱中合唱部2年の大金まどかさんは「交流を通じ打ち解けて仲良くなれた。本番も演奏の響きを聴けて勉強になった」と喜んだ。
メンバーは2泊3日滞在、その後、所沢市での公演のため移動し、24日に帰国。岩本さんによると、初めて来日したメンバーも多く、川崎市内の学校で生徒たちとの交流等も行われ、喜んでいたという。
カンテムス少女合唱団の魅力について岩本さんは「とにかくハーモニーが美しく、世界一ではないか。レパートリーもハンガリーの伝統音楽や宗教音楽、日本の曲まで幅広い」と語る。「当日も素晴らしいハーモニーを聴かせてもらった。今後も交流を続けられれば」と抱負を述べた。