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滋賀に歌舞伎座があった?!映画『国宝』のロケ地『びわ湖大津館』をめぐる

しがトコ

びわ湖大津館

【映画『国宝』ロケ地紹介/大津市『びわ湖大津館』】

この重厚な外観、見覚えありませんか?
じつは、吉沢亮さん主演の話題作『国宝』で歌舞伎劇場として映画のワンシーンに登場したのが、滋賀県大津市にある『びわ湖大津館』だったんです。

ここは、かつてはヘレンケラーや川端康成、そして昭和天皇も訪れた「湖国の迎賓館」。
外観が歌舞伎座そっくりなのにも理由がありました。

『国宝』が撮影された現場を巡りながら、『びわ湖大津館』の魅力をご紹介します!

映画『国宝』のロケ地『びわ湖大津館』

大津市の柳が崎湖畔公園内に佇む『びわ湖大津館』
館内では現在、映画『国宝』公開を記念したパネル展が実施されており、ロケに使われた場所やシーンなどが紹介されています。

撮影に使われたびわ湖大津館の建物は、昭和初期に『琵琶湖ホテル』として建てられたもので、桃山様式と呼ばれる建物の外観は『日乃本座』という歌舞伎劇場として映画に登場しています。

あちこちに残る『国宝』の痕跡

また『国宝』の撮影はびわ湖大津館の中でも行われました。
それがこちらの1階ロビーです。

ここでは、主人公・喜久雄(吉沢亮さん)や彰子(森七菜さん)、千五郎(中村鴈治郎さん)が登場するシーンが撮影されました。

びわ湖大津館が映ったのはほんの数分のシーンでしたが、撮影は準備を含め二日間に渡って行われたのだそうです……!

そんな映画にまつわるお話を、副館長の若代光弘さんに伺いました!

若代さんによると、今も館内には『国宝』ゆかりのものが残っているそうなのですが……

「じつはこの足下の絨毯、映画で使われたものなんですよ」

「え!」

パネルの展示場所に敷かれている桜柄の絨毯。
何気なく踏んでいたこの絨毯は映画撮影で実際に使われたもので、今もその一部を撮影記念として敷設されているとのこと!

そして旧両替所横にあるこちらのトイレにも映画の痕跡が。
何の変哲もないように見えますが、扉のパネルが映画のために新たに貼られたものなのだそうです!

わかる人にはわかる”あの”柱

そしてとっておきの『国宝』ゆかりの場所が案内カウンター前にあります。
映画ファン、あるいは吉沢亮さんファン必見のものがこちらの写真の中に写っているのですが、わかりますか?

そのゆかりの場所とは、こちらの柱!

わかる人にはわかる、千五郎が怒鳴り込んできたシーンで喜久雄が”べちゃっ”となった柱です。

映画をご覧になられた方はもちろん、これからご覧になられる方も映画で「ああ、この柱か!」と探してみるのも面白いですね!

それにしても和洋折衷のびわ湖大津館は、歌舞伎がテーマの『国宝』の世界観にじつに違和感なく溶け込んでいるように思えます。

それもそのはず。
じつはこちらの建物の設計は、実際に『東京歌舞伎座(第三期)』を手がけた岡田建築事務所(岡田信一郎創設)によるものだったのです!

昭和天皇やヘレンケラーも訪れた「湖国の迎賓館」

建物の歴史は、1934(昭和9)年に滋賀県初の国際観光ホテルである『琵琶湖ホテル』として開業したことから始まります。

その優雅で格式高い和洋折衷のホテルには、ヘレンケラーや川端康成といった国内外の著名人、そしてなんと昭和天皇も訪れ、「湖国の迎賓館」としての歴史を重ねてきました。

1998(平成10)年に琵琶湖ホテルが浜大津に移転した際、建物の取り壊しを惜しむ市民たちの声に大津市は保存を決定。

大規模な改修工事を行い、建物を含む辺り一帯は『柳が崎湖畔公園』として人々の憩いの場に生まれ変わりました。

迎賓館から人々の憩いの場へ

館内は無料で見学が可能で、3階の貴賓室だった部屋は旧琵琶湖ホテル時代の思い出や古写真を紹介する展示室となっています。

窓外に広がっているのは琵琶湖の絶景。
かつて貴賓たちが眺めていたであろう景色を無料で楽しめるなんてお得すぎますよね…!

建物の隣には『イングリッシュガーデン』が整備され、年間を通じて四季折々の花々を楽しむことができ、特に5~6月にかけて見頃を迎えるバラが有名です。

『イングリッシュガーデン』※要入園料
大人[高校生以上]330円
小・中学生・65歳以上・障害者等 160円
未就学児 無料

また、館内を見学する際にぜひ利用してもらいたいのがこちらのエレベーター。
エレベーターの現在位置を針が指し示すというアナログ式なんです!

現代では珍しい仕掛けに、エレベーターが来てもついうっかり見惚れてしまいそうですね。

1階のフレンチレストラン「ベルヴァンブルージュ」では琵琶湖を望みながら食事を楽しむことができます。

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『国宝』との出会い

国内外の賓客、そして市民に愛され守られ続けたことで、ほぼ当時の姿のまま琵琶湖畔に佇んでいる『びわ湖大津館』

建物の中を散策してみると、まるで『国宝』の世界に入ったかのような気分を味わえました。

吉沢亮さん演じる喜久雄たちと同じ激動の時代を生き抜いたこの建物が、ロケ地となったのは必然だったのかもしれませんね。

映画『国宝』のパネル展は2025年8月31日まで展示中です!

記事を書いた人結城弘/滋賀県出身。小説家・ライター。滋賀が舞台として登場する小説『二十世紀電氣目録』『モボモガ』を執筆。趣味は旅行、レトロ建築巡り、ご当地マグネット集め、地酒。noteにて旅ブログなどを更新中。各SNS⇒ X(旧Twitter)/ Instagram

『びわ湖大津館』の詳細

住所 滋賀県大津市柳が崎5番35号 営業時間 9:00-22:00(受付時間 9:00-19:30)※店舗により異なる 電話番号 077-511-4187 公式サイト https://www.biwako-otsukan.jp/

映画『国宝』の詳細

タイトル 『国宝』 公開時期 2025年6月6日(金)公開 原作 吉田修一『国宝』(朝日新聞出版刊) コピーライト ©吉田修一/朝日新聞出版 ©2025 映画「国宝」製作委員会 公式サイト https://kokuhou-movie.com/index.html/index.html

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映画『線は、僕を描く』は滋賀で撮影された?ロケ地をご紹介!

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