【京都】京北の桜「魚ケ淵から常照皇寺へ」
京北(けいほく)は、「京都府南東部、京都市北西部の旧町域。 1955年周山(しゅうざん)町と細野村、宇津村、黒田村、山国村、弓削(ゆげ)村の5村が合体して京北町が発足しました。2005年京都市に編入し右京区の一部となっています。町の面積の90%が森という、森林に囲まれている地域です。山々に囲まれ標高が高いことから、京都市内より約1週間ほど遅れて桜が開花します。「遅咲き桜のお花見」として桜の名所が点在しています。風情ある魚ケ淵(うおがふち)地区の見事な枝垂れ桜や、京都府の桜として唯一、国の天然記念物に指定されている銘桜「九重桜」等を訪ねて来ました。
魚ケ淵の桜
京北の魚ケ淵(うおがふち)地区には見事な枝垂れ桜が咲いています。魚ケ渕は右京区京北周山町山にあり、自然豊かな地で、枝垂れ桜の合間からは北山杉の山々や長閑な景色が広がっています。吊り橋と桜の景色は、ここならではの風景です。
魚ケ淵の見事な枝垂れ桜の樹齢は68年。地域の創設記念樹として昭和32年に植えたものです。山間の渓谷の地に、人の手をかりることもなく凛とした美しい姿を誇っています。
魚ケ淵と言えば、つり橋と桜の風景が浮かんで来ますが、今は改修工事が行われていて今年の六月に完成予定です。
魚ケ渕つり橋 〇住所 京都市右京区京北周山町山キハ22 〇アクセス(車) 国道162号線を京都市内から北へ約1時間。周山から上桂川に沿って下流へ約10分くらい
弓削川沿いの桜
京北の中心地にある「道の駅ウッディー京北」の横を流れる弓削川(ゆげがわ)に架かる寺田橋を中心に、その上流と下流に約80本の桜並木があります。ここも桜の名所で、川の側道を通ると、まるで桜のトンネルのようです。
近くには道の駅やスーパーや飲食店もあり、花見と共に食事や京北の野菜やお土産も買えるお勧めのエリアです。
弓削川沿いの桜 〇住所 右京区京北周山町上寺田1-1周辺周辺 〇アクセス 車:国道162号線を京都市内から北へ約50分/バス:JR京都駅から周山(JRバス)約1時間30分
常照皇寺の桜
常照皇寺は臨済宗天龍寺派の禅寺。1362年、北朝初代の天皇となった光厳上皇が出家後開創した、皇室ゆかりの寺院です。心の安らぎを求めた上皇は周辺の自然を庭に見立て、寺の裏山を猿帰嶂、滝を白玉泉、山全体を万樹林と名付け、周囲の十勝を選ばれたという言い伝えが残っています。山門前の紅枝垂れ桜も綺麗に咲いています。
山門をくぐり石段を登りながら前方を見ると、勅額門が見えて来ます。常照皇寺は、山号を大雄山と称します。戦国時代の争乱により兵火に遭いましたが、後に皇室の寄進等により堂舎を復興しています。
方丈に入って庭園を眺めると素晴らしい桜景色が広がっています。ここは桜の名所としての長い歴史があり京都で唯一の天然記念物の桜「九重桜」そして「左近の桜」「御車返しの桜」といった特別な桜をみることができます。
方丈から眺めた後は、庭園へと出て桜を愛でながら散策が出来ます。それにしても大きな桜の木です。
↓こちらは推定樹齢、約460年の「九重桜」。国の天然記念物に指定されています。樹高10mに近い巨木ですが、とても古い木で今にも倒れそうな幹や枝を沢山の支え棒で支えられています。光厳上皇のお手植えと伝えられています。咲かせる花は少しとなっていますが歴史を伝える名桜です。
境内は大きな桜の木を眺めながら歩きます。常照皇寺は、光厳上皇が出家後に開いた皇室ゆかりの禅寺です。
南北朝の動乱という歴史の渦に巻き込まれ、ここに隠棲した上皇は、心の安らぎを求めて、周辺の自然を庭に見立て、寺の裏山を猿帰嶂、滝を白玉泉、山全体を万樹林と名付けられました。佛堂には、国の重要文化財に指定されている二十余体の仏像が安置されています。遠い時代を思う常照皇寺の桜風景です。
常照皇寺 〇住所 京都市右京区京北井戸町丸山14-6 〇拝観時間 9:00~16:00 〇拝観料 500円 〇アクセス JR京都駅からJRバス「周山」下車、ふるさとバス乗換え約15分「山国御陵前」下車、徒歩約10分 〇駐車場 有り
TEXT by Akio