スマホに夢中の祖父、川で溺れる2歳孫に全く気づかず 「これが息子の最後の姿」と母親が映像公開(中国)
中国で今年3月、当時2歳9か月だった男児が汚れたおもちゃを川で洗おうとして溺死した。男児のすぐそばには祖父がいたものの、スマホに夢中になり孫の異変に気づかなかった。
「川に行っておもちゃを洗いたい」と何度も祖父に頼んでいた男児。当時の動画はこちら
悲劇の事故が起きたのは3月16日午後2時55分頃であり、男児が亡くなる直前の映像は今月下旬、母親がSNSに「息子の最後の姿」と投稿し、拡散された。
当時の映像では、祖父が自宅前の椅子に座ってスマホを見つめているのが見て取れる。すぐそばでは男児がおもちゃで遊んでおり、立ち上がると「川に行っておもちゃを洗いたい」と頼んだ。
しかしスマホの音が大きくて聞こえなかったのか、祖父は画面に釘付けで微動だにしなかった。それでも男児は何度か立ち止まり、「おもちゃを洗いたい」と話しかけるが、祖父は男児がその場から立ち去ったことすら気づかずにスマホを見つめていた。
中国のニュースメディア『青岛日报』では、男児がその場を去ってから20秒後、祖父は辺りを見回して男児がいないことに気づいたと報じている。しかし、立ち上がって捜すこともせず、再びスマホをいじり始めたそうだ。
そして母親はこの映像に、次のような言葉を添えた。
「これがあなた(息子)が亡くなる直前の最後の姿。監視カメラには映らなかった川の中で、私はあなたを見つけたわ。おもちゃと一緒にね。」
一方、祖父は「幽霊に取り憑かれて、孫の声は全く聞こえなかった。あの時、自分がスマホに夢中になっていたことすら覚えていない。なぜあの子は私と一緒に川に行かなかったのか…」と孫を責め、責任を回避するような発言をしていたという。
なお、一部メディアが「事故は福建省で起きた」と伝えているが、母親は「私は江西省出身で、事故が起きたのは江西省だった」と語り、事故の背景についてこのように明かした。
「生後8か月になるまで、息子のことは私が面倒をみていました。でもお金が必要になり、自宅近くで仕事を見つけ、仕事中は義母に息子を預けていたんです。」
「息子が保育園に通うようになってから、私は別の場所で働き、息子は祖父母と一緒に住むようになりました。ところが仕事を始めて20日後、『息子が亡くなった』という知らせを受けました。」
「実はあの日はたまたま、いつも世話をしてくれる祖母が病院に行って不在で、祖父が自宅で息子の面倒をみていました。そして祖母が家を出てから1時間後に、悲劇が起きたのです。」
母親は「息子を突然亡くした悲しみが決して癒えることはない」とつらい胸のうちを吐露しており、公開された映像には祖父の責任を厳しく問う声や、スマホ依存の危険性などを指摘する声が多数あがった。
ちなみに2021年には中国広東省の室内プールで、浮き輪をつけて遊んでいた4歳女児が溺死した。そばには大人2人がいたものの、女児の異変には全く気づいていなかった。
画像は『on.cc東網 「爺爺沉迷手機疏於照顧 孫兒獨自到河邊溺亡」』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)