鮎(アユ)友釣りオススメ河川ガイド2024:静岡県【狩野川】トモ釣り発祥の地
伊豆半島の最高峰・天城山に源を発し、半島中央部を北流して沼津市内で駿河湾に流れ込む一級河川・狩野川。解禁は6月8日(土)。
トモ釣り発祥の地:狩野川
雨量の多い地域で、その豊富な水量と良質な水質は多くの恵みをもたらしている。天城の清流を利用したワサビ栽培は日本一の規模を誇っており、その清流に生息するアユも香り高く美味い。
トモ釣り発祥の地とされており「狩野川を制する者、全国を制す」と評されたアユの名川。数多くの釣り大会が開催されているため下見のトーナメンターが多く、アユはスレている。加えて、天城から流れ下る水は冷たいため、狩野川では「追いだすのは10時から」と言われ、早朝の釣りは厳しい。それでも、多くの人朝早くから入川するのが狩野川なのだ。
初期には数釣り河川としての顔を見せるが、アユの成長が早く終期には25cmを超える大型も姿を見せる。釣り人口が多いため尺アユまで育つことは少ないが、27~28cmまでなら毎年のように情報が発信されている。
釣況&ポイントは変幻自在
釣況は毎年大きく変化し、天然遡上が多い年は数釣り、少ない年は盛期から終期にかけて大アユ河川と化す。また、上流域の渓流相から中流域の本流相まで、川相は大きく変化する。小河川が好きな人は上流域へ、大河川が好きな方は中流域へと釣り場を選べる。
比較的緩やかな流れが多い同川だが、早瀬や荒瀬、平瀬、チャラ瀬、トロと多くの流れが点在している。引き釣りの得意な人、オトリをゆっくりと泳がせたい人と思い思いの釣りが楽しめる。
同川のトモ釣りは、湯ヶ島の西平橋上流から大仁の神島橋周辺までだろう。流程にして18kgほど。昔からアユ釣りが盛んなこともあり、瀬や淵の1つ1つに名前が付けられており、ネットやオトリ店で情報収集する時にわかりやすい。
人気の釣り場紹介
人気の釣り場は、上流から西平橋上流、嵯峨沢橋上下流、田沢橋上流、矢熊橋上下流、雲金橋上流(ドーム前)、柿木橋上下流、松ヶ瀬吊り橋上下流、宮田橋上下流、あさひ橋上下流、遠藤橋下流、大見川合流点、修善寺橋下流、大仁橋上流、神島橋上流と続く。
競技会が多く開催されるのは松ヶ瀬吊り橋周辺で、このエリアは上級者が立ち変わり入川しているので、避けるもよし、チャレンジするもよしだ。吊り橋上流はトロ瀬やチャラ瀬が断続するポイントで魚影が濃い。ただ、群れアユが多いのが難点だ。吊り橋下流はチャラ瀬が広がり、徐々に流れの強い瀬へと変化し、宮田橋上流へと続く。
私は比較的渓流相が好きなので、上流域の嵯峨沢橋下流、矢熊橋上流がお勧めだ。橋下から150mほど瀬が続き、底石が大きく流れが複雑に離合集散を繰り返しているので、流れ全体がポイント。矢熊橋周辺は、橋上に松の瀬、橋下にヤブの瀬があり、その上下流は淵になっているので、釣り返しが効く。
そのほか、田沢橋上流は、早瀬・急瀬・深瀬・平瀬・チャラ瀬とさまざまな流れがあり、グループで楽しめる。慶友病院上の深瀬や慶友病院下の早瀬などポイントは多いが、駐車スペースがないのが難点だ。
修善寺駅辺りから川幅が広くなり、修善寺橋、大仁橋、狩野川大橋、神島橋と流下する。流幅が広く水深があるので、ポイントが絞りづらい。竿の届かないポイントもある。そのような流れでぬくぬくとアカをハみ、成長するアユがいる。終期にはこれらを狙いたい。魚影の薄いシーズンには尺鮎も姿を見せる。
<週刊つりニュース関東版APC・藤崎信也/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース関東版』2024年5月31日号に掲載された記事を再編集したものになります。