沖縄の桜前線は大自然と融合し世界遺産ではライトアップ!特別なひとときを「琉球寒緋桜」で体験(本部町・今帰仁村)
年が明けて寒さが身に染みる頃、南国沖縄ではいち早く桜が見頃を迎えます。 「琉球寒緋桜(リュウキュウカンヒザクラ)」と呼ばれる桜は、本土で見ることができる桜とは異なる種類。一足先に春の訪れを感じに、沖縄ならではの桜を見に行ってみませんか? 今回は、「琉球寒緋桜(リュウキュウカンヒザクラ)」の見所として有名な本部町の「八重岳」と、今帰仁村の「今帰仁城跡」をご紹介します。 山全体がピンク色に染まる美しい風景は、この時期にしか見ることができません。 2025年夏に開業予定として話題の、沖縄初のテーマパーク「ジャングリア」建設予定地がすぐそばなので、桜を見るついでに開業前の下見に行ってみてもおもしろいですよ!
琉球寒緋桜(リュウキュウカンヒザクラ)とは
寒緋桜(カンヒザクラ)は、日本や東アジア地域で見られる桜の一種で、寒い時期に鮮やかな緋色の花を咲かせることで知られています。 主に台湾、沖縄、中国南部、東南アジアなど温暖な地域を原産とし、日本では特に沖縄や九州南部でよく見られる桜の品種です。 このうち、沖縄で咲く寒緋桜を「琉球寒緋桜(リュウキュウカンヒザクラ)」と呼びます。
本土でよくみられる「ソメイヨシノ」とは、花の色も形も大きく異なります。 琉球寒緋桜の花の色は、濃いピンク〜赤色のような、鮮やかな緋色。薄く淡いソメイヨシノの色と比べると、南国感のある色です。 花の散り方もソメイヨシノとは異なり、花びらが舞い散るように落ちるソメイヨシノに対して、琉球寒緋桜は花全体がそのまま落ちます。 花びらは一重咲きで釣り鐘のように下向きに咲く独特な形状をしていて、ソメイヨシノのように上から見るというよりも、したから花を見上げるとより寒緋桜を楽しめます。 写真を撮影する際も、下から花をのぞき込むようにカメラを向けてみては。
琉球寒緋桜(リュウキュウカンヒザクラ)の開花時期はいつ?
琉球寒緋桜の開花時期は通常1月中旬から2月。2月上旬には満開を迎えることが多いです。冬の寒さが残る中で、いち早く春の訪れを告げてくれる花ですよね。 本土に比べて開花時期が早いのは、沖縄は冬といえど温暖な気候だから。最低気温が10℃前後までしか下がらないため、桜の開花時期が早まるのです。 ちなみに、標高によって見頃の時期が若干異なります。 標高が高い地域では気温がやや低いため平地よりも少し遅れて開花する一方、平地や温暖な海岸沿いでは早めに花が咲く傾向があり、1月初旬から中旬に見ごろを迎えることがあります。 今回ご紹介する、琉球寒緋桜の名所として有名な「八重岳」や「今帰仁城跡」は比較的標高の高い地域に位置しているため、2025年は2月上旬が見頃になりそうです。
本島北部の大自然と融合し咲き乱れる寒緋桜に圧巻の八重岳(本部町)
沖縄本島北部の本部町に位置する八重岳には、7000本もの琉球寒緋桜が植えられており、その一斉開花は壮観そのものです。琉球寒緋桜の開花時期になると、標高453mの山頂から麓にかけて山肌全体が濃いピンク色に染まり、遠くからでもその華やかさを感じられます。 八重岳の最大の魅力は、山を縫うように続く桜並木。 道路沿いに植えられた琉球寒緋桜が車道を覆うように枝を伸ばしているので、桜のトンネルができあがっています。 特に斜面を登っていくと、濃いピンクの花々と青い空のコントラストが絶景。
そして八重岳の上の方まで登っていくと、ジャングルに迷い込んだような亜熱帯植物たちの中に突如ピンク色の絨毯が広がっているような、不思議な光景に目を奪われます。 この独特の景観は八重岳ならではで、ほかの桜の名所では味わえません。 2025年1月末現在、八重岳の琉球寒緋桜は7分咲きほど。 2月1日・2日の週末には、見頃を迎えると予想されるので、ぜひ一足早い春の訪れを感じてみては。 ちなみに、道路はあまり広くない上に車の往来が多く、駐車場は非常に数が少ないため、基本的には徒歩での散策はおすすめしません。もしも車を降りて写真を撮影する際は、周りに十分に注意をしてください。 また、八重岳は地元の方の努力もあって美しい光景を見ることができます。路上駐車やゴミのポイ捨てなどの迷惑行為はせず、節度のある行動で美しい八重岳を楽しみましょう。
関連イベント:もとぶ八重岳桜まつり(例年1月後半〜2月初旬に開催)
八重岳桜の森公園にて、2025年1月18日 ~ 2025年2月2日に「もとぶ八重岳桜まつり」が開催されます。 祭りの会場では地元特産品の販売やステージイベントが行われ、沖縄の文化や料理を楽しめます。 もとぶかりゆし市場から八重岳桜の森公園まで、無料のシャトルバスも運行されていますのでぜひご利用ください。
ライトアップが幻想的で天空から見下ろす寒緋桜は今帰仁城跡(今帰仁村)
沖縄本島北部の今帰仁村にある観光地としても有名な「今帰仁城跡」の敷地内には、およそ1000本もの琉球寒緋桜が植えられています。
城壁や拝所、石段など歴史的構造物との対比が魅力で、たとえば「御内原(ウーチバラ)」と呼ばれる王族の居住区跡や、「主郭(シュカク)」の高台から望む桜の風景は、今帰仁城跡でしか見ることができません。
今帰仁城跡の琉球寒緋桜の見所といえば、夕方以降のライトアップ。 夜間は城跡全体が柔らかな光に包まれて、幻想的に琉球寒緋桜の濃いピンク色がより際立ちます。 なお、ライトアップの期間中は一方通行になり途中で折り返すことができないので、訪れる時間帯に注意してください。 昼間の琉球寒緋桜も、ライトアップされた琉球寒緋桜も見るなら、点灯時間(18時)前後に訪れるのが吉。この時間帯であれば、昼間の自然が作り出す美しい光景も、ライトアップによる幻想的な光景も堪能できますよ! ちなみに、2025年1月末現在、今帰仁城跡の琉球寒緋桜は6分咲きほど。 2月1日・2日の週末には、見頃を迎えると予想されるので、ぜひ一足早い春の訪れを感じてみては。 今帰仁城跡については、以下の記事でも詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
関連イベント:今帰仁グスク桜まつり(例年1月後半〜2月初旬に開催)
今帰仁城跡にて、2025年1月25日 ~ 2025年2月2日に「今帰仁グスク桜まつり」が開催されます。 大道芸人や猿回しなど、大人も子どもも楽しめるイベントも開催されるほか、地元特産品の販売ブースや沖縄料理の屋台も楽しめます。 土日は「北山病院駐車場」「今泊グラウンド」「今帰仁村立兼次小学校運動場」の3会場が臨時駐車場として開かれ、ここから今帰仁城跡まで無料のシャトルバスが運行されています。 桜まつり期間中駐車場が大変混み合いますので、ご来場の際は公共交通機関利用をご検討ください。
今週末は琉球寒緋桜の鑑賞に、北部へおでかけしよう!
2025年2月1日・2日ごろに見頃を迎える、八重岳と今帰仁城跡の琉球寒緋桜。 この時期にしか見られない幻想的な風景を楽しみに、ぜひ今週末は北部へおでかけしてみては。 ちなみに寒緋桜は、実は鑑賞用としてだけではなく、蜜源植物として養蜂業に利用されることもあります。花が少なくなる冬の時期、琉球寒緋桜の花の蜜はミツバチにとって重要な食料源になるのだとか。 「気まぐれ」「あなたに微笑む」「あでやかな美人」「善行」という花言葉を持つ、沖縄の春を告げる琉球寒緋桜。 鑑賞に訪れる際は、モラルある行動を心がけてくださいね。