高校サッカー日本一経験監督が提言 選手権の運営に改善の余地? 野球とは異なる事情
■静岡学園の川口監督「こんなことを言うべきではないが…」
名将の発言が賛否両論を巻き起こしている。全国高校サッカー選手権の大会運営をめぐり、静岡学園の川口修監督が疑問を投げかけた。その発言に対し、インターネット上では意見が飛び交っている。
【写真で見る】夫は元エスパルスの10番 元人気アナウンサーが明かすサッカー選手との結婚生活
5大会ぶりの優勝を狙っていた静岡学園はPK戦の末、準々決勝で東福岡に敗れた。延長戦を設けずに後半終了後すぐにPK戦に入るのは、過密日程による選手の体調を考慮した上の対応となっている。ただ、準決勝まで1週間の期間が空くことから、「準々決勝にPK戦は必要なのか」という意見もある。
ただ、今回議論を呼んでいるのはPK戦の是非ではない。川口監督は疑問を呈したのは、高川学園に勝利した3回戦終了後だった。「こんなことを私が言うべきではないのかもしれませんが」と前置きし、こう訴えた。
「準々決勝で戦う東福岡と私たちは次の試合が同じ4試合目というところは良かったです。もし、相手が3試合目だった場合、コンディションの面で大きな違いがあります。全国大会でシードによって試合数に差がついてしまうのはどうなのかなと思います」
■過密日程でコンディションに差 シード校有利に
静岡学園は今大会、1回戦から戦っている。一方、3回戦で対戦した高川学園は2回戦から登場したため、静岡学園と対戦した時点で試合数が1試合少なかった。高校サッカーは準々決勝までの日程が詰まっており、静岡学園は初戦から1週間で4試合を消化している。
高校サッカー選手権は前年度の成績と抽選によって、計16校がシード校となって2回戦が初戦になる。川口監督は日程によるコンディションの差を問題視し「高校生だからできるという考えは良くないですし、こんなに大きくて素晴らしい大会ですから、もう少し平等に勝負するべきではないかと思います」と語った。
川口監督の考え方に対し、インターネット上では賛否が交錯している。否定的な意見には「大会の規定が決まっている以上、その中で勝つ方法を考えるのが指揮官の役割なのではないか」、「全国大会と言っても高校生の部活。日程を長期化すれば学校生活や学業にも影響が出てしまう」、「コンディションを優先するのであれば選手を入れ替えて戦えば良い」といった内容が並ぶ。
一方、川口監督に賛同する人も多い。現状のトーナメントはシード校がコンディション面で有利になることから「出場校を増やせばシードがなくなって、全ての高校が1回戦からスタートする平等性を確保できる。都道府県予選で準優勝だった高校が地域ごとに対戦して出場校を増やしてほしい」、「野球以上にサッカーは過密日程で1試合の違いはかなり大きい。川口監督の意見は正論」、「大会規定に高校側が合わせるのではなく、現場の意見に合わせた規定に変えるのが選手のためになるのではないか」などの声が上がる。
シード校をなくして全校が1回戦を戦うためには、16校を追加する必要がある。高校サッカーは甲子園と違って準々決勝までは複数の試合会場があることから、出場校を増やしても運営に大きな支障はないという見方が強い。
(SHIZUOKA Life編集部)