「なぜ学校に行かなければならないの?」子どもの“なぜ?”にどう答える?
●10月5日は「教師の日」
教育を受ける機会をより多くの子どもたちに広めるため優秀な教師の育成、支援を行っている認定特定非営利活動法人Teach For Japanが制定しました。
日付は1966年10月5日にユネスコが「教師の地位向上に関する勧告」を調印して「世界教師デー」が生まれたことにちなんでいます。
『なぜ、学校に行かなければならないの?』
子どもは好奇心旺盛。
「お空は、なぜ青いの?」
「海の水は、なぜしょっぱいの?」
子どもが投げかける「なぜ?」には、しっかり調べて教えてあげたいものです。
でも、中には調べても明確な答えのない「なぜ?」があります。
「どうして学校に行かなければいけないの?」
こんな質問をされたママも多いのではないでしょうか?
親の言葉ひとつで、子どもの価値観が変わってしまったり、誤解されて受け止められてしまったり、慎重に言葉を選ばなければなりません。
あなたならどう答えますか?
口コミサイト『ウィメンズパーク』のママたちの答えは、
「今はパパとママがいるけど、あなたが大きくなったら一人で生きていかなければならないの。でも、人は誰かと共に生きないといけないから、学校でお友だちに優しくしたり、お話しして、共に生きるやり方を学ぶ必要があるの。そうすることで、君の人生はもっと楽しくいものになるのよ」
「友だちと遊ぶのも勉強。ケンカも勉強。嫌な思いをするのも将来の人間関係のための勉強。家族だけの世界ではなく、他人との関わり方を勉強する場所、と言うかな?」
「学校はコミュニケーションを習いに行く場所だと教えます。ケンカしたら、どうやったら仲直り出来るかな?って考えるし。他にも色々人間関係で悩んだりするけど、それは一生どこにいってもつきまとう事だから」
学校は、人間関係や社会性を築く場所なのですよね。
「集団の中の一人として行動すること、時間を守りながら生活すること、役割を持って責任を果たすこと、漢字や計算など、暮らしていくために必要な基礎知識を身につけること…を学ぶため、と説明しています」
協調性や社会のルールを学ぶ場所でもあります。
「親はいつまでも生きてないから、自立する方法を学ぶため。朝起きて行くべき場所に行き、昼ご飯を食べて、体を動かし、自分の得意不得意を受け入れて、それをどうやったら克服できるかのヒントを教えてくれる場所なんだよ」
「学校は何日休んでも『もう来るな』とは言われないけど、会社は『もう来るな』って言われるの。やりたくない仕事だってしなきゃいけない。だから嫌なことがあっても行って、したくないことだってする、好きじゃない人とだって付き合っていく心を作るために学校に行くのよ」
つらいことがあったとき、それを乗り越える術を学ぶ場所でもあり、自分自身が強くなり自分の足で立つ(自立)ための場所でもあるのですね。
「わが家は、パパは会社、ママは家事をするのが仕事。子どもは学校へ行くことが仕事なんだよ」
「ママだって行けるものなら行きたいわー。あんなおいしい給食毎日食べられて最高じゃーん。って答えるかな。あんま堅く考えんな。楽にいこうぜ、という意味でね」
とてもシンプルな回答。低学年なら納得してくれそうです。
実際に「なぜ、学校に行く必要があるのか?」と、不登校になった子どもを持つママもいます。
「学校は行くべき場所、行かないといけない場所と強く言い聞かせていましたが、不登校になり『辛かったら無理せず休んでもいい』にシフトしました。不登校から脱却した後は、『学校は失敗してもいい場所、いろんな事がたくさん経験できる場所、そこから大人になるために必要な事を学べる場所』と教えています」
「私自身が中学から不登校児で通信制の高校に通いました。就職や世間の目は厳しいものがあります。子どもになぜ行かなければならないかと聞かれたら、行った方が、その後の人生がより楽だからと、経験を踏まえて教えます」
学校に行く意味。その答えはひとつではないですよね。
答えのない「なぜ?」には、子どもの考えも聞きながら親子で答えをみつけてみるといいかもしれませんね。
(文・井上裕紀子)
■文中のコメントはすべて、『ウィメンズパーク』(2022年1月末まで)の投稿からの抜粋です。
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