「自律神経が乱れる」と身体に何が起きる?【眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話】
重大な病気へと発展するおそれも
アクセルである交感神経とブレーキである副交感神経。両者がしっかりと機能していることが「自律神経の整った状態」です。一方で、それぞれが正しく機能していないと、「自律神経の乱れた状態」になります。自律神経の乱れは、体や心に様々な辛い症状を引き起こしますが、その主な要因となるのが血流循環の悪化です。
交感神経が過剰に高まると血管が収縮し、血液の流れが悪くなります。さらに副交感神経の働きが低下していると血流が改善されず、脳や内臓にまでダメージが及びます。
身体的な不調では、だるさや疲れやすさをはじめ、血液循環が悪くなることによる頭痛や肩こり、内臓機能の低下による便秘や下痢、肌荒れなどが挙げられます。免疫力が低下し、風邪や感染症にもかかりやすくなります。
長期的には血管の収縮が続くことによる高血圧、血液がドロドロになり血管内皮が傷つくことによる動脈硬化、さらにはそこから血栓が生じて脳梗塞や心筋梗塞など、命に関わる重大な病気につながるおそれもあります。また精神的な不調ではイライラしやすくなったり、やる気が低下したり、不眠や過眠といった睡眠の異常が現れることもあります。
これらは「この程度の症状」と軽く見てはいけません。自律神経の乱れが、やがては恐ろしい病気へと発展してしまうかもしれないのです。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話』 著:小林弘幸