「業務時間外のLINEはハラスメント」が最多に 管理職と非管理職に認識ギャップ 民間調査
MENTAGRAPH(東京都中央区)は9月16日、「ハラスメントの基準」に関する調査結果を公表した。調査の結果、非管理職は身体的接触やプライベートへの介入に対してより敏感であることや、LINEでの業務連絡、呼び捨てなどがハラスメントと認識されやすいことがわかった。
ハラスメントに該当する行為、トップは「業務時間外のLINE」
調査ではまず、「ハラスメントの基準に関して当てはまるものを選択してください」と質問したところ、「業務時間外のLINE連絡」が28.6%と最も多い結果になった。次に「肩を叩(たた)く」が26.6%、「若いから体力があるという発言」と「下の名前での呼び捨て」は、同率25.4%となった。
一方で、「業務上の指導での怒号」は14.9%にとどまっており、個人間の認識差が生じやすい身体的接触や呼称が問題視されやすい傾向が明らかになった。
管理職と非管理職の間に「ハラスメントの認識ギャップ」
ハラスメントとみなす割合における、管理職と非管理職の認識でギャップが最も大きかったのは、「肩を叩く」行為だ。非管理職が30.2%となったのに対し、管理職は22.9%にとどまり、ギャップは7.3ptという結果になった。
次に「若いから体力があるという発言」は、非管理職が28.5%、管理職22.4%で、ギャップは6.0pt。また、「髪型・服装への指摘」が4.3pt(非管理職25.5%/管理職21.1%)、「業務時間外のLINE連絡」が4.0pt(非管理職30.6%/管理職26.6%)、「下の名前での呼び捨て」が3.9pt(非管理職27.3%/管理職23.5%)と続いた。
この結果を踏まえ、同社はハラスメントの判断が曖昧な行為が上位に集中していると分析。現場の非管理職はリスクを感じる一方で、管理職は「親しみを込めた表現」や「業務指導の範囲内」と解釈しがちで、判断基準が甘くなりやすいと指摘している。
厚生労働省「職場におけるパワハラの3要素」を定義
線引きが曖昧な職場のハラスメント問題に対し、厚生労働省は「職場におけるパワーハラスメント3要素」として内容を定義。客観的にみて業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導にあたらず、以下の1〜3までの要素を全て満たすものはパワーハラスメントに該当するとしている。
・優越的な関係を背景とした言動
・業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動
・労働者の就業環境が害されること
同調査は2024年12月3日〜12月17日に、22〜65歳のビジネスパーソン1800人(管理職900人・非管理職900人)を対象としてインターネットによるアンケート調査を実施。2025年8月15日~8月31日に分析を行った。
調査結果の詳細は、公式リリース(PRTIMES)で確認できる。