水戸に新たな文化施設「テツ・アートプラザ」オープン!「クヴェレ美術館」は2026年2月14日に開館へ。
茨城県水戸市泉町に、ホール、美術館、カフェから成る「テツ・アートプラザ」が、2025年11月21日にプレオープンします。この文化施設の構想は、明治時代に建てられた歴史的洋風建築「旧川崎銀行」を活かし、水戸のまちに新たな賑わいを生み出したいという思いから始まりました。
再生された建物の中心には、交流の場として生まれ変わった「クヴェレホール」が誕生。その両脇には、「クヴェレ美術館」とカフェ「niko and ... COFFEE」が新設され、誰もが気軽に芸術文化に親しめるスペースとなります。 ※「クヴェレ美術館」は2026年2月14日に開館。
「クヴェレ(Quelle)」とは?水戸に泉のように人々が集い、交流が生まれる場が誕生!
「クヴェレ(Quelle)」とは、ドイツ語で「泉」を意味する言葉。「テツ・アートプラザ」が建つ 「泉町」にちなんで名付けられました。湧き出る泉に人々が集い、交流が生まれる憩いの場となるようにとの願いが込められています。
「テツ・アートプラザ」が位置する水戸市泉町とは、水戸芸術館や水戸市民会館などが立ち並ぶ、水戸随一のアート・カルチャースポット。少し足を伸ばせば偕楽園や弘道館といった歴史を感じられる史跡や、茨城県近代美術館が隣接し、市民の憩いのオアシスとして親しまれている千波公園があります。
株式会社アンドエスティHD(旧株式会社アダストリア)の会長・福田三千男は、創業の地である水戸に誰もが気軽に芸術や生活文化に親しめる「テツ・アートプラザ」を整備すべく、その管理と運営を担う組織として、2021年に哲文化創造一般財団法人を設立します。その後、茨城県から公益財団法人として認定され、2025年に哲文化創造公益財団法人に変更されました。
なお「テツ・アートプラザ」ならびに哲文化創造公益財団法人の名称は、1953年に福田屋洋服店(現:株式会社アンドエスティHD)を水戸市泉町に創業した福田三千男の父・福田哲三氏の「哲」からとられています。
※アンドエスティHDグループ:アパレル・雑貨・飲食などのブランドを展開する「株式会社アダストリア」、「株式会社エレメントルール」、「株式会社BUZZWIT」、「株式会社ゼットン」をはじめ、モール&メディア事業などを展開する「株式会社アンドエスティ」、グループの物流を担う「株式会社アダストリア・ロジスティクス」などによって構成されるマルチカンパニーグループ。
歴史的洋風建築・旧川崎銀行を活かす。「テツ・アートプラザ」の建築プロジェクト
このプロジェクトは、明治期の歴史的建造物・旧川崎銀行を中心に、美術館とカフェを新設し、3施設を屋内でつなぐ大規模なもの。白い御影石の旧銀行棟に呼応して、美術館とカフェには特注の赤レンガ約7万本を使用。すべて手作業で積み上げられ、時を経て風合いを増す外観が、街にぬくもりを添えます。
内装にはケヤキやクリの無垢材を随所に用い、木のあたたかみが感じられる室内空間が築かれました。また中庭に面したハーフミラーガラスには旧銀行棟が映り込んで調和し、夜には一転して建物の灯りが街を優しく照らします。新旧の建物が一体化して水戸に新たな景観を生み出したのも、「テツ・アートプラザ」の魅力と言えるでしょう。
「クヴェレホール」と茨城県内初出店となるカフェ「niko and ... COFFEE」が誕生
それでは「テツ・アートプラザ」の中核となる施設をご紹介します。まずは旧川崎銀行棟を改修した「クヴェレホール」です。ホールには居心地の良いテーブルや椅子を配置し、無料で一般へ開放。歴史を感じる空間で、思い思いのひとときを過ごすことができます。
また地域の芸術文化活動などを行う方にも活用してもらえるよう、貸し切りでの利用も可能です。(有料の場合有り)。演奏会などのイベントを開催し、生まれ変わった歴史ある建造物を活かした活動を行います。
なお当初のままのトップライトからは、自然の柔らかな光が降り注ぎます。そしてさまざまなイベントの開催に備え、防音効果を得るための二重窓構造にした上、照明や空調等が整備されました。
茨城県内初出店となるのが、カフェ「niko and ... COFFEE」。人気のニコパンやスムージーなどの定番商品に加えて、シーズナルメニューや、同店限定のメニューも用意します。またカフェの一部コーナーでは、「LAKOLE」の生活雑貨や食品なども購入できます。
カフェ棟は、L字型にガラス窓が巡り、明るく開放的な空間が特徴。ホールとカフェを繋ぐ開口部は、旧銀行棟の明治期のレンガ躯体をあえて露出させていて、時代や歴史を感じることができます。美術鑑賞後の休憩だけでなく、街歩きや仕事帰りにも立ち寄りたいスポットです。
「クヴェレ美術館」が2026年2月14日に開館!その充実したコレクションとは?
「クヴェレ美術館」のコレクションの中心は、哲文化創造公益財団法人の理事長・福田三千男が収集した日本近現代の絵画と工芸作品、吉田石油前顧問の故・吉田光男氏より寄贈されたシルクロードの仏教美術や陶磁器、また故・瀬川竹生氏寄贈の伊万里染付大皿など約630点です。
コレクションの内訳
・近現代の日本画・近代洋画(横山大観、小川芋銭、藤田嗣治、中村彝など)約270点
・シルクロードの仏教美術、陶磁器 約250点
・伊万里染付大皿 113点
展示室は1階と2階あわせて約400平方メートル。1階展示室には吉田コレクションを中心とした工芸作品を展示します。吉田光男氏が日々の生活の中でコレクションを鑑賞していたことにちなみ、左官仕上げの壁と木材、優しい光が降り注ぐ光天井や障子窓を組み合わせることで、作品を身近に楽しめる空間となりました。
2階展示室では、主に絵画作品や近現代の工芸作品が展示されます。展示室1には、収納式の展示パネルや奥行きを可変できる壁面ケースを備え、様々な作品にも対応することができます。
「開館記念展I Meet 美の交差点 近代日本画と東洋陶磁」が開催へ
最後に「クヴェレ美術館」での展覧会の開催情報をお知らせします。主に所蔵品を中心とした企画展を年に3〜4回開く同館では、以下のスケジュールで3期にわたる「開館記念展」が予定されています。
【展覧会スケジュール(予定)】
・2026/2/14〜7/5:「開館記念展I Meet 美の交差点 近代日本画と東洋陶磁」
・2026/7/18〜2027/1/11:「開館記念展II Meet 美の交差点 日本近代洋画とシルクロードの精華(仮) 」
・2027/1/30〜4/11:「開館記念展III Meet 美の交差点 棟方志功と清宮質文の版画展(仮) 」
このうち「開館記念展I Meet 美の交差点 近代日本画と東洋陶磁」では、同館を代表するコレクションから、近代日本画と東洋陶磁を中心とした作品を公開。茨城県ゆかりの横山大観や小川芋銭のほか、上村松園、竹内栖鳳などの作品と、インド、地中海、中国、朝鮮半島、そして日本と幅広い地域から集められた工芸作品を紹介します。
ちょうど「クヴェレ美術館」が開館し、「開館記念展I Meet 美の交差点 近代日本画と東洋陶磁」が行われる2月中旬は、偕楽園の梅がほころび始める頃。水戸への観梅を兼ねながら、日本画の名品や珠玉の東洋陶磁コレクションを味わうのも良いかもしれません。
明治の洋館が息を吹き返し、新しい文化の拠点として生まれた「テツ・アートプラザ」では、歴史の重なりを感じながら、アートと人が出会い、語り合うひとときを楽しめます。そして「クヴェレ美術館」では、日本の近代美術からシルクロードの仏教美術まで、多彩な作品が堪能できます。「水戸の街の真ん中で、芸術と憩いがひとつになる」。そんな「テツ・アートプラザ」へ、ぜひお出かけください。
【テツ・アートプラザ】各施設利用案内
◇ クヴェレホール
開館時間:10:30〜18:00 ※11月21日(金)のみ、12時から一般公開
休館日:月曜日及び第2火曜日(祝日の場合は翌日休館)、12月29日〜1月3日、臨時休館:2026年1月19日(月)〜24日(土)
入館料:無料 ※イベント開催時など利用できない場合があります。
◇ カフェ「niko and ... COFFEE」
営業時間:10:00〜20:00(平日)、11:00~18:00(土日・祝) ※11月21日(金)のみ、12時から一般公開。
定休日:12月29日〜1月3日 臨時店休:2026年1月19日(月)〜24日(土)
◇ クヴェレ美術館 2026年2月14日(土)開館
開館時間:10:30〜17:30 ※毎週金曜日は19:00まで開館。最終入館は閉館30分前。
休館日:月曜日及び第2火曜日(祝日の場合は翌日休館)、12月29日〜1月3日、展示替え期間
◇所在地 茨城県水戸市泉町3-2-3
◇アクセス 公共交通機関:JR東京駅(品川駅始発)から常磐線特急で約75分、水戸駅下車、北口バスターミナル4-7番のりばからバスで約5分「泉町三丁目」下車、横断歩道を渡ってすぐ。乗用車:常磐自動車水戸ICから約20分。※提携駐車場あり