55歳、専業主婦の《リアル貯金額》。老後に備えたい。医療保険は解約しても大丈夫?【FPが解説】
読者から寄せられたリアルな総資産額を大公開。質問内容から、改善できるポイントがあるのか、ファイナンシャルプランナーが解説します。【55歳 女性】
【貯蓄額】55歳、女性の場合
プロフィール
55歳、女性
専業主婦
年収0円、世帯収入240万円
【相談内容】医療保険は解約しても大丈夫?
「老後資金はNISAで積立投資を継続していけば足りそうですが、保険が足りない気がしています。高額医療制度を考えれば医療保険は不要との意見もありますが、解約してもよいのでしょうか?」
相談者さんの金融資産額は高水準
相談者さんは専業主婦ですが、ご主人には年間240万円の収入があり、現在の金融資産は1,550万円とのこと。
普通預金800万円からおいくらずつかをNISAに預け替えていく予定のようであり、老後資金にはご不安がない様子です。
一方で相談者さんと同じ50代の2人以上世帯の平均貯蓄額は1,147万円、中央値は300万円、ご主人と同じ60代の平均貯蓄額は2,026万円、中央値は700万円*。
相談者さんの世帯で考えれば、同年代の平均額程度、中央値よりもかなり多い貯蓄額のようです。
*……参考:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和5年」
貯金を減らさないためにも医療保険は加入を
相談者さんは一昨年に保険の見直しをしたものの、足りない気がするとのこと。
医療保険は不要という意見を耳にしたことから、解約してもよいのではないかと悩んでおられます。
確かに高額医療制度を考慮すれば入院した場合も貯金で賄えるため不要に感じますが、貯金を使った分だけ老後資金が足りなくなる可能性も。
医療保険は治療費そのものを賄う保障というよりも、老後生活資金としての貯金を減らさないために加入しておきましょう。
50代後半となれば医療保険の負担も大きくなるため、シンプルなもので最低限を抑えておくとよいです。
近年は医療保険のタイプも、以下の通り増えています。
日数連動型
入院1日当たりに給付される金額が設定されているタイプ。医療保険の主流といえます。
短期間の入院の場合、給付金額だけでは入院費用をまかないきれない可能性も。
一時金型
入院日数に関わらず、1回の入院で給付される金額が設定されているタイプ。
このタイプで高額医療制度の自己負担分を確保しておくと、手出しの可能性は低くなります。
一方で長期間の入院では、費用をまかないきれない可能性も。
実費補償型
入院費用そのものを補償するタイプ。
医療費のみを保障しているケースが多く、食事代等は別途加入もしくは自己負担が必要です。
医療保険の中には、上記の中から複数を組み合わせられるものもあります。
いずれも一長一短あるため、医療保険を検討する際はどのタイプが安心できるかを確認しましょう。
併せてがん保険の検討を
がんは自覚症状がないまま進行することもある病気のため、ある日突然宣告を受ける可能性があります。
しかも、抗がん剤治療は薬剤が高いため、大きく貯金を減らす場合も。
医療保険と併せてがん保険も見直しましょう。
主ながん保険のタイプと特徴は、以下のとおりです。
日数連動型
がんで入院した日数に応じて給付金が変わるタイプ。
昔のがん保険はこのタイプのみでしたが、今はほとんど見られません。
診断給付金型
がんと診断された時点で給付されるタイプ。
回数や給付される基準などの詳細は、保険会社によって異なります。
治療給付型
入院の有無に関わらず、治療を受けた月単位で給付されるタイプ。
各保険会社で急速に取り扱いが増えています。
医療保険と同様にいずれも一長一短あるため、加入の際には事前にどのタイプが安心できるかを検討しましょう。
まとめ
・貯金を減らさないためにも医療保険やがん保険は加入が望ましい。
・医療保険やがん保険は、どのタイプが安心できるかを検討しましょう。
※この記事では媒体で募集した情報を掲載しています。
◆松田亮太
ファイナンシャル・プランニング技能検定2級
大学卒業後、地方銀行、外資系生命保険会社を経て、現在FP事務所に勤務中。