相馬野馬追春季競馬大会開催 騎馬武者、雲雀ケ原を駆ける【福島県南相馬市】
千年以上の歴史を誇る相馬地方の伝統行事「相馬野馬追」開催に先立ち、第83回相馬野馬追振興春季競馬大会が4月27日、南相馬市原町区の雲雀ケ原(ひばりがはら)祭場地で開かれた。開会前に安全を祈る神事が執り行われた後、勝負服に身を包んだ騎馬武者たちが、約1.4キロのコースを力強く駆け抜けた。
大会は一般社団法人相馬野馬追が主催し、春と秋の年2回開催されている恒例行事。参加者は、本番の野馬追2日目に行われる「甲冑競馬」などに向けて、騎乗技術の研鑽(けんさん)に励んだ。
出場したのは、現在の南相馬市のほか、相馬市や浪江町、双葉町など、かつて相馬藩が治めた旧奥州中村藩の領地にあたる「郷(ごう)」から集まった騎馬会員ら約30人。宇多郷、北郷、中ノ郷、小高郷、標葉郷の各郷から騎手と馬が集まり、予選と決勝を合わせて計10レースが行われた。また、場内には子ども向けの騎乗体験コーナーも設けられ、家族で馬と親しむ姿が見られた。
大会では、小高郷の本間隼人騎手・馬主の「カルナック」が優勝。本番へ向けて弾みをつけた。
「相馬野馬追」は長く7月に開催されていたが、猛暑を避けるために昨年から5月に変更となり、今年は24日から26日まで開催される予定。国の重要無形民俗文化財にも指定されており、戦国絵巻を思わせる武者行列や迫力ある競馬が見どころで、例年多くの観光客が訪れる。今年もすでに周辺の宿泊施設が満室となるなど、期待が高まっている。