見たことある? 富山の港町に“寅さん”看板の喫茶店【喫茶 にしのみや】看板誕生には知られざる秘話が…
富山市の中心部から岩瀬へ。市内電車の富山港線と並行して走る県道沿いで、この看板を目にしたことはありませんか?
「お~い 幸福かい…」
大きな文字の横に描かれているのは、渥美清さんが演じる映画「男はつらいよ」シリーズの主人公、寅さん。道路からでも目につくインパクト大な看板ですが、何の店か、営業しているのか、知らない人も多いのでは?
実はここ、老舗の喫茶店なんです。
どうして寅さんの看板!? 知られざる誕生秘話
店の名前は「喫茶にしのみや」。
1杯ずつ丁寧にいれるコーヒーと、カレーライスやたまごサンドなどの定番メニューが評判の喫茶店です。
シンボルの寅さんの看板は、店のオープン当初からあるそう。オーナーの西宮正直さんが詳しい話を教えてくれました。
実はこの西宮さんこそ、『男はつらいよ』シリーズの原作・監督で知られる山田洋次さんの大ファン。
寅さんの看板を作ってしまったのも熱狂的なファン感情ならでは…というのはわかりますが、通常なら肖像権や著作権の関係でNGのはず。にもかかわらず、なぜこんなにも目立つ看板をずっと掲げられているのでしょうか。
それは、「山田洋次監督が認めているから」なんだそう!
山田洋次監督公認の寅さん看板
西宮さんは、今からおよそ40年前にイベントで山田洋次監督と知り合いになり、以来、今でもずっと親交があるのだそう。その特別な付き合いのおかげで、寅さん看板が許されているのです。
富山県は、実は「男はつらいよ」シリーズで寅さんが訪れていない、数少ない県のひとつ。
県民にとってはちょっと残念ですが、意外にもこんな接点があったとは驚きです。
朝から夕方まで、ずっと「モーニング」をやってます
インパクトのある看板だけでなく、店の“看板”メニューも紹介しましょう。
それが、人気の「モーニング」。
厚さ3.4cmの特注品のトーストに、サラダとハムエッグ、季節のフルーツとコーヒーがセットになっています。
早朝の6:00から営業する「にしのみや」には、モーニングを目当てに遠方からも客が訪れるそうですが、「モーニング」は朝だけではなく営業終了の18:00までずっと注文できるそう。常連客からの要望に応えて提供時間を変更しました。
これ以外にも、「にしのみや」にはちょっと変わった独自のルールがあります。
「5人で来たら、5人とも同じ物頼んでね~」
こう話すのは、ママの外喜子さん。
「そのかわり、頼まれたものはキチッとおいしく作るよ。常連さんにはハムちょっと多めにしたりね」
寅さんに負けない人情味あふれる接客と軽快なコミュニケーション。店とママの個性が光ります。
昔ながらの古きよき喫茶店の雰囲気を残す店内で、映画の話に興じるもよし。ゆったりと下町のような空気に浸るもよし。ノスタルジックなひとときを過ごせそうです。
出典:KNBテレビ「いっちゃんKNB」
2024年10月2日放送
記事編集:nan-nan編集部
【喫茶 にしのみや】
住所 富山県富山市西宮町7-54
営業時間 6:00~18:00