【ポークビンダルー修行】中野坂上『SpiceCurry FIFTY』はこれまでと全く違うポークビンダルー / 第9回
激ウマカレー「ポークビンダルー」にドハマりし、現在私は「ポークビンダルー修行」の真っ只中。結構なスパンでポークビンダルーを食べ続けているが、またしてもポークビンダルー迷子になってしまったかもしれない。
これまで食べたポークビンダルーの味はきちんと覚えているつもりだが、中野坂上『SpiceCurry FIFTY(スパイスカレー フィフティ)』のポークビンダルーは私の辞書に載っていない味であった。なんて奥が深いんだ、ポークビンダルー……!
・ポークビンダルーとは?
まずは「ポークビンダルー」について説明しておこう。ポークビンダルーとはインドのゴア地方発祥のカレーで、当時の宗主国「ポルトガル」の影響を受けている。
酢(ワインビネガー)を使用した“すっぱからいカレー”には強めの中毒性があり、1度食べたらヤミツキ必至。現段階で超メジャーなカレーではないものの、そのうちブームが起きても不思議ではないと個人的には思っている、
どうかこの素晴らしきカレーを多くの人に知って欲しい! 沢山の人にポークビンダルーを食べてもらいたい!! もし美味しいポークビンダルーをご存じの方は、ぜひこちらから教えてください。
・9食目
さて、ここでこれまで食べて来たポークビンダルーを振り返っておきたい。
東京駅「エリックサウス」
酸味は弱めでニンニクがガツンとインパクト系。ポークビンダルーはレギュラーメニューではない。
渋谷「ポークビンダルー食べる副大統領」
強めの酸味。ビネガーキレキレ系のポークビンダルー。
高円寺「くじら」
突き抜ける酸味と辛さ。高円寺らしさ全開の尖ったポークビンダルー。
中野「レインボウスパイス」
まろやかな酸味と強い旨味。誰が食べても絶対に美味しいビギナー向きのポークビンダルー。
代々木公園「スパイスポスト」
とてもとても淡い酸味と辛味。まるで聖母のような優しいポークビンダルー。
高円寺「negombo33」
まるでフルーツのような爽やかな酸味。現在のところポークビンダルーのド真ん中的な位置づけ。
末広町「モチヅキカレー」
辛さ控えめ & 主張の強いスパイス。思い出すだけでヨダレが出そうな酸味しっかり系ポークビンダルー。
大塚「カッチャルバッチャル」
信じ難いほど芳醇なスパイス。まるでオーラをまとったかのような甘酸っぱいポークビンダルー(レギュラーメニューではない)。
いずれのポークビンダルーも個性があり、同じような味は1つとしてない。中には「方向性は同じかな?」くらいのポークビンダルーもあったが、どのお店もこだわりや個性が詰め込まれていた。
・中野坂上へ
そういう意味で今回訪れた中野坂上『SpiceCurry FIFTY』も、個性が際立ったポークビンダルーと申し上げていいだろう。同店では4種類あるカレーのうちの1つとしてポークビンダルーを提供している(毎日ではない)。
ポークビンダルーは単体価格が1250円で、他のカレーとのあいがけやトッピングも可能。今回はポークビンダルーの単品をオーダーした。
やがて現れたのは黄色いダル(豆の煮込み)やアチャール(漬物)が鮮やかな一皿。ポークビンダルーの仕上げにはバルサミコが使用されているとのことだ。
・新たな要素
さっそく食べてみると……んん? やわらかな酸味とほのかな甘み、そしてそこそこの辛みは確かにポークビンダルーである。辛さに関して「中辛」くらいで、大辛ほどではない。
それよりも印象的なのはビターな風味で、これまで食べて来たポークビンダルーには無かった新要素だ。このビターな風味のおかげで味が引き締まり、さながら「ダンディズムなポークビンダルー」といった印象を受けた。
またダルを挟むと口が一瞬リセットされ、ポークビンダルーが鮮度よく食べられる。サラサラとしたバスマティ米との相性も良く、あっという間に完食していた。ここのポークビンダルーも美味しかったなぁ~。
結果として『SpiceCurry FIFTY』も非常に個性的なポークビンダルーであり、刺激よりも優しさを感じる一杯であった。男性のお客さんよりも女性のお客さんが多かったのも理解できる気がする(たまたま?)
なお、当日提供されているカレーは公式インスタグラムをご参照いただきたい。カニやイワシなど個性的なカレーも多くあったので、修行の目処が立ったらいずれ他のカレーも食べてみたいお店だ。
・今回訪問した店舗の情報
店名 SpiceCurry FIFTY
住所 東京都中野区中央1-32-8
時間 月~土11:00~15:30 / 日11:00~17:00
定休日 無休
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.