小児がんの支援をしたい!9歳の「やさしいレモネード」が新たな仲間との一歩へ
「困っている人を助けたい」
以前、「レモネード」を通してそんな思いを実現した小学3年生の青木瑛都君。
▼小3が作る“やさしいレモネード”きっかけは「急にいなくなった」男の子への思い
自分と同じ思いを抱く子どもたちを集めるために、瑛都くんが新たな一歩を踏み出しました。
いまぼくにできることはないか
2024年11月、神奈川県で開催された「松下政経塾スピーチコンテスト」。
審査員は大学の教授や新聞社の役員などがずらり。
そんな大舞台に立つのは、札幌市に住む青木瑛都(あおきえいと)君、小学3年生です。
「ぼくが大人になるまでに、小児がんの研究がもっともっと進んでほしいと思い、いまぼくにできることはないか考えました。レモネードスタンドを開催することにしました」
レモネードスタンドとは、世界中に広がった小児がん患者の支援活動です。
小児がんで死亡したアメリカの女の子が、生前レモネードを販売し売り上げ金を寄付したことがきっかけになって広まりました。
劇団に所属していた瑛都君。
仲間5人とレモネードスタンドを5回開催し、収益およそ34万円を小児がんの研究や患者を支援する団体に寄付をしました。
そんな成果をスピーチコンテストでPRします。
「みんなで決めた第1シーズンの目標金額は30万円。チラシ配布やSNSの拡散、メディアへの取材依頼などを行い、たった3回の開催で目標の30万円を達成しました」
審査員からは、レモネードスタンドを通してうれしかったことや楽しかったこと、やってよかったと思ったエピソードを聞かれました。
「まだ僕が幼稚園に行ってたときのことなんですけど、いつも幼稚園のバスに送ってくれてた子がいて、その子が急にいなくなっちゃって」
「じぶんごと」にするために何ができる?
瑛都君が、レモネードスタンドをやろうと思う原動力になったある男の子。
幼稚園の頃、キャッチボールの相手をしてくれた近所の小学生の男の子が、小児がんの一種=「悪性リンパ腫」になったのです。
「みんな他人事ではなく、自分のことと思えるようになるといいよね。そのためには仲間を増やさないといけない。さあ青木君、何ができるかな」
審査員の質問に対し、答えを探す瑛都君…
「やってみたいっていう人がいたら、その人をサポートしてその人が楽しくできるような方法を見つけていきたい」
スピーチコンテストで瑛都君は優秀賞に。
この答えをきっかけに、瑛都君は新たな一歩を踏み出します。
インスタグラムでボランティアスタッフ募集の投稿をしました。
そして、札幌市内で説明会を開催。2日間で8人が参加しました。
「私たちが楽しく笑っていたら、レモネードスタンドをやる人が増える。開催する人が増えると、たくさんの支援ができる。そうすれば、たくさんの命が助かる。これが僕たちのコンセプトです」
小児がんの子どもたちを助けたい、力になりたいと思った子どもたちが、瑛都くんたちの話に耳を傾けます。
説明の後は、レモネードスタンドのロールプレイ。
保護者が客になり、伝票の渡し方やレモネードの作り方を瑛都君たちが教えます。
「レモネードってさ、楽しいです」
大和ハウスプレミストドームのイベント。ここで瑛都君たちは6回目のレモネードスタンドを開催しました。
子どもたちが同じTシャツを着ています。シャツを見た人が小児がんや活動に興味を持ってほしいと思い、瑛都君がデザイナーと共に作ったもの。
真ん中にあるハートは「誰かのために」を表現しています。
ボランティアで初めて参加した子どもたちは、客の呼び込みやレモネード作りを担当しました。
そこに、外国人のお客さんが…。緊張しながら英語で対応します。
外国人の呼び込みに成功したのは6歳のスカイ君です。
「オレらが見つけて、走っていって英語で話したら来てくれた。“レモネード”ってさ、楽しいです」
今回初めてボランティアに参加した佐藤楓さん(10)も「少しでも小児がんの人たちの力になれたらなと思ってやった。最初は緊張していたが、今は楽しくてまたやりたい」と声を弾ませます。
そんな姿を見た瑛都君もうれしそう。
2日間に渡って開催されたレモネードスタンドでは600杯が売れ経費を引いた売上金、募金などを合わせた収益は10万2388円でした。
困っている人を助けるために、子どもたちが笑顔で活動するために。
瑛都君はこれからも活動の輪を広げていきます。
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年2月19日)の情報に基づきます。