黒板アートを初公開 麻生区内の学習塾で
麻生区の学習塾「麻生プレップ・スクール」(万福寺1の10の10)で5月31日(土)まで、「黒板アート」が展示されている。
4枚の黒板にチョークで描いたのは、稲城市に住む小椋優美子さん(53)だ。絵が趣味である小椋さんが初めて黒板アートにふれたのは2022年頃。コロナ禍で、中学3年生だった息子が通う学校の行事は中止が相次いだ。「卒業アルバムに載せる写真がない」。教員らが困り果てる中、保護者有志約20人が集まり、試行錯誤を重ねながら黒板アートに挑戦したという。「少しでも思い出を作ってもらいたい、子どもたちに笑ってもらいたい」。そんな思いで冬休みの期間を使い作品を仕上げた。1月の始業式で披露され、アルバムにも載った。「保護者みんなで力を合わせた。息子や同級生、先生たちがすごく喜んで。反応が大きく、うれしかった」と当時を懐かしむ。
「また黒板アートを描けたら」。2人の子どもを通わせていた学習塾の塾長・上野英夫さん(73)に23年の春に相談。上野さんは高齢だったこともあり、一対一の個別指導のみを細々と続けている状況だった。そこで、使用していなかった4枚の黒板をキャンバスとして提供することに。その後、1カ月に1枚程度のペースで制作してきた。通う子どものほか、同塾内で月に1回実施されている子ども食堂に訪れる親子らにも好評を博している。
そんなアートをより多くの人に見てもらえるように一般にも初公開することになった。子どもに喜んでもらおうと、アニメの一場面を描いている。小椋さんは「椅子もあるので、ゆっくりと絵を楽しんでもらいたい。展示期間中に制作しているときも。気軽に声をかけてもらえたら」と笑顔を見せる。上野さんも「多くの人から評判を呼んでいる」と勧める。
鑑賞できる時間は午前10時から午後5時まで。入場無料。問い合わせは上野さん【携帯電話】090・8300・2288。