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岡本圭人、sara、長野里美、平田満が出演 オリヴィエ賞受賞作家の叙情的な作品『NOT TALKING』をリーディングで上演

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(左から)岡本圭人、sara、長野里美、平田満

2024年12月15日(日)新国立劇場 小劇場にて、リーディング『NOT TALKING』が上演されることが決定した。

『NOT TALKING』は、オリヴィエ賞受賞作家マイク・バートレットの魅力的で叙情的な戯曲。2006年3月にクレア・グローブプロデュース、スティーヴン・キャニー監督により BBCラジオ3でラジオドラマとして初放送され、オーディオドラマ部門でイミソン賞とティニスウッドの両方を受賞した。4人の登場人物のモノローグのみで紡がれる物語は、観客に直接ストーリーを語りかける不思議な力強さがあり、沈黙の先にある言葉に、何かを感じさせる……。

出演には、確かな演技力と実績で、名だたる演出家の舞台を中心に、ドラマなど幅広い作品に出演する岡本圭人が、同僚のアマンダに想いを寄せながらも、アマンダを襲った悲劇を目撃し、会話ができなくなってしまった若き新兵マークを演じる。

事件をきっかけに心に深い傷を負うアマンダを演じるのは、ミュージカルでは圧倒的な歌唱力で観客を魅了し、ストレートプレイでも活躍の場を広げるsara。

夫の不倫を知りながらも何も語らず無言でピアノを弾き日々を過ごすルーシー役には、舞台『凍える』で読売演劇大賞優秀女優賞を受賞し、映画『あなたの番です 劇場版』や NHK 大河ドラマ『真田丸』などに出演し、媒体を問わず幅広く活躍する長野里美。

ルーシーの夫で、敬虔なクリスチャンでありながらスーザンと不倫関係を続けるジェームズ役を、舞台作品にとどまらず、映画・TV ドラマなど幅広く活躍し、圧倒的な存在感で観る者を魅了し続け、リーディング公演にも積極的に取り組んでいる平田満が演じる。

一切会話をすることのない4人。モノローグだけで語られる物語。個性豊かな実力派俳優が競演する。

【あらすじ】
誰にも言いたくない。それは私の自由でしょ?
ジェームズとルーシーは長年連れ添ってきた老夫婦。
20代の時にルーシーが流産し、子供はいない。
敬虔なキリスト教信者のジェームズは良心的兵役拒否をした。
その頃に出会ったスーザンという女性と不倫関係になり、
傷心のルーシーはショパンのピアノ曲を無言で弾くようになる。
マークはイラクへの出兵を控えた18歳の兵士。
同僚の女性兵士アマンダに想いを寄せており、アマンダもまんざらではない。
軍の中で行われたあるパーティーの夜、アマンダにふりかかった事件を機に、
2人は普通の会話ができなくなった……
出演者コメント

■岡本圭人
人には誰にも言いたくない秘密があると思います。話す必要はありません。ですが時を経て、信頼できる人に話すことで、自分自身が、もしくは誰かが救われることもあると思います。『NOT TALKING』は四人の登場人物が顔を合わせずに、モノローグというひとりごとを告白していきます。
人に秘密を明かすのはとても大変なことです。僕自身も経験があります。しかし、葛藤を乗り越えて言葉にすることで新しい世界(光)が見えてくることもあります。
登場人物の告白が皆様に届き、皆様に光を感じてもらえることを願い、稽古に励みたいと思います。

■sara
モノローグだけで紡ぐ物語。人はみんな、誰かに何かを分かってほしいと思いながら、話し続ける。でも、それが相手にどう届いているかは知り得ない。自分の痛みも、相手の痛みも、その本人にしか感じることはできない。ですが、それぞれの孤独が、確かに重なり合う時間がこの作品にはあります。それは、劇場という特別な空間の中で、舞台と客席の垣根を越えてそれぞれの人生が重なり合う瞬間にもなるのではないかと思います。特別な瞬間を皆さまと共有できますことを楽しみに、お稽古に励みたいと思います!

■長野里美
『NOT TALKING』は不思議な戯曲です。かつて、またはたった今、一緒にいたはずの人たちが時空をずらしながら存在し、語る。それは思い出でもあり、今この瞬間の感情でもある。観る人ははじめ混乱するかもしれません。そして後から考えることがたくさん出てくるでしょう。まるでミステリーです。
なのに朗読劇!!
朗読劇は私も何度か経験していますが、これは一捻りも二捻りもしてあり(さすがイギリス人作家!)、本当にやりがいがあります。台詞を「読む」だけではきっと伝わらないんだから、まるごとルーシーになってみろ、と作家からのお達しが来ているような気さえします。
大好きな平田満先輩と夫婦役ですが、共に創るわけにいかず(何しろ時空がずれているので)、ひとりで頑張るよりほかありません。それでも皆さんと協力して、最後にはほっと安堵できるような世界を築きたいと心から思っています。

■平田満
翻訳劇とか特殊な状況の話を芝居にすると、どうしても「本当にわかっているの?」「それらしく見せようという気持ちはわかるけど」という声が聞こえるようで、居心地の悪さを感じてしまいます。
でも、不思議とリーディングだと想像の力もあり、もともとどういう人物なのか、外見や違和感を超えて、本質を共有できたように感じることがあります。
イギリスに詳しくなくても、年齢、顔立ちに難があっても、主義主張に違いがあっても、人間誰しも持っている柔らかい部分に触れられたらいいな、と思います。
もちろん、そこに達していないリーディングも多々あることを肝に銘じて、ですが。

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