事業承継支援で覚書結ぶ、四日市商工会議所と日本政策金融公庫
四日市商工会議所と日本政策金融公庫は1月28日、事業承継支援に関する覚書を締結した。全国では半数近くの企業で後継者不在や経営者の高齢化が進み、親族外の第三者を代表に迎える事例が増えているとされ、四日市でも同様の課題が顕在化してくることが予想されるため、両者が協力することで、地域の企業の悩みの解決に取り組むという。
この日、商工会議所で覚書の締結式があり、小川謙会頭と、日本政策金融公庫四日市支店の秦治支店長兼国民生活事業統轄が署名を交わした。昨年、事業承継について会員企業2940を対象に調査した商工会議所の中小・小規模企業委員会で委員長を務める北伊勢上野信用金庫の南部和典理事長らも出席した。
小川会頭は「後継者不在は適切な後継者が見つからないとの理由が大きい。今回の覚書により、承継が推進され、地域経済の活性化につなげたい」などとあいさつした。秦支店長は、両者の情報を共有することで地域の企業の第三者承継を支援できるほか、四日市での創業を希望する人への支援になること、四日市での取り組みが周りの地域を刺激し、事業承継の取り組みを本気にさせる波及効果も期待できると説明した。
四日市商工会議所にとって、覚書締結による最大のメリットは、公庫の全国規模の情報網を活用できることだ。創業や譲り受けなどを望む企業や個人を全国から探すことができ、第三者事業承継を進められるという。
公庫によると、商工会議所との覚書締結は県内では4例目という。公庫による事業承継は、県内の場合、2019年から2024年12月までで、譲渡希望が99件、譲受希望が136件あり、マッチングしたのが38件、成約件数が6件だという。