上越市春日新田5の「魚住かまぼこ店」が9月に閉店 原材料費の高騰や漁獲高の減少で
新潟県上越市春日新田5の一般財団法人上越市環境衛生公社(竹内仁理事長)は「うおかま」の愛称で親しまれる「魚住かまぼこ店」を2025年9月いっぱいで閉店する。原材料費の高騰などが理由。上石秀一店主は「多くの方から協力、支援していただき、感謝している」と話している。
同店は1969年に創業し、その後直江津で唯一のかまぼこ店となったが、後継者不在や従業員の高齢化などを受けて、同公社が同店の“のれん”を守ろうと2014年3月に買収。同年4月、子会社として再スタートした。
《画像:9月で閉店する魚住かまぼこ店》
昔ながらの石臼製法にこだわり、新商品となる多彩なかまぼこの開発・販売のほか、かまぼこを使ったレシピ集の発行、市内児童養護施設への定期的な寄贈、店舗に設置された「幸せの鐘」に集まった浄財の寄付など、社会貢献活動にも励んできた。また、移動販売車を運行し、市内の各種イベントや「うみがたり」周辺などで販売も行ってきた。同店を応援しようと設立された「魚かまファンクラブ」には、これまでに約1万5000人が入会し、市内外にも多くのファンを増やした。2018年には同公社と経営統合している。かまぼこ業務の終了は昨年度末の役員会で正式に決定された。
《画像:店舗営業はこれまで通り9月末まで行われる》
かまぼこの原料となる地元産メギスなどの漁獲高が年々減少し、地場産の使用が難しくなった上、すり身の価格も年々高騰した。かまぼこ業務終了後は同公社の本来の事業のさらなる充実を図り、寄付などの地域貢献については今後も公社として継続していくという。
すでに移動販売車の運行は終了し、製造を終えた商品もあるが、9月いっぱいは通常営業を行う予定。上石店主は感謝の言葉を述べ、「先代から引き継ぎ、直江津にただ一つのかまぼこ店を残していきたかったが、事業の終了を判断せざるを得なかった。地域貢献は今後も続けていく」と話した。
店舗の営業時間は午前9時30分〜午後5時30分。水曜定休。
かまぼこ/蒲鉾の製造・販売 - 魚住かまぼこ店/新潟県上越市 - ホーム( https://uozumi-kamaboko.com/ )