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猫が『入院』しなくてはいけないときとは?考えられる3つの原因や病気

ねこちゃんホンポ

猫が入院を必要とする原因3つ

ここでは、猫が通院ではなく入院治療が必要となる原因・病気を3つご紹介します。

1.重篤な感染症

猫が入院を必要とする感染症の中で、特に注意が必要な病気は以下の3つです。

✔猫伝染性腹膜炎(FIP)
✔猫免疫不全ウイルス(FIV)
✔猫白血病ウイルス(FeLV)

猫伝染性腹膜炎(FIP)は、猫コロナウイルスが変異することで発症する重篤な感染症です。特に若い猫や免疫力が弱い猫が発症しやすく、腹水が溜まる「ウェットタイプ」と、臓器に肉芽腫が形成される「ドライタイプ」の2種類があります。

進行が速いため、入院中に点滴や栄養管理、場合によっては新しい治療薬を用いることが必要です。

猫免疫不全ウイルス(FIV)は、人のエイズと症状が似ていることから猫版のエイズと呼ばれる病気で、免疫機能が徐々に低下していくウイルス感染症です。初期症状がほとんどないため、気づいたときには進行しているケースも少なくありません。根治が残念ながらできないので入院が必要な場合は、二次感染症の治療や栄養サポートが行われます。

猫白血病ウイルス(FeLV)は猫の血液系や免疫系に影響を与えるウイルスで、貧血やリンパ腫、免疫不全を引き起こします。感染した猫は、感染症を併発しやすく、状態が悪化することがあります。入院中は、症状を緩和するための治療や免疫サポートが行われます。

2.事故や外傷

猫は好奇心旺盛で活動的な動物です。そのため、交通事故や高所からの落下など、思わぬ事故に遭遇することがあります。

骨折や内臓損傷、外傷性ショックなどが典型的な例です。特に頭部外傷や骨盤骨折は、即時の処置が必要です。

他の猫や動物とのケンカで生じる外傷も、まれに入院治療が必要になることがあります。特に、噛み傷は感染症を引き起こす可能性が高く、抗生物質の投与や傷口の処置が求められます。

3.慢性疾患の急激な悪化

猫が入院を必要とする慢性疾患の急激な悪化には、以下のような病気があります。

✔慢性腎臓病(CKD)の進行
✔糖尿病の急性悪化(糖尿病性ケトアシドーシス)
✔心臓疾患による呼吸困難

慢性腎臓病は、特に高齢の猫に多く見られる病気で、腎臓が徐々に機能を失う病気です。進行すると体内の老廃物を排出できなくなり、急性の症状(嘔吐、脱水、食欲不振)があらわれる場合があります。入院中は、点滴による水分補給や腎臓の負担を軽減する治療が行われます。

また、糖尿病を患っている猫が適切な治療を受けられない場合、体内のエネルギーバランスが崩れてケトアシドーシスを引き起こすことがあります。この状態では嘔吐や脱水、意識障害があらわれるため、入院中にインスリンの投与や点滴治療で状態を安定させる必要があります。

さらに、猫は心筋症などの心臓病を抱えることがあります。これらが悪化すると呼吸困難や胸水といった症状があらわれ、命に関わる場合があります。入院中は酸素吸入や利尿薬の投与で呼吸を楽にする治療が行われます。

入院に備えるために飼い主ができること

猫の入院は、飼い主にとっても心配で負担を感じる出来事です。しかし、事前に準備を整えておくことで、いざというときに落ち着いて対応でき、猫も安心して治療に専念することができます。

ここでは、入院に備えるために飼い主ができることをいくつかご紹介します。

事前準備

入院や治療費は高額になる場合があるため、ペット保険に加入しておくと安心です。保険の内容を確認し、どのようなケースで適用されるかを把握しておきましょう。

また、普段通院している病院が夜間診療や緊急対応を行っていない場合もあります。24時間対応可能な動物病院や、救急対応を行う施設を調べて連絡先を控えておくことが大切です。

入院中に気をつけること

入院中の経過や治療内容について、定期的に病院からの報告を受けるようにしましょう。また、不明点があれば遠慮せず質問することが大切です。

環境が変わることは猫にとって大きなストレスになります。事前にキャリーケースに慣れさせ、家で落ち着ける場所を提供してあげると、少しでも負担を減らすことができます。

まとめ

今回紹介した「重篤な感染症」「事故や外傷」「慢性疾患の急激な悪化」の3つは、猫が入院する主な原因です。それぞれの症状や治療法を知っておくことで、早めの対処が可能になります。

また、入院に備えてペット保険の加入や緊急時に頼れる病院の確保、入院時の持ち物の準備をしておくことで、万が一の際にも落ち着いて行動できます。飼い主が冷静に対応することで、猫の不安も軽減され、治療に集中できる環境が整います。

大切な家族である猫との日々を元気で楽しいものにするために、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。


(獣医師監修:加藤桂子)

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