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岸本隆一・小野寺祥太が振り返るキングス初のオーストラリア遠征…BリーグとEASLの新シーズンに生かせる経験は

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試合中に笑みを浮かべる佐土原遼(長嶺真輝撮影)
パース・ワイルドキャッツ戦でプレーする岸本隆一(左)と小野寺祥太=9月14日、オーストラリア・パース(長嶺真輝撮影)

プロバスケットボールBリーグの琉球ゴールデンキングスが9月12〜14日、オーストラリア南西の都市パースで開かれたプレシーズンゲームの国際大会「Perth Wildcats International Series」に参加した。 主催はオーストラリアのプロリーグ「NBL」で10回の優勝を誇るパース・ワイルドキャッツ。同じくNBLのサウスイースト・メルボルン・フェニックスのほか、Bリーグからはサンロッカーズ渋谷も参戦した。 キングスは12日のフェニックス戦は75ー90、14日のワイルドキャッツ戦は93ー103でいずれも敗北。高さやフィジカルの強さに加え、チームとしての完成度が高い両チームを相手に、勝利には届かなかった。ただ、9月23、24の両日に控える「ISLAND GAMES 2025」のアルティーリ千葉(A千葉)戦を経て、10月にBリーグと東アジアスーパーリーグ(EASL)の開幕を控えるチームにとって、得られたものも多かったはず。 オーストラリア遠征の最終日となった9月16日、長年に渡ってキングスを支える岸本隆一と小野寺祥太にインタビューを行った。一問一答で紹介する。

「オーストラリアは走りながら出口を探している」岸本隆一

3ポイントシュートを放つ岸本隆一(長嶺真輝撮影)

ーオーストラリア遠征はいかがでしたか? 「行ったことのない場所に行けるというのは、個人的にすごく楽しみにしていました。日本とは違う文化に触れて、とても楽しかったです」 ーパースの街はどうでしたか? 「建物が少なくて、全体として視界が開けた、のどかな街でした。自分はこういう場所が好きなんだな、ということに気付きました。散歩をしていても、いつもより長く散歩していました。歩きたくなる景色が道のどこまでも続いていて、『気持ちいいな』と感じましたね」 ーNBLのチームと対戦した感想を教えてください。 「Bリーグとの違いという意味では、『足がよく動く』ということは感じました。やみくもに動いているわけではなくて、効率良く5人が連動していました。オーストラリアのスタイルとして、以前からそういうイメージは持っていましたが、実際にやってみると、かなりの脅威で、『止めづらいな』ということは感じましたね」 ー確かに、NBLのチームは個々に高さや体の強さがありつつも、そこに依存し過ぎない統率力の高さを感じました。 「そうなんですよね。ディフェンスでも、特にインサイドの選手たちのフットワークがガード陣にも匹敵するくらい、よく動きます。ガード陣が頑張ってプレッシャーをかけても、インサイドの選手がそれに付いて行けなくて、すぐにパスを飛ばされてプレッシャーが効いていないということはいろんなチームでありがちですが、オーストラリアの選手はインサイド陣も一緒になってフロントコートまでプレッシャーをかけに来ていました。ああいうディフェンスはBリーグではなかなかないですね」 ー今回の経験がBリーグの試合にも生きてきますか? 「はい。特に2試合目は、相手がディフェンスをセットアップする前に、早めにフロントコートに入るという意識付けをしました。この部分は今後の試合でも続けていかないといけないと思います」

ベンチで桶谷大HCの指示に耳を傾けるキングスの選手たち(長嶺真輝撮影)

ー今シーズンはより速いペースを目指していますが、チームとしてやりたいスタイルは表現できましたか? 「自分たちはずっとリバウンドで勝ってきているので、それにプラスしてトランジションが出てくるようになれば、より多くのポゼッションを獲得できるという想定があると思います。そのきっかけになるいいポイントはたくさんありました。相手にスコアされた後、すぐにオフェンスをセットアップできる場面もありました」 ーNBLのチームもトランジションに対する意識が高かったと思いますが、参考になる部分はありましたか? 「去年はイタリアに行きましたが、あちらはプレーセットの中である程度の出口がある組織的なバスケットをしている印象でしたが、オーストラリアはみんなが走りながら出口を探している感じがありました。一人目が突破を仕掛けて、二人目がギャップを作り、三人目がさらに大きなギャップを作る。ドライブとアウトサイドの攻撃をリズム良く使っていて、脅威に感じました。立ち止まってやることはできても、動きながらそれをやるのはとても難しいです。そういうバスケットができたら幅が広がるし、僕自身もいろいろ吸収できました」 ー次戦のA千葉戦がプレーシーズン最後の試合になります。意気込みをお願いします。 「A千葉も、展開が速いチームという印象があるので、それに対して自分たちもチャレンジしていきたいと思います。レギュラーシーズンの空気感を意識しながら、怪我なく、みんなで戦いたいと思います」

「手の使い方を参考にしていきたい」小野寺祥太

ボールをコントロールする小野寺祥太(長嶺真輝撮影)

ーパースの街はいかがでしたか? 「街並みがとても綺麗でした。僕は東北の出身なので、風が冷たくて、涼しいのがとても心地良かったです。ホームチームのワイルドキャッツの試合ではお客さんがたくさん入っていたので、熱い街だなと感じました」 ーNBLのチームと2試合をやってみての感想は。 「もちろんスカウティングはしていましたけど、思った以上に動きやボールムーブのスピードがありました。ポイントガードでも190cm以上の身長があって、ウイングスパンも長い。それもあり、1試合目は自分たちのターンオーバーが増えてしまいました」 ー2試合目ではターンオーバーの回数が半減しました。変えた部分は。 「特に大きく変えたことはありませんが、シンプルにアタックするところはして、2試合目は出だしからいい雰囲気で戦えました。相手は5人がオフェンスリバウンドに絡んでくるので、僕たちもビッグマンだけに任せるのではなくて、ガード陣もリバウンドをケアすることができました。今シーズンはチームとして『ファーストブレイクを増やしたい』という目標があるので、リバウンドに絡めれば、よりそれを表現できると思っています。それはBリーグに戻ってからも続けていきたいです」 ーご自身はディフェンス力が持ち味ですが、手応えはいかがでしたか? 「1試合目は小針選手が相手のポイントガードに付きましたが、2試合目は脇選手と僕がプレッシャーをかけました。そこは体現できたと思っています。ただ、相手の体のいなし方は全然違いました。体を当てた後のシュートへの持っていき方もうまかったですね」 ー一度、体を当ててから距離を作られるイメージですか? 「そうです。嫌な距離を作られました。詰めたら詰めたで、手の使い方がうまいので、僕たちはディフェンスをハードにやっていましたけど、結構ファウルを吹かれました。ボールを突いていない方の手の使い方に関しては、参考にできたらいいですね」 ー現地には多くのキングスファンがいて、パース沖縄県人会のエイサーも披露されました。 「長くキングスに所属していますけど、今でも本当に驚きます。『ゴーゴーキングス』のコールもすごい聞こえましたし、ユニフォームを来て応援してくれているのもコートから見えていました。本当にありがたいです。サンロッカーズ渋谷のファンも来ていたので、Bリーグのチームが海外でも応援されてるのはうれしいですね」

試合中に笑みを浮かべる佐土原遼(長嶺真輝撮影)

ープレシーズンで海外遠征に行くことは、チームにとってどんな意義があると感じますか? 「1週間、しっかりチームと向き合える時間なので、試合でもオフコートでもコミュニケーションが取れて良かったです。EASL以外で海外のチームと試合をできる機会は少ないので、結果は負けましたけど、いい経験ができました」 ー小針選手と佐土原選手が新しく加入しましたけど、彼らの馴染み具合はいかがですか? 「だいぶ馴染んでますね。二人ともミスをしたりしたら、チームメイトにすぐ動きを確認してくれるので、やりやすいですね。僕もできることがあれば、サポートしていきたいです」 ー先ほどEASLにも触れていましたが、確かに海外でのアウェー戦に生きてきそうな経験ですね。 「ファンの雰囲気やフロアの硬さ、滑りやすさなど、会場によっていろいろな部分が違ってきます。それに対して、誰も言い訳をしていません。こういう経験が積み重なっていけば、よりタフなチームになっていけると思います」 ーA千葉戦に向けた意気込みをお願いします。 「今回の遠征ではターンオーバーの数とか、ハーフコートオフェンスが単発で終わってしまうなどの課題も見えたので、その部分の改善はみんなで協力してやっていきたいです。A千葉戦は新シーズンの開幕につながる試合だと思うので、チームで士気を上げて、2連勝していい流れで開幕戦に入っていきたいです」

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