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「玉木宏が行く 遙かなる南米鉄道の旅 (1)〜ペルー・チリ〜」 見ましたか?

鉄道チャンネル

※ペルーの豪華観光列車「チチカカ号」で朝食を食べる玉木氏©NHK

2月16日 NHK BS放送19:30~20:58「玉木宏が行く 遙かなる南米鉄道の旅(1)ペルー~チリ」をご覧になりましたか?

俳優玉木宏さんの南米鉄道の旅、その第1回です。

90分近いプログラムでとにかく見応えがありました!

最初の30分は、豪華観光列車「チチカカ号」で4000メートルの高地をペルーの中心都市クスコからプーノまで10時間かけてノンビリと旅をします。何とオリエント・エクスプレスを運行する英国の会社が手がけている観光列車です。

©NHK

車窓からはとても明るく楽しそうな街の雑踏がゆっくり過ぎていきます。玉木さんに手を振る子供たち。小さなタクシー「トゥクトゥク」にも抜かれてしまう様な観光列車の速度に玉木さんも思わず苦笑。

観光列車は380kmを10時間かけてノンビリと走るのです。

車内では、インカ文明の伝統を守る先住民の末裔たちが民俗衣装でダンスを披露します。

※豪華観光列車「チチカカ」車内で観光客にサービスされる先住民族のダンス©NHK

そして車窓にはアンデスの広大な静寂、広大さと華やかさが入り交じる不思議な鉄道旅です。

玉木さんは観光列車でサービスしてくれる先住民系アテンダントの若い女性に仕事についてインタビューします。彼女は観光列車「チチカカ号」で働くことを何よりも喜びにしているのです。

しかし、その一方で、現地住民には豪華観光列車の料金がとても高額なので誰も乗ることができないという事実を知ります。「チチカカ号」の一人10時間の運賃は、現地住民の約4ヶ月分の収入なのです。

他にも玉木さんは、16世紀「大航海時代」にスペインのキリスト教徒がやってきてインカ文明を滅亡させたこと。そして原住民のほとんどを殺してしまった事などに対する現在の住民の思いを問いました。

彼らは「済んでしまったことだ」と笑って応えていますが、旅人の玉木宏さんは複雑な気持ちを抱いた様です。

16世紀スペインのキリスト教徒が行ったことについては、同時代のスペイン聖職者ラス・カサスがスペイン王室に送った報告『インディアスの破壊についての簡潔な報告』を岩波文庫(1976年/2016年改訳決定版)で読むことができます。凄まじい殺戮の記録が淡々とした筆致で書かれています。

終点に着いた翌朝、標高3800メートルのチチカカ湖畔に佇む玉木さん。トトラ(葦)で編んだ浮島に暮らす先住民ケチュ族やアイマラ族が紹介されます。

ちなみにペルーの公用語は、スペイン語・ケチュ語・アイマラ語です。

筆者は作家開高健氏の旅と釣りの本で、チチカカ湖に浮かぶ葦の浮島を訪ねた時の文章を思い出しました。足下をチョロチョロ走り回るネズミは「非常食」でした。(笑)

玉木さんはチリに移動。

チリでは国鉄の通勤電車「リマチェ・プエルト・トレイン」に乗ります。電化された複線の路線です。首都リマの街路から出発して山岳と海の風景が広がるプエルトまでの車窓がまた素晴らしい!

車内には無賃乗車のイヌが座席で寝ていたり、ギターを弾いて歌う男性と知り合って彼の家に招かれたりします。しかしギターを弾いて歌う男性はチリの長く続いた軍政下で貧しいその日暮らしを送った事を語ったのです。

©NHK

終点の港町バルパライソ(天国の谷)では、スリル満点のアセンソール(スペイン語のエレベーター)に乗って丘の上へ。かつては富裕な人々が住んだ「丘の上」を散歩します。

先住民マプチェ族の土産屋を覗いたり、レストランで注文したグルメがジュースだったりして、実に面白い展開です。

玉木さんの旅は、風に流されていくかの様に力まず自然体です。

しかし、玉木さんは、要所要所で現地の人々が抱く思いに寄り添い、彼らの言葉を丁寧に聞き取ってゆきます。

次回の「2 ブラジル・コロンビア」は2月24日土曜日、NHK BSで19時半スタートです。

文:鉄道チャンネル住田至朗

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