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炭鉱の町に咲いた甘い歴史。糸田の老舗『ボヌール』で出会う、絶品羊羹とケーキ(糸田町)【ふるさとWish】

福岡・九州ジモタイムズWish

福岡県田川郡糸田町。筑豊の山々に囲まれたこの町に、ひときわ長い歴史と愛情をまとったお菓子屋さんがある。その名も『一角家 ボヌール』。創業は昭和3年、実に100年近く前のことだ。炭鉱の町として栄えた糸田で、労働者の疲れを癒す甘味として始まったこのお店は、時代を越えて今なお、多くの人々の心をほぐし続けている。
店名の「ボヌール」は、フランス語で“幸福”を意味する言葉。その名の通り、訪れる人の表情がどこか柔らかくなるのは、きっとここのスイーツに宿る“まごころ”のせいだろう。

■筑豊の誇り「ダイヤの山羊羹」

『ボヌール』の看板商品といえば、昭和3年に初代店主が考案した「ダイヤの山羊羹」。この羊羹は、昭和45年の大阪万博で「万国博大賞」を受賞したという輝かしい歴史を持つ、まさに筑豊の“黒ダイヤ”だ。

黒糖の芳醇な香りと濃厚な甘さ、そして手作業でじっくりと練り上げたことで生まれる、ねっとりとした優しい口当たり。まるでかつての炭鉱の風景が目に浮かぶような、深みのある味わいが広がる。
八女抹茶やコーヒーを使った変わり種も揃い、そのどれもが地域と丁寧に向き合う姿勢を感じさせてくれる。

[上] ダイヤの山羊羹黒 大(1188円税込) ・ダイヤの山羊羹白 大(1144円税込)
[下左] ダイヤの山羊羹 オアシス珈琲(1296円税込)
[下右] ダイヤの山羊羹 八女抹茶(1296円税込)


■「素材勝負」—シンプルだけど奥深い洋菓子

洋菓子部門を担う『ケーキハウス ボヌール』では、素材と製法への並々ならぬこだわりが感じられる。添加物を一切使用せず、発酵バターを使用した焼き菓子は、香ばしさとサクッとした食感がやみつきに。

とくにおすすめなのが「たぶんこれ以上のバニラサブレはない(1188円税込)」という自信を感じるネーミングのサブレシリーズ。手間暇かけて焼き上げることで、バターの風味がふんわりと広がる上品なサブレに仕上がっている。その人気ぶりゆえ、店頭では品切れになることもしばしば。コーヒーや抹茶のフレーバーもあり、つい手土産にしたくなるような愛らしさが詰まっている。

ケーキは、モンブランやフルーツ系、チーズケーキ、チョコ系など種類豊富。ケーキ屋さんではあまり見かけない3号サイズのケーキは「カットケーキではちょっと物足りない」そんな時にたっぷり楽しめる、絶妙なサイズ感が嬉しい。シューバニラはクリームたっぷり。いちごショートには大きないちごがトッピングされているだけでなく、中にはゴロゴロ角切りのいちごがたっぷりで、満足感・幸福感を味わうことができる。小さなお子さんからご年配の方まで幅広い世代に支持されているのがよくわかる。

[上左] モンブラン3号(1080円税込) [上右] シューバニラ(216円税込)
[下左] いちごショート(626円税込)[下右] アラカルト(594円税込)

■地域と歩んだ長い歴史。人と人をつなぐお菓子屋さん

「うちのケーキで誕生日を祝っていた子が、今ではその子どもを連れて来てくれるようになりました」とスタッフさんは微笑む。2世代、3世代にわたって親しまれるこのお店は、単なる“スイーツ店”を超えた存在だ。家族の記念日、ちょっとした贈り物、あるいは日常のご褒美に——そのすべての場面で、そっと寄り添ってくれる。
遠方からわざわざ買いに来る常連さんも多く、地元の待ち合わせスポットとしても愛されている「ボヌール」。その秘密は、きっと「変わらない」ことへの信頼と、「変わり続ける」努力の両方にあるのだろう。

■糸田町の“甘い宝物”を、ぜひ一度味わって

忙しない日々のなかで、ふと立ち止まって甘いものを口にしたくなる瞬間がある。そんな時は、ぜひ糸田町の「ケーキハウス ボヌール」へ。長い年月をかけて育まれてきた味と想いが、きっとあなたの心にも優しく染みわたるはずだ。

【一角家 ボヌール】
住所:福岡県田川郡糸田町3667−5
TEL:0947-26-2211
営業時間:10:00~19:00(日曜のみ~18:00)
定休日:不定
駐車場:あり
[Instagram] https://www.instagram.com/cake.house.bonheur/

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