干し蕎麦イベント、やろうか。【家そば放浪記】第266束:こだわりやで買った、山本食品『信州 十割そば』540円(1人前270円)
山本食品の『十割そば』。もう絶対ウマいに決まってる。「山本十割」と書いて、その文字のルビ(ふりがな)に「うまい」と振っても良いくらいだ。
もう何度目の「山本十割」だろう。でも、実はいつも違うのだ。
最初の「山本十割」は北海道産だった。ほか「国産」とかで詳細な生産地が不明な十割もあったけど、新潟県魚沼産、長野県産、新潟県妙高市産、山形県尾花沢……などなど、さまざまな地方の「山本十割」を食べてきた。
同じものはひとつもない(はず)。そして今回の「山本十割」もまた、いつもとは違う新しいパターンの「山本十割」だった。
一体何が違うのか?……
デカい鍋に湯を沸かし……
5〜6分ゆでて……
──と、ここで、新パターン。いつもの「山本十割」であれば2分程度の「むらし」があるのに、この商品は「むらし」を要求していないのである。
その代わり、氷水でのシメ要求は書いてあるのでキッチリ守り……
ハイ、完成。
して、そのお味は──
こりゃ当たり前にうまいね。店だよ。店。
家が店になっちゃった。細さとか、硬さとか、完全に店。
家であることを忘れさせてくる「テレポーテーション蕎麦」とも言える。
そして圧倒的な蕎麦の味。「蕎麦食ってるわ……」となる蕎麦の味と、若干のゴワゴワ感。
そういえば、いつもの「むらし」がないぶん、ちょっと食感に違いがあった気がする。
いつもはもっと「モチッ」としているのだけれど、今回は本当の十割蕎麦みたいに「ゴワッ」としていた。
そんな微妙な違いもまた楽しい。
“山本の十割にハズレ無し” なのは当然だが、産地や作り方、ありとあらゆる「山本十割」を食べ比べるなんて贅沢な会があったら参加したい。
いや、ないか、そんな会。なら、やろうか。私がやろうか。
もしもやったら来てくれるかな。延々と干し蕎麦を食べる会。冷のとろろも、冷のなめし(なめこおろし)も出しちゃうよ。鴨せいろ汁も作っちゃうし。なんなら日本酒も揃えちゃおうか。
やるか。来年。
執筆:干し蕎麦評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24