マンガ制作に必要な視点!自分のマンガの強みを知る方法とは?【テクニックでセンスを超える!プロが教えるマンガネーム】
マンガ制作は自分の強みを知ることが重要
マンガの作者には、作家、読者、ディレクター(編集者)という3つの視点を持つことが大事です。それぞれの視線を持てば、必ず自分のマンガの強みが見えてきます。
まず、作家の視点ですが、自分の好きなものを好きなように作品として完成させる力を指します。この力がなければ、どのような作品にしたいのか、何を伝えたいのか定まらず、マンガを描くことは難しいでしょう。
読者の視点に立ったときには、自分の作品を俯瞰的に見ることが重要です。たとえば、ストーリーに必要な情報は抜け落ちていないか。ご都合主義になりすぎていないか。自分の描いた作品がマンガ雑誌に載っていたら、まず自分が読むかどうか判断できます。
最後のディレクターとしての視点は、さらに俯瞰的で、戦略的な視点になり、自分の絵ではどんな作品を描くのが適しているのか、その方向性を中心に自分のマンガをディレクションするための視点です。絵があまりにも独特で個性的なら、シリアスな作品では受けが悪くても、くだけたギャグマンガやホラーマンガで成功できるかもしれません。また、時流を鑑み、この作品を世に出して大丈夫か、読者が求めているストーリーかなどの客観的判断も行います。
作家はマンガを描いている作者自身の目、読者は作品を少し引いたところから見る目、ディレクターは世のなかにいる自分と作品を俯瞰で見る目です。自分の長所だけでなく、短所も認めることができないと、それを強みにすることはできません。なかなか難しいのですが、これができると作家として一段階レベルがアップすると思います。
【出典】『テクニックでセンスを超える! プロが教えるマンガネーム』著:佐藤ヒロシ