「ボタン電池」の種類がややこしい問題~ストックすべき型番BEST5
さりげなく使われている「ボタン電池」。単3電池や単4電池はストックしていても、ボタン電池はいまいち全貌が見えず、無くなってからコンビニを探し回ることも。ストレスですね。似たような形状、大きさ、薄さ、交換用電池の名称もうっすらとしか書いてないし、型番もややこしいし……。そこで基礎知識と、どの型番をストックしておけばいいか、解明していきます。
100円ショップで気軽に手に入れたおもちゃが、ボタン電池別売だったときのガッカリ感
最近はスマートウォッチやヘルスケア機器など、ボタン電池を使用する精密機器が増えています。ボタン電池は小型の電子機器に不可欠なものですが、適切な選び方をするのはけっこう大変。ではどのボタン電池がよく使われているのでしょうか。
ボタン電池は主に「酸化銀電池」「リチウム電池」「アルカリボタン電池」「空気亜鉛電池」の4種類に分類されます。それぞれ特性が異なるため、用途に合わせた選択が重要です。
失敗しない! 備えておくべきボタン電池ベスト3
第1位●「CR2032」(リチウム電池)
そこでボタン電池の中のシェアナンバー1である「CR2032」(リチウム電池)にスポットを当てます。たいていの小型リモコンやキッチンタイマーからクルマのキーまで高い電圧と長寿命が特徴のCR2032使用であることが多く、確率的に、ストックして間違いないのがこの「CR2032」です。電圧が3Vと高く、長期間の使用に耐えることから、採用されている割合が多いようです。
またコンビニなどでも、まず「CR2032」が販売されています。1、2個はストックさせておくだけでも、だいぶストレスはやわらぐはずですが、その使用頻度のためか、まとめ売り製品も多いので、コストを考えればそれもお得です。定番メーカーはマクセル、デュラセル、パナソニックなど。
CR2032と書いてあっても、CR2025やCR2016を使える場合があります。なぜなら下二桁の数字は厚みを表しているので、機器によってはその誤差を吸収できる可能性があるからです。ただ薄いタイプを使う際は専用のスペーサーが必要です。
第2位●CR2025(リチウム電池)
だんだん電池交換になれてきて、これは「CR2032」でしょうと思って、違う場合のほとんどが「CR2025」だったりします。直径は同じだと思って、「CR2032」用の機器に厚い「CR2025」を無理やり入れると二度と取れなくなったり、機器が破損するので注意。
第3位●LR44(アルカリ電池)
もはや体温計の電池として、コロナ禍では一時品不足が続出した「LR44」も1個はストックしておきたい型番です。他にも精密機器などにも使われることが多い型番です。ただ、A76、AG13、L1154、357使用の機器に互換性があることを知っておくと良いでしょう。
またLR系はおもちゃや小型LEDライトに最適で、LR44が使われることが多いです。おもちゃ系なら他にもLR1130などの型番の場合もあり。
SR44(酸化銀電池)は1文字しか違いませんが、LR44とは全く別の特徴を持つので、互換性はありません。ただ測定機器に使われる信頼性があり、体温計でもSR44を使用する場合もあるので注意。
第4位●SR626SW(酸化銀電池)
腕時計や補聴器などで使われやすいのが、「SR626SW」。長寿命で安定した電圧を保つ特徴があります。これはちょっとレアなので、コンビニなどでは手に入らないこともあります。価格は高めですが、最長3年間使用が可能な製品もあり、むしろたくさんストックする必要はないでしょう。
第5位●PR41、PR44(空気亜鉛電池)
ご家庭にお年寄りがいるなら、主に補聴器用で使われるPR41やPR44もストック候補です。小型で長時間使用できるのが特徴ですが、空気に触れると放電が始まるため、シールを剥がしてから使用することが重要です。
ボタン電池も鮮度が大事?
たくさんボタン電池をストックしておくと安心ですが、落とし穴もあります。いまどき100円ショップで知らないメーカーの安いボタン電池も販売されていますが、偽物や劣化品のリスクもゼロではありません。
古い電池は放電してしまっている(最大約2割程度)場合もあります。そのためパッケージに記載された製造日や使用推奨期限を確認することが大切です。
そういう点でも品質管理のしっかりした有名メーカー製を購入するのがお勧すすめです。一般的には日本製やドイツ製の電池が高品質だと言われています。
ボタン電池の保存と廃棄
ボタン電池は高温多湿を嫌うため、冷暗所での保管が基本です。ただし、冷蔵庫保管は結露の原因となるため避けましょう。また、金属製の容器での保管もショートの危険があるため、プラスチックケースや元のパッケージでの保管がおすすめです。
使用していない電池は、端子同士が接触しないよう絶縁テープで保護するか、個別に包装して保管するのが理想的です。特に子どもの手の届かない場所に保管することは、誤飲事故を防ぐためにも安全面でも重要なポイントです。
使用済みの電池は必ず自治体のルールに従って適切に廃棄しましょう。多くの電気店やスーパーマーケットでも回収ボックスを設置しています。「ビックカメラ」や「ヨドバシカメラ」などの大型家電量販店では、専用の回収コーナーを設けていることも多いです。
まとめ~いざというとき、安心に
これらの選び方と保管方法を実践すれば、ボタン電池の性能を最大限に引き出し、コストパフォーマンスも向上します。日常生活で使用する小型電子機器を快適に使い続けるために、ぜひ参考にしてください。