「今しか撮れない姿」を 三つ子の母&保育士 フォトグラファー 名張の南さん
「育児のしんどさも毎日の疲れも、可愛く面白く撮れた写真があれば吹き飛んでしまう」。三重県名張市さつき台2番町の南孝枝さん(40)は、三つ子を産み育ててきた母として、10年以上勤めた保育士としての視点を生かし、自宅2階でフォトスタジオを始めた。「我が子の可愛い写真を、残したい時期に残せる手助けができたら」と話す。
現在小学6年で長男の隆将さん、次男の義将さん、三男の広将さんが幼いころはコンパクトカメラで写真を撮っていたが、1歳になったころ、思い切って一眼レフカメラを買い、服や靴を“三つ子コーデ”にして自宅や近所の公園で撮影するようになった。
カメラの使い方は自分なりに少しずつ学習していったが、3人が思い思いの方向に歩き出したり、一人だけ帽子を脱いでしまったり、三つ子ならではの悩みも尽きなかった。「気軽に出掛けるのが難しい上に、決して思い通りにはいかないけれど、今しか見られない表情やしぐさを撮りたい」と強く思うようになったという。
スタジオを始める前までは市内のこども園に勤務し、「どうやったら子どもたちが楽しく感じるかを考え続ける日々」を送ってきた。その時々の子どもの機嫌や行動をみて、お気に入りのアイテムを用意したり、接し方を変えてみたりする。自宅スタジオも白を基調とした「非日常の癒やしの空間」にし、赤ちゃんが喜びそうなおもちゃやアイテムを準備している。
現在は、赤ちゃんを撮影する技術や知識を備えた写真家の集まり「日本はだかんぼ協会」の認定フォトグラファーとして、自宅スタジオでの撮影や、2か月に1度、生後3か月から10か月の赤ちゃんと母親を対象にした「はだかんぼ撮影会」を開いている他、インスタグラム(@373takae)で情報を発信している。
まず母親と一緒に遊び、和んだころを見計らってシャッターを切る、その何気ないルーティンが南さんの経験値。3兄弟は、今でもロケーション撮影の下見などに連れて行くというが、「幼いころから撮られ慣れている反面、恥ずかしがるようになった」とどこか寂しげだ。
南さんは「どうしたらより良い表情が撮れるか、家族皆で楽しんで撮影ができるか。まだまだ学んでいきたい」と抱負を語った。
2024年12月7日付881号1面から