45歳夫「月9万も出してるんですよ」生活費折半が不満。結婚のメリットは“家事の負担が減る”ことでしょ?
男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人差があります。ひとつの出来事への解釈や目的が、男性と女性では異なる場合もしばしば。男性と女性では、夫婦のあり方への認識が大きく異なる場合も。
魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様分析を得意とする並木まきが、そんな男女の“冷酷” と“激情”のあいだを垣間見るエピソードをお届けします。
45歳夫、月々の生活費に不満
【冷酷と激情のあいだ~男性編~】
「あ〜…、夫婦内での負担の話ですか? うーん、基本的には家事でも料理でもできるほうがやればいいし、生活費はお金があるほうが出せばいいんじゃないんですかね。
ウチの場合は、妻のほうが僕より稼いでいるんですよ。でも、結婚当初からの取り決めで“生活費は折半”って決めたから、僕も毎月9万円も払わされていますけど」
不満そうな口調で、夫婦問題への愚痴を並べ始めたマコトさん。
毎月9万円の生活費を負担することにも、納得できていないと打ち明けます。
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そんなに必要?
「なんで9万円も必要なんですかね? 折半だから、そうなると月の予算は18万円ですよ? 家賃は別に折半しているから、その他の費用で18万円です。
十分に足りますよね、毎日贅沢な食事をしているわけでもないし、光熱費だって妻が家にいる時間が少ないから、そこまでかからないですし。
日用品だって、そうそう買い足すものじゃないから毎月必ずかかる生活費って限られているんじゃないかなって。
僕としては、月の生活費は5万円ずつ負担して10万円で十分なんじゃないの?って前から思っているから、ここは不満ですね」
家事負担がなくなるのは結婚のメリット
家事は妻任せにしていると話すマコトさん。「得意なほうがやればいい」というポリシーだそうです。
「僕、家事はすごく苦手なんですよね。やろうかなって気も起きないです。結婚前はひとり暮らしでしたけど、掃除なんて年に数回だし、洗濯もたまりまくってから仕方なく…って感じでやっていました。
だからそういう家事への負担が減るのも結婚のメリットだなって思って、結婚したんです」
最近になって、妻は整わない家に苛立ちが募り、家事代行を契約したそう。今は定期的に家事代行が家を訪れ、掃除や洗濯を手早く済ませていくとのこと。
そもそも家事代行を頼む必要ある?
「便利だなとは思いますけど、そもそも家事代行なんて頼む必要あるんですかね? 妻は家事代行の費用も、生活費とは別に折半で払ってって要求してきているんですよ。
でもねー、僕はそれ違うなって。
せっかく結婚をしているんだから、得するところは得したいじゃないですか。妻が家事をしないから代行を契約する費用を僕にも払ってっていうのは、ズルいと思うんですよ。
世間ではパート主婦とか専業主婦は、ほとんど働かずに完全に夫の収入で生活していますよね? それって、ある意味で得でき るところは得したいっていうメリットで結婚していると思うんです、僕から見ると。
僕だって、結婚で得できるところはしたいです。ウチは妻が働いているけど家事をしてくれているしってことで、僕は9万円渡しているわけですよ。
妻は僕に“男なんだからもっと払ってよ”って言ってくるときもあるんですけど、ちゃんと負担しているのに責められるのは、僕は間違っていると思います」
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恋人同士であれ、夫婦であれ100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
(並木まき/ライター・エディター)