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　ヴェルスパ大分が新シーズンに向けて始動した。中村元新監督の指揮の下、選手たちは3月の開幕に向けて本格的な準備を開始。グラウンドには早春の冷たい風が吹く中でも、チームの新たな船出への熱気が満ちていた。

　昨季のヴェルスパはリーグ後半で失速し、最終順位は6位にとどまった。その反省を胸に、今季はJ２経験のあるMF武沢一翔や大学サッカー界の強豪校出身の選手を含む計8人が新たに加入し、チーム全体に新しい風を吹き込んでいる。中村監督は「非常に個性豊かな選手が集まった。上のカテゴリーから新たな挑戦を求めて来た選手や、大学での挫折を糧にここで再挑戦する選手もいる。それぞれが抱える物語が、チームの成長に大きく貢献するだろう」と期待する。

14日からチームは始動した

　中村監督は、選手時代から培った熱いプレースタイルを体現する指導者だ。監督自身が特にこだわるのは、ゴール前での迫力ある攻防。「昨季は簡単な失点や決定力不足が課題だった。今年はゴール前での精度と緊張感を高め、どんな状況でも勝利を引き寄せるサッカーを目指す」と力強く語る。また、選手たちの個性を生かしながら、攻守の切り替えをスピーディーに行うアグレッシブなサッカーを展開したい考えだ。

　さらに中村監督は「勝ち点60以上を目標とし、５試合ごとに勝ち点10を確保するターム制の取り組みを意識する」と語る。具体的な数字を掲げることで、選手たちの意識を明確に保ち、全員で目標に向かう一体感を生む狙いだ。

　開幕戦までの約2カ月、ヴェルスパは練習試合を積極的に組み込みながら、新旧選手の融合を目指す。中村監督は「トライする分ミスも増えるだろうが、それをカバーするのがチームだ。一人一人の個性を最大限に引き出し、全員で戦うチームをつくり上げたい」と語った。

　新たな体制の下、「全員攻撃、全員守備」を基軸に進化を目指すヴェルスパ大分。「アグレッシブなサッカーでファンを魅了し、JFL優勝とJ3への昇格」を目標に掲げ、新たな挑戦が始まった。

コミュニケーションを重視し、選手の融合を図る

（柚野真也）