漂白剤入りの水を提供し児童6人が飲む 上越市の小学校でまた飲食関連事故
新潟県の上越市教育委員会は2025年5月13日、市立直江津小学校で漂白剤が混入した水を教員が誤って提供し、児童6人が飲む事故が起きたと発表した。
市教委によると12日午前8時頃、同日午後からの水道工事に備え、飲料水を用意するため用務員が飲料タンク3個に水を張り、教員が塩素系漂白剤を入れて消毒を行った。午後0時40分頃、消毒中と気付かず教頭がタンクにふたをして校舎2階のオープンスペースに持って行き、児童が水を飲めるよう設置。午後1時15分頃、タンクの水を飲んだ児童6人から「苦い」「プールの味がする」と訴えがあり、教員がタンクを撤収した。
学校は午後2時30分頃に救急車を呼び、児童6人は市内の病院に搬送されたが、診察で異常はみられず、体調不良を訴える児童はいなかった。このうち紙コップ半分以上の水を飲んだ児童1人は経過観察のため入院したが、異常はなく翌13日午前に退院した。飲料タンクは8リットル入りで、漂白剤は25ミリリットルのキャップ2杯分を入れていたという。
市教委は事故原因について、消毒作業とタンクの配置を行う教職員間の連絡が不足していたこと、タンクに漂白剤を入れている旨を表示しなかったこと、タンクの配置前に中身の確認をしなかったことを挙げた。同校は校長と教頭が12日に児童6人の自宅を訪問し謝罪したほか、全保護者に事故の概要をメールで知らせ、電話でも全保護者に連絡と謝罪を行った。
市は全ての市立小中学校と幼稚園に今回の事故の概要を周知し、子供の安全確保の徹底を指示する。同市では約3週間前の4月22日にも市立小学校の給食に蛍光灯の破片が混入する事故が発生しており、市教委は各学校に対して再発防止策について今月末までに校内で協議するよう指示していたといい、今回の事故を受けて追加の再発防止策を検討するとしている。廣川正勝学校教育課長は「職員に起因して児童生徒の口に入れるもので事故が続いたということで大変申し訳ない。再発防止に取り組んでいきたい」としている。