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中国グルメ旅行を思い出す! 池袋の東北料理店「小東北焼烤」

東京ディープチャイナ

中国グルメ旅行を思い出す! 池袋の東北料理店「小東北焼烤」

池袋にある本格東北料理を楽しめる小東北焼烤へ取材に行ってきました。

今回取り上げる東北料理は農村で生まれた料理が多く、寒冷な気候や風土故に炒め・煮込み料理、味付けは塩味がしっかり・醤油ベースが中心なのが特徴。辛さが苦手という人におすすめのガチ中華だったりします。

さて、2ヶ月前に瀋陽(東北地方)を旅したばかりの私は「東北料理に関しては舌が肥えているぞ~」と取材に臨みましたが、小東北焼烤さんは現地で食べたものに劣らない東北料理揃いで大満足でした。瀋陽に再び行った気分になりました。

https://deep-china.tokyo/walk-and-eat/34972/

それでは早速レポートしていきます。今回からガチ中華仲間の夏木さん、こむじゃさんと取材班「ふ味縁(FuMIEN)」を結成したので、2人のコメントも交えながらお送りします(メンバー自己紹介は文末参照)。

お店の紹介

今回紹介する小東北焼烤は池袋西口のガチ中華エリアに位置するビル(ウエストコアー)の4階にあります。通りに出ている看板が目印。

店内に入ると中国では縁起が良いとされる赤を基調とした空間が広がります。店内は40人貸切宴会ができる広さで複数人がけのテーブルが並びます。頭上に広がる紅の花がオシャレ。

店内は装飾や映像等から中華感が溢れる。特に店員さんが東北地方ならではの東北大花(赤や緑の生地に、派手な色合いで牡丹の花などがプリントされている柄)の服を着用し東北を感じられるのがテンション上がりました。

オーナー、店長紹介

写真左がオーナーの汪旗さん、写真右が店長の王さん

小東北焼烤のオーナーは大連出身の汪旗さん。19歳で来日し日本歴24年。現在は小東北の他にも小米椒 江湖酒舍(高田馬場の湖南料理店)等も経営しています。

店長の王さんは瀋陽出身。お二人とも店の魅力に加え東北地方の食文化や瀋陽の観光地等について優しく教えてくださいました。取材中に我々日本人に料理の感想や好みを幾度も尋ねられ「日本人に如何に東北料理を広めるか」に向き合う姿がとても印象的でした。

メニュー紹介

売りの東北料理は勿論ですが、火鍋などの四川料理や定番ガチ中華等の多種なメニューがあるのが魅力。鯉・海老・ザリガニ等の魚介類、牛・豚・羊の臓物含む様々な部位、野菜等の多様な食材が取り扱われ、更には辛さ有無を含めた味、調理方法の選択肢も多いので、どんな人と行っても食べたい一品が見つかるの間違いなし!青島ビール等のアルコールも一通り揃っています。

それでは本題の食レポを。今回は東北料理を中心に汪さんおすすめのメニューをいくつか紹介していきます!

〜取材班が惚れた「锅包肉」〜

まず初めに紹介したいのは「锅包肉(豚肉甘酢炒め)」夏木さんがとても気に入った一品。

豚ヒレ肉を揚げて甘酢餡を絡めた東北料理。甘酢あんかけのガチ中華版といったところでしょうか。ロシアとも関連する面白い背景を持つ料理だったりします。

https://deep-china.tokyo/dishes/1287/

最初は一見シンプルな料理かと思ったのですが、「コーンスターチが衣として使われていることで、サクサクとモチモチの二つの食感が共存していること」、「甘酢タレからほのかなパクチーの風味があり、絶妙なエスニック感のある味わいになっていること」、この2点が、この料理からしか感じたことのない美味しさの正体だとわかりました。
そこそこ腹は満たされた状態でしたが、食べているうちに箸の止まらなさが加速し、ほとんど1人で平らげてしまったと思います(笑)コメント執筆中の今もこの鍋包肉の美味しさが忘れられないので、近々また小東北に食べにいこうとしています。本当におすすめです(夏木)

因みに夏木さんは鍋包肉を食べに友達と小東北を行く約束を既にしたのだとか。「訪れた直後にもう一度食べに行きたい!」と思える感動的な一品。訪れた際には絶対食べてみてくださいね。

~小東北おすすめ東北料理 肉編~

根菜とコーン東北風煮込み

鉄鍋炖風の煮込料理。鉄鍋炖は東北の代表的な鉄鍋料理で具材や周囲につけるパンを選び煮込まれる。小東北では、豚のスペアリブ、インゲン、トウモロコシ、カボチャを具材、トウモロコシ粉のパンのスタイル。カボチャの甘みが活きる味で、具材の旨みが凝縮しています。

鉄鍋炖は大鍋料理のため人数が必要ですが、小東北は2人でも頼めるボリュームのため少人数での来店、お気軽に鉄鍋炖を体験したい時にとても良い。またこの料理で注目して欲しいのは「トウモロコシ」。日本でも食べるじゃん!と思う人も多いと思いますが、東北料理のトウモロコシは日本のものとは異なり、モチモチで甘さ控えめ、煮込みとの相性が良いのです。瀋陽旅行でハマったのですがまさかこんなに早く再会できるとは!

日本の物とは違うモチモチのとうもろこしが癖になる。まろやかながらスパイスの効いた後味はガチ中華欲を満たすのに十分(こむじゃ)

羊肉串大串・干豆腐巻き焼き

ガチ中華といえば羊串を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。小東北の羊串は肉が大ぶりで肉肉しさを楽しめるのがポイント。香辛料のバランスもよく何本でも食べられる。

その他の焼き物でお薦めなのが干豆腐に中華ソーセージとネギを巻いた干豆腐巻き焼き。香辛料の辛味と中華ソーセージ特有の甘み、豆腐・中華ソーセージの柔らか食感とネギのシャキシャキ感のバランスが絶妙。

〜小東北おすすめ東北料理 野菜編〜

満园春色 野菜スティックディップソース添え

発酵豆と醤油、卵で作られた東北地方のディップソースを野菜に付けていただく料理。偶然一緒になったTDCではお馴染みのムーさん(東北地方・大連出身、ムーさんの蒸鍋館オーナー)も「子供からよく食べていた大好物!このお店のは美味しいよ!」と太鼓判を推す一品。

和名メニュー通り野菜をディップしても良いですが、干豆腐を皮に野菜と味噌を巻いて食べて欲しい。辛味が得意な人は青唐辛子を巻いて食べるのがおすすめ。

味噌は日本の甘味噌・金山寺味噌に近いクセのない甘辛さ、そこに卵の食感でふわふわ感が加わり面白い。煮込み・揚げ・炒めが多い東北料理の箸休めとしても良い一品。

地三鮮

ジャガイモ、ナス、ピーマン(三鮮)を素揚げし醤油で煮た東北地方の家庭料理。小東北では豚肉を少し入れるアレンジがされている。

醤油と砂糖の甘辛な優しい味付けで、ホクホクなジャガイモ、とろとろなナス、シャキッとしたピーマンのバランスが絶妙で箸が止まらない一品。日本でもありそうな食材の組合せ、食べ方ですが初体験の味でした。「地三鮮」と調べると日本語の解説やレシピが沢山出てきたので日本人ウケも抜群なのかなと。

ジャガイモ・ナス・ピーマンがメインに置かれたらもう美味しい以外ありえないじゃないですかという三種の神器料理。素揚げしてあるからか、餡かけ部分と上手く絡んで絶妙でした。畑で栽培される食材達が多いからでしょうか、中国東北地方の田舎の風土が脳裏に浮かびました。行ったことはないです(夏木)

酸菜炒粉

酸菜(発酵白菜)と春雨の炒め物。酸菜は白菜を乳酸発酵して作られ、東北地方では常食される食品。酸菜は日本で主流のキムチとは異なり火を通して食べるのが特徴。味は白菜の旨み成分、発酵による酸味、塩味等の旨みが詰まっており、キムチよりもザワークラウトの方が近いかなと。

作り方はとってもシンプル。酸菜と春雨を炒めるだけ。酸菜の旨み成分が春雨にも染み込み美味しい。単純に塩や酢を使って炒めるだけではで出せない味の深みがたまらない一品。

〜その他おすすめガチ中華メニュー〜

豆豉椒香小排

茹でて揚げたスペアリブを豆鼓ソースで和えたアレンジ系四川料理。豆鼓のコクの中に辛味や痺れがあって最高でした。辛さはありますが激辛ではないのでご安心を。軽く揚げることで肉のジューシーさが保持され骨離れも良く食べやすい。

甘辛のタレが美味しすぎて止まらない!ご飯が欲しくなる味です(こむじゃ)

炒豆苗(豆苗ニンニク炒め)

失礼ながら「ただの豆苗炒めでしょ〜」と思っていましたが、登場した瞬間のこんもり感(豆苗のイキイキ感)に感動、食べてシャキシャキ感に更に感動。私が食べてきた豆苗とは全くの別物でした。汪さん曰く水分が多い豆苗をシャキシャキに炒めるのは高い技術が必要だそう。シンプルだからこそ難しく、味に違いが出るのだなと。

これは町中華でも食べられていて馴染みのある味だと思います。シャキシャキ食感が上手く残るように調理されていました。中華鍋でサッと炒める職人技をしないとシナシナになってしまうようです(夏木)

凉拌猪耳

ミミガーときゅうりの冷製サラダ。ニンニクベースの醤油タレで和えられており、食欲が刺激さえる味付けでした。厚切りミミガーのコリコリ歯応えがたまらない一品。

豚耳のコリコリ感がたまらない!ピリ辛かつ口当たり爽やか。1皿目の定番にしたい(こむじゃ)

まとめ・感想

小東北の本格東北料理はいかがでしたでしょうか。「頼みすぎたかな・・」と思いましたがお料理が美味しくほぼ完食してしまいました。我々の胃袋の都合で今回は紹介できませんでしたが、瀋陽名物の鶏ガラ(鶏架)料理である炸鸡骨架なども提供しています。お得なランチや火鍋等の宴会メニューも展開しているのでそちらもチェック。料理のおいしさは勿論のこと、汪さんを始めとした皆さんの人柄もおすすめです。ぜひ皆さんも行ってみてくださいね。

取材班からの感想

こむじゃ

東北というと、日本には出身の方が多いと聞きつつ、ガチ中華としてはあまり意識してこなかったエリアでした。いざお店にお邪魔すると、見たことのないメニューに驚かされ、見たことのあるメニューは美味しさを再発見!オーナー始めお店の皆さんの人柄の良さも伝わる素敵なお店で、楽しい時間を過ごさせていただきました。またお邪魔したいです。

夏木

完全に東北料理に魅了されました。そこまで辛いものが得意でない自分にとって、優しい味のものが多かったのも良かったなと思います。実際に旅行したくなりました。

沢山の美味しい中国東北料理を味わったこと、そしてオーナーの汪さんが料理の作り方や背景、その他東北地方の食文化について様々なことを教えてくださったこと、純粋にその場の雰囲気が朗らかだったことなど全てにおいて自分にとっても大満足なものになりました! こういった取材を通してもっと中国の食文化を知りたいし、それを日本の方々に広げていきたい、そんな気持ちになりました。

ふ味縁(FuMIEN)メンバー紹介

夏木(カメラ担当:https://x.com/mirrorsedge_n)

音楽、写真、海外文化への興味が燃料。大学では国際系の学部で東欧や中東あたりの地域について研究し、現在は社会人。異国料理文化に触れていく中でガチ中華に触れ、無事ハマる。辛いものはそこまで得意でないが、中国の調味料から自分で作った麻婆豆腐を週6~8食摂取。

こむじゃ

カメと映画とガチ中華を愛する会社員。仕事で中国ドラマを浴び、プライベートでは中国始めアジア圏の映画を浴びる生活を送る。辛い物好きの共通点から中国人の同僚と親しくなり、そのガイドでガチ中華を食べるように。好きなガチ中華メニューは麻辣火鍋と汁なし担々麺。

文香(執筆者)

カラスとメタルとガチ中華が大好きな社会人、TDCライター。最近はガチ中華を食べることが本業になりつつある。夏木さんとは音楽趣味で知り合い、こむじゃさんとはTDCイベントで味覚が近く意気投合。2人の世界観や着眼点が好きなので、今回の取材のお話をいただき真っ先にお声がけした。「ふ味縁」取材第二弾もお楽しみに!

(文香)

店舗情報

小東北焼烤

豊島区西池袋1-39-1
ウエストコアー 4F・5F
03-6709-0678

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