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堤防カワハギ釣りで【釣果がアップする誘い方とひと工夫】 同じ誘いを3回以上続けてはダメ?

TSURINEWS

カワハギ(提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)

堤防からのカワハギ釣りは、エサ盗り名人と呼ばれるカワハギとの知恵比べ。ある程度釣り方を覚えて2~3匹は釣れたものの、中々釣果を伸ばせない…そんな経験はないだろうか。今回は、堤防カワハギ釣りにおける「釣果アップの秘訣」と題して、著者が人より釣果を上げるために工夫していることを紹介しよう。

カワハギは大変賢い魚

カワハギはそのすっとぼけた(失礼!)見た目に反して脳みそが大きく、大変賢い魚だ。ますはその事を改めて理解しておきたい。

学習能力が高い

著者の経験上、同じ場所で2~3匹釣ると、極端にアタリが小さくなる傾向にあると感じている。堤防釣りは船釣りと違って大幅な移動が出来ないため、対処法を持っているか否かで釣果に差がつくと言えるだろう。

この顔でとても賢い(提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)

タナが変わる

最初は底で釣れていても、仕掛けが落下する途中で食ってきたり、時に着水直後から追いかけてくることもある。そのため、タナをきっちり見極めることが大切だ。

誘いに慣れてしまう

最初に釣れた誘い方をずっと続けていると、カワハギは慣れてしまうのか、誘いの間にエサをかすめ取ってしまう事がある。そのため、カワハギに見切られないよう、誘いのパターンを幾つか用意するなどの工夫が重要だ。

エサに慣れてしまう

ウソのようなホントの話だが、同じエサをずっと使用していると、そのエサの「攻略法」とでも呼ぶべき「エサの盗り方」をカワハギは学習してしまう。そのため、目先を変える意味でエサの付け方を変えてみたり、他のエサを使用するのも効果的だ。

誘い方のバリエーション

では、そんな賢い魚・カワハギに悟られないよう、著者が実践している誘いを紹介したい。ここに掲載した誘い方をローテーションするだけで、かなり大きな効果が得られるはずだ。

基本は上下動

著者は前回の記事で、「着水~着底までは糸フケを出さないようにする」と書いている。

では着底後はどうするのかというと、仕掛けを上下動させて、突然ピタっと止める。大抵はこの時にアタリが出るので、本アタリを見極めてアワセを決める、というのが基本の流れだ。また、手を止めることなく長時間(時に30秒~1分程度)上下動をしていると、焦れてきたカワハギが大きなアタリを出してくることもある。

タタキ釣り

こちらは船釣りでよく用いられるテクニックの一つ。やり方は、
1.釣り竿+両軸リールの場合、手首で竿をくるっとひっくり返し、ガイドが下になるようにする(スピニングならそのまま)
2.糸をピンと張った状態で、小刻みに素早く腕を動かしてシャクり、竿先を10cm程度震わせる。この時、底をコツコツ!と小刻みに叩いたり、仕掛けを細かく揺らすイメージ
3.急にピタっと止める、誘い上げを行う。

仕掛けが揺らされ続けることで、カワハギは思うようにエサが食べられず焦れてくる。そのため、3の時に大きなアタリが出ることが多い。これは誘いの中でも必須テクニックと言えるだろう。

高活性時はダブルも多い(提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)

ハワセ釣り

こちらも船釣りのテクニックを応用したもの。まずは胴突き仕掛けと道糸の結節部付近に0.5号~1号程度のオモリ(大きめのガン玉や中通しなど)をセットして、そのまま仕掛けを投入。メインオモリが着底したら、竿を足場と平行になるように誘導し、中オモリが底に着くようにする。こうすると、仕掛け全体が底にペタっと寝かされた状態になるので、カワハギは底にあるエサを大きく吸い込まないと食えなくなり、大きなアタリが出るのだ。

これはエサを吸い込ませる事を目的とした釣り方なので、キツネ針でやると相性がいい。ただし、周囲に人が多い場合や、底が荒く根掛かりしやすいポイントでは避けた方が無難だ。

軽くキャストしてみる

穴釣り竿+両軸リールだと少々難易度は高いが、仕掛けの投点がズレるだけで、離れた場所にいるカワハギにアピールできる。また、真っすぐだった仕掛けが斜め向きになる事で潮流の変化を受けやすくなり、これ自体が誘いに繋がって遠方のカワハギを寄せる効果も期待できる。

この釣り方をする場合は、ハリスは極端に短いものではなく、やや長いもの(5cm~7cm程度)を使用するとより効果的だ。ただし、足元の根が荒い場合やカケアガリを攻める際は、根掛かりに注意したい。

テトラ帯ではキャストが活きる(提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)

釣り方以外の要素

先に挙げた誘い方以外にも、釣果を伸ばす方法はある。順に見ていこう。

撒き餌を使用

これは「そもそもカワハギにエサを盗られなくなった」「エサ盗りすらいない」といった状況下で有効な手法。離れた場所にいるであろうカワハギを、撒き餌で自分の足元に寄せてしまうという、やや強引な手法だ。上手くいけばアタリが一気に増えるが、エサ盗りの他魚も呼び寄せてしまうので、使いどころが難しい。奥の手として考えておいてほしい。

場所をずらす

アタリが渋くなった時に、可能であればほんの数m横にズレてみよう。たったこれだけでも潮の流れの違いにより、アタリが復活することがある。ただし、混雑する釣り場では使えない方法なので、空いている時限定として考えてもらいたい。

そもそも釣り座を移動する

堤防の先端左向きで釣っていたのであれば、右向きに移動すると釣れた…なんてことはよくある。これは潮の満ち引きの関係で、潮流が逆になった時などに特に有効な手だ。

同じように、堤防の内向きで釣った後、外向きに仕掛けを落とすのも同じ効果が得られる。釣れないときに釣り座が空いていれば、積極的に移動してみてほしい。ただし、時間が経過して元の釣り座の方が良い環境になってしまった…という事もありえる、と追記しておく。粘るか移動するかは、あなた次第だ。

エサを効果的に使う

例えばメインエサがアサリなのであれば、上の針に貝ヒモ部分を沢山付けてアピールし(撒き餌代わり)、真ん中と下の針は通常通り刺す(本命の針)、といった考え方も面白い。また、あえて盗られやすいオキアミを1つだけ仕込んで撒き餌代わりにする、という方法もある。この辺りは釣り人の思考と発想力が試されると言えるだろう。

食べる分以外はリリースを(提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)

あの手この手で難敵を攻略!

今回紹介した手法は、あくまで著者が現地で得た経験の元、解説用に噛み砕いたものだ。きっとここで紹介した釣り方以外にも、エサ盗り名人と勝負する方法は沢山あるはず。

著者はかれこれ25年ほど堤防からカワハギを追いかけているが、未だに「新しい釣り方は無いか、こんな釣り方はどうだろうか」と考える日々を過ごしている。こうした日々と工夫がすぐに形となって表れる事こそ、カワハギ釣りの醍醐味と言えるのではないだろうか。是非、あなたならではの趣向を凝らした釣り方を試してみてほしい。自分だけの答えにたどり着いた瞬間、もうあなたはカワハギ釣りマスターだ。

<荻野祐樹/TSURINEWSライター>

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