パネルや映像で分かりやすく学べる!新しくなった「神戸港震災メモリアルパーク」を見学 神戸市
メリケンパーク内にある「神戸港震災メモリアルパーク」(神戸市中央区)が1月10日にリニューアルオープン。パネルや映像、AR(拡張現実)を使ったコンテンツも新たに導入されたとのことで覗いてきました。
各線元町駅・東口から出て、メリケンロードを南に15分ほど歩きます。魚のオブジェがある「TOOTH TOOTH FISH IN THE FOREST」の横を通り抜けて進むと看板が見えてきました。
訪れたタイミングが「神戸ルミナリエ」開催1日前ということもあり、装飾の設置が着々と進んでいました。メリケンパーク会場からもほど近く、行き帰りに立ち寄るのも良さそうです。
はじめに目に飛び込んでくるのは「1995」と描かれた「メモリーウォール」。数字にはミラー調のシートが貼られておりインパクトがあります。
その後ろには展示パネルが。老朽化したものから改修されて「阪神・淡路大震災」について視覚的に分かりやすく学ぶことができます。被害の大きさだけでなく、神戸港の復旧と復興についてもまとめられています。
「メリケンパーク」の入り口にある鉄でできた扉は、津波や高潮が起きたときに閉めて、まちに水が流れ込むのを防いでくれるのだそう。
大震災の教訓を生かして、今後大きな災害が起きたとしても、港の機能を守れるようにさまざまな防災対策が行われていることを知りました。
中心部には過去の写真や映像が流れるモニターがあり、日本語のみならず、英語・中国語・韓国語に対応されています。その成果から筆者が訪れたときは日本人より海外の方が多く、皆さんひとつひとつ読み解き、展示物に夢中になられていました。
写真は約10点展示されています。震災の年・1995年12月に、初めて開催された「神戸ルミナリエ」の写真もあり、旧居留地の街中で行われていた時代からコロナ禍を経て1月開催となり分散型へ。形を変えても、人々の心をあたたかく照らし続けてきたのだと感じました。
奥には映像施設も。より見やすくなるようにモニターの大型化、映像のパート分け、多言語の字幕表示に対応しています。
ボタンを押すと映像が流れます。字幕の言語と、パート1(阪神・淡路大震災、約1分30秒)、パート2(神戸港の被害、約3分)、パート3(神戸港の復興、約3分)から1パート選ぶとスタートします。
日本語のナレーションが流れ、過去にニュースでも見たことのある震災直後の写真などがモニターに映し出されました。
映像とともに下のジオラマがリンク。映像で映し出されている場所が赤く光るので、神戸の土地勘がない人も分かりやすい工夫が施されています。
「1995」が描かれたメモリーウォールの裏側には「神戸港の被災状況」が記されています。外国との貿易貨物の約7割を取り扱っていた21のコンテナターミナルすべてが使用できなくなり、国内外の物流や経済にも大きな影響を与えたそうです。
裏側のモニュメントを引きで見ると「1.17」の文字が。背景には街のシンボル「神戸ポートタワー」が顔を覗かせて、わたしたちを温かく見守ってくれているかのような安心感です。
ちなみに「神戸ポートタワー」は震災時、ほとんど損傷を受けることがなかったそうで、復興に立ち上がる神戸市民のパワーの源にもなっていたのだとか。
その下のメリケン波止場は、震災当時の被害状況が一部そのまま保存されています。
岸壁はもとの位置から最大490cm横方向に動き、高さはもとの位置から最大230cm沈み込んだのだとか。大きく割れた岸壁がその悲惨さを物語っています。
このような状況にも関わらず震災3日後には避難のための臨時航路ができ、港に関わる多くの人が神戸港の復旧・復興に取り組んだそうです。
同エリアには「神戸港タイムスコープ」もあります。手持ちのスマートフォンで二次元バーコードを読み取ると、震災前から現在までの変化を見ることができます。
アプリなどを取得することなく、簡単にアクセス可能です。大きな被害を受けた神戸港も人々が力を合わせて2年間で完全復興し、復興に対する思いの強さを改めて感じさせられますね。
同メモリアルパークのスペースはそれほど広くありませんが、じっくり鑑賞しながら進むと30分くらいはかかりそう。見終わったあとは海側にベンチが複数あるので、美しい景色を眺めながらそちらで休憩するのもおすすめです。
リニューアルオープン日
2025年1月10日(金)
場所
神戸港震災メモリアルパーク
(神戸市中央区波止場町2)
開園時間
24時間
料金
屋外展示、観覧無料
TEL
078-321-0085