JR東日本・西日本、利用の少ない線区の経営情報を開示
JR東日本と西日本は29日、平均通過人員が2,000人/日に満たない「利用の少ない線区」の経営情報を開示しました。
JR東日本
JR東日本は36路線72区間のデータを公表しました。従来は2019年度実績における「平均通過人員が2,000人/日未満」の区間を開示対象としていましたが、今回は2023年度実績を参照したため、開示対象線区が2路線10区間拡大しています。
100円の運輸収入を得るために必要な営業費用を表す「営業係数」を見ると、千葉県の久留里線 久留里~上総亀山間が13,580。次いで青森県の津軽線 中小国~三厩間が13,520ですが、この区間は2022年8月の豪雨で被災しており、バスなどで代行輸送を行っています。
赤字額に関しては羽越本線 村上~鶴岡間が最も大きく、49億6800万円でした。このほかにも奥羽本線 東能代~大館間が33億6500万円、常磐線 いわき~原ノ町間が31億2300万円など。
JR西日本は17路線30線区
JR西日本は2019年度実績で「平均通過人員が2000人/日未満」の17路線30線区における、2021~2023年度平均の経営情報を開示しました。
営業係数は芸備線 東城~備後落合間が11,766、姫新線 中国勝山~新見間4,042、木次線 出雲横田~備後落合間3,424など。
赤字額は山陰線 出雲市~益田間の30億8000万円、紀勢線 新宮~白浜間が29億3000万円など。
両社ともコロナ禍からの回復により利用実績は戻りつつありますが、依然として厳しい状況が続いています。
こうしたデータの公表は、現状を示すとともに、持続可能な交通体系について建設的な議論を行うために行うものです。