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南生田中小林百香さん 「鎌倉」描き最優秀賞 文化財保護ポスター表彰〈川崎市多摩区〉

タウンニュース

「鎌倉」描き最優秀賞

県教育委員会が主催する第52回「文化財保護ポスター」の「世界遺産登録をめざす鎌倉」部門(鎌倉市共催)で、南生田中学校3年の小林百香(もこ)さんの作品が最優秀賞に選ばれた。小林さんは昨年11月に横浜市で行われた表彰式で賞状を授与された。川崎市内の中学生から応募のあった全22点は1月28日(日)まで、岡本太郎美術館ギャラリースペースで展示されている。

このポスター募集は、子どもたちの文化財への関心と保護意識の向上などを目的に、県内の中学生を対象に毎年実施されている事業。今回は「わたしたちの文化財」「世界遺産登録をめざす鎌倉」の2部門で902点の応募があり、小林さんが受賞した「世界遺産」部門には112作品が寄せられた。市内では小林さんのほか、「文化財」部門で5人が入賞した。

美術部に所属する小林さんは、顧問の和田朝彦教諭にポスター募集を紹介され、「今まで自分の好きなイメージで絵を描いていたけれど、テーマが決まっている中でどんな工夫をしたら良い賞がもらえるのか挑戦してみたい」と夏休み前から出品に向け作業を始めた。学校の美術室を借り、昼食を持参して朝から夕方まで、夏休みのほぼ全てを制作に費やした。

「鎌倉には家族でよく行った記憶がある。神社やお寺のある街並みが好き。地元神奈川にあるので世界遺産になって欲しい」と小林さん。コロナ禍の影響で修学旅行で日光の代わりに鎌倉へ行き友人らと散策した思い出も残っていたという。

題材には「流鏑馬・鶴岡八幡宮上宮・国宝銅造阿弥陀如来坐像(高徳院)」を選択。「力強い流鏑馬が好きなので最初に描こうと思った」。鎌倉の魅力を幅広く伝えるため観光名所も盛り込んだ。「それぞれが小さいと伝わらない」と構図にも気を配り「4つがちょうどいい」と江ノ電を加えた。流鏑馬を手前に大きく据え、残り3つをバランスよく配置。画材は色を重ねて表現できるアクリル絵の具を使った。

流鏑馬の毛並みや射手が腰に付ける鹿革の行騰(むかばき)にこだわった。色や太さを変え、毛を一本一本緻密に描いた。「ポスターというからには伝えたいことを目立たせないと」と文字には使用頻度の少ない黄色と紫を用い、左に配した「世界遺産」の文字が右にある「鎌倉」に近づいて世界遺産登録が成就するイメージを、矢の向きに重ねた。

幼少期から絵が好きで小学生の頃はアニメのキャラクターなどを自由帳に描きためた。高学年になると切り絵にも夢中に。中学校では生徒会長を務めるなど、さまざまな分野で力を発揮している小林さん。「将来はイラストレーターになりたい」と夢を語った。

岡本太郎美術館でポスター展を開催中。詳しくは市文化財課【電話】044・200・3305。

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