店主の「好き」を集めた胎内市の雑貨店「happies」。
胎内市にある雑貨店「happies」。店内には食器類、カバン、ファッションアイテム、紙ものなどが所狭しと陳列されています。でも、どこかで見たことあるアイテムは一切なし。気になるものがたくさんあって、小さめのラグと猫模様のニットバッグ、ボーダーシャツを買うかどうか迷い、靴下と猫の小物入れをゲットしました! 「ここがお店なのだろうか」と素通りしてしまうような外観もまた、ワクワクさせてくれるんです。「あぁ、また行きたい」。そんな気持ちにさせてくれる「happies」の店主、山崎さんにいろいろとお話を聞いてきました。
happies
山崎 悦子 Etsuko Yamazaki
1975年胎内市生まれ。アパレルショップなどいろいろなお店で働き、2008年に「happies」をオープン。猫を3匹飼っていて、趣味は山登り。
お気に入りがきっとある。「ハッピー」が集まるお店。
――山崎さんが雑貨屋さんをはじめたきっかけを教えてください。
山崎さん:私、以前はフリーターだったので、いろいろな仕事を転々としていたんです。服屋さんで働いていたとき、「いつか自分の好きなものばかりを置いた、小さいお店をやりたいな」と思っていました。当時、たしか25歳くらいでしたかね。店舗の間取りや店名を考えて、そのアイディアを壁に貼っていたくらい、自分のお店を持つことを夢見ていたんです。
――それが叶ったのは?
山崎さん:2008年、33歳のときです。もともとはお洋服と小物を扱うお店にしようと思っていたんですけど、結婚してからファッションよりも「生活」に目がいくようになって。それで雑貨店にすることにしたんです。店名の「happies」は、ハッピーの複数形という意味合いで作った造語。ひとつでもお気に入りのものが身近にあるとハッピーになるじゃないですか。そんな気持ちを、皆さんにも味わってもらいたかったんですよね。
――オープンして17年ですね。その間に、流行が変わったりいろいろあったのでは?
山崎さん:年齢とともに、私自身の好みがちょっとずつ変わってきましたよ。オープン当初から比べると、ちょっとだけ品揃えは変わっているけど、ずっと変わらず好きでいるアイテムもあります。
――例えばどんなところが、以前と違うんでしょう?
山崎さん:流行を意識して、ナチュラル系雑貨を扱っていたこともありました。でももともと、個性的なものが好きなんです。「もっと自分らしさを前へ出してもいいんだ」と吹っ切れて、今はこういった感じのお店になりました。
宝探しみたいに、じっくり探索。
――なんでもかんでも仕入れて販売できるわけじゃないでしょうから、商品をどう選ぶか迷いませんか?
山崎さん:ぜんぶが私のお気に入りです。「自分でも使いたいな」「家にあったら楽しいだろうな」と思えるものを仕入れていて、実際愛用しているアイテムもたくさんあります。だんだんと品揃えが「自信を持っておすすめできるもの」ばかりに変わっていきましたね。
――ついつい扱っちゃうアイテムはありますか?
山崎さん:カゴですね。年中置いています。
――もともと雑貨とか家具とかが好きだったんですか?
山崎さん:小さい頃から、モノにはけっこうこだわっていたタイプでした。キャラクターものを集めてみたり、高校生の頃は輸入雑貨店でカラフルな雑貨を買い集めたりして、みんなが持っていないようなものを買うのが好きでした。
――そうして大人になって、好きな雑貨に囲まれた生活を送っていらっしゃるわけですね。でも、雑貨店のオープンが現実味を帯びたのには、何か契機になることがあったんでしょうか?
山崎さん:実家暮らしから、夫とふたりの生活に変化して。そうすると、なんでも自分たちの思い通りに決められるんですよ。実家の食器を使わなくていい。好きなものだけを置いておけるわけですから。それで、やる気に火がついたんです。自宅の敷地内にお店を構えるのであれば、新たに場所を借りるよりはリスクが少ないだろうし、「雑貨屋オープンに向けて、できる限りやってみよう」ということになったんです。
――大風呂敷を広げていないところが、「happies」さんのいい味になっているような気がします。
山崎さん:ごちゃごちゃっとした雰囲気が、好きなんですよね。綺麗に整理整頓されているより、宝物探しができるくらい「わさっと」した店内がいいかなと思っています。そしたら、どんどんものが増えていっちゃって(笑)。もっとスッキリしているお店だったんですけどね。
――天井にもかごがズラリと並んでいて、空間をフル活用していますもんね(笑)
山崎さん:ものがあふれている方が、しっくりくるんですよ。なんだか今の時代に逆行するようですけど。
3月に、アフリカ展を開催!
――最近の山崎さんのマイブームは?
山崎さん:どんどんアフリカ諸国の雑貨が増えているんです。かごは、ほとんどがそうですね。3月14日(金)~3月29日(土)は「FROM AFRICA」というアフリカ展を開催予定です。
――どんなアイテムが登場するんでしょう?
山崎さん:動物の置きもの、かご、モロッコグラス、アフリカらしい柄の布などがたくさん入ってきます。カラフルな布やストールは、ファッションのワンポイントにもいいですよね。
――これまでお店が続いてきた秘訣はなんですか?
山崎さん:ちょっと苦しいときもあるし、「どうしようかな」って悩んだときも何度かありました。年齢を考えると、「この先いつまで営業するんだろう」って、以前よりも現実的な問題ですし。でも、自分が選んだものをお客さまが気に入ってくれるってことが、ものすごい喜びなんですよね。60歳になったとき、どうしているんだろうって想像がつきませんけど、その頃の自分の好みがどうなっているのか、ちょっと楽しみでもあります。
happies
胎内市西本町8-53
tel/050-1505-4098
OPEN/10:00-16:00
CLOSED/月曜、第2・4・5日曜日