愛犬の命を危険に晒してしまう『飼い主が絶対にやってはいけない行動』5つ 他人事ではないNG行為を知っておこう
1.犬の欲しがるだけ食べ物を与える
食べることが大好きだという犬は少なくありません。ご飯を食べたあとに「もっともっと!」と欲しがることや、飼い主さんの食事中に「少しちょうだい!」とおねだりすることもあるでしょう。
キラキラ、ウルウルとした瞳で、飼い主さんを見つめておねだりする愛犬の姿を見ると、ついついその愛らしさから食べ物をあげたくなってしまうのではないでしょうか?
しかし、愛犬の要求に応じて食べ物を与えすぎたり、ましてや飼い主さん食べているものを考えなしに“おすそ分け”したりすると、犬が肥満や病気になってしまう可能性があります。肥満は様々な病気や身体的トラブルの要因になり、寿命を縮める恐れがあります。
また、チョコレートやねぎ類、ぶどうなど、犬にとって害となる食材が混ざっているものを与えてしまうと、中毒になって短時間のうちに死に至ることも考えられます。
特に菓子や加工品の場合、どんな成分が配合されているのかわからないため、犬に与えることは避けてください。
2.部屋を片付けず、物の管理をしない
物が乱雑に置かれ散らかった部屋で生活すると、犬が様々な危険にさらされる可能性があります。
医薬品や殺虫剤、洗剤、芳香剤、化粧品、たばこの吸い殻など飼い主さんが使うもののなかには、犬が口にすると危険な成分が含まれているものも多くあります。
また、電池やつまようじのような日用品を誤飲してしまい、命が危険にさらされることも珍しくありません。
また、観葉植物の中には犬にとって有害なものも少なくないので、犬にとって危険のない植物であるかを必ず調べるようにしてください。
部屋が片付いていないと、何がなくなったのか気づかないことも多く、誤飲や誤食を発見するのが遅れがちです。愛犬が自由に過ごすスペースは、できるだけすっきりとした状態に整えておいてあげましょう。
3.食後すぐに散歩や運動をさせる
基本的に毎日犬の散歩をしている家庭が多いと思いますが、特に注意してほしいのが散歩のタイミングです。
犬の食後すぐに散歩に出たり、家の中でも思い切り走らせるような運動をさせたりするのは危険です。
食事や水が入って胃が膨らんでいる状態で激しい運動をすると、胃捻転を起こしてしまう可能性があります。胃捻転は胃の壊死や腹膜炎が発生することがあります。他には、循環の異常からショック状態に陥ったり、呼吸困難、多臓器不全を起こすこともあり、短時間のうちに悪化して死に至る恐ろしい疾患なので、できる限り予防しなければなりません。
一般的に胃捻転は胸の深い大型犬に起こりやすいといわれていますが、小型犬であっても起こる可能性があるので、犬種や体形を問わず食後の運動は控えるようにしてください。
4.ノーリードで遊ばせる
公園や河川敷、海辺などで犬のリードを外して遊ばせている飼い主さんは少なくありません。確かに広々とした場所で自由に走り回って喜んでいる愛犬を見るのは楽しいものですが、ノーリードは非常にリスクが大きいので絶対にやめましょう。
そもそも自宅の庭など私有地以外で犬をノーリードにすることは、各自治体で定められた条例違反になることがほとんどです。
愛犬が迷子になったり、事故にあったりといった危険にさらされるだけでなく、他人や他の犬を驚かせたり、怪我をさせたりする恐れもあることを忘れてはいけません。
5.車内で自由にさせる
犬と一緒にお出かけするときなどに、車を利用する飼い主さんは多いと思います。その際、車のなかで犬を自由にさせすぎるのは危険です。
飼い主さんが運転している間、犬が車内を自由に動き回れる状態にしてしまうと、飼い主さんのハンドル操作の妨げになることがあり、事故を招く恐れがあります。
また、開いている窓から身を乗り出して外を見ている犬を見かけることもありますが、それも非常に危険なことです。
さらに、急ブレーキををかけたり事故を起こしたりした場合、犬の体がガラスや座席に叩きつけられてしまうこともあり、大怪我や死亡の原因となることも考えられます。
愛犬と車に乗るときは、クレートやキャリーバッグに入れて座席の足元に置いたり、犬用のシートベルトを利用するなど、車内で安全に過ごせるようにしてください。
まとめ
私たち人間の生活のなかには、犬にとって危険なものや有害なものが数多くあります。また、飼い主さんのちょっとした油断や無知が犬の命を危険にさらすこともあるでしょう。
大切な愛犬を守るために、ぜひ多くのことを知り、考え、行動に移せるような飼い主さんでいてくださいね。
(獣医師監修:平松育子)