旭北地区 オンデマンド交通を実験 地域と企業、行政がタッグ
旭区の上白根や白根、中白根エリア内(以下旭北地区)で、予約制の乗り合い公共交通機関である「オンデマンド交通」の実証実験が、12月2日から1月31日(金)まで実施されている。坂が多く、路線バス空白地帯の存在が課題の同地区。移動を活発にし地域活性化につなげることが目的だ。
今回の実証実験は、相鉄バス株式会社が運行事業者を務め、横浜市や民間企業などが参画し、公民連携の形で実施する。
利用希望者は、「LINE」アプリなどで登録し配車予約する。病院やコンビニなどに設けられた地区内61カ所(12月9日時点)のスポットで乗り降りができる。運賃は大人400円で、小児200円。年末年始を除く平日に運行する。
また地区内の飲食店などと連携しており、各施設で運賃の割引チケットを取得可能。店舗での購買を促進する狙いがあり、地域全体を巻き込むシステムとなっている。
外出機会を創出
「新たな公共交通の整備によって、高齢者の外出する機会を増やして健康寿命を延ばしたい」と語るのは、旭北地区連合自治会の栗城明日香さん。高齢者の多い旭北地区において、交通の利便性向上に対する地域の期待は高かった。
自治会として試行錯誤をする中で、青葉区で既にオンデマンド交通の実証実験を行っていた横浜市から声がかかった。
話し合いを進めていく中で、既存のバス路線との共存を図るため、今回の実験ではオンデマンド交通を選択した。自宅と地区内の移動はオンデマンド交通がまかない、鶴ケ峰駅や中山駅へは、スポットでの接続により路線バスを使用する想定となっている。
ウインナーで周知
今後必要となるのが、運賃収入に直結する利用者数の増加。持続可能な交通システムにするためには、利用者数を伸ばすことが前提となる。
そこで、参画企業がPRイベントの実施を考案し、関連企業に協力を呼びかけたところ、地区内に店舗のある「相鉄ローゼン」とのつながりを持つ日本ハム株式会社が協賛。子育て世代から高齢者まで幅広く喜んでもらおうと、「ウインナー飾り切り教室」が12月4日に上白根地域ケアプラザで行われた。
当日は参加者が飾り切りを行った後、実験参画企業のスタッフがオンデマンド交通の実証実験を紹介。希望者にスマホを用いて直接、利用登録のレクチャーを行った。参加した上白根在住の40代女性は「車での送迎に代わる手段をちょうど考えていた。子どもの習い事での行き来に使えれば」と話していた。
他にも、地区内の商業施設前にブースを設けて登録のサポート(既に終了)を行うなど、周知に取り組んできた。
同事業の問合せは旭北地区移動サービス実証実験事務局【電話】050・5835・2082。