【藤沢市】民生・児童委員 「サポーター制度」正式導入 現任が新任フォロー、負担減へ
3年に一度行われる民生委員・児童委員の一斉改選が12月に控える中、藤沢市は「民生委員サポーター制度」を正式導入する。新任委員を現任委員が一定期間、補佐。新たな担い手への円滑な引き継ぎや負担軽減を図りたい考えだ。
担い手不足、高齢化
民生委員は厚生労働大臣から委嘱される非常勤の地方公務員で、児童委員も兼ねている。高齢者や生活困窮者らの相談に乗り、行政や施設につなぐパイプ役として支援したり、通学路で子どもたちを見守ったりと、裏方として地域に欠かすことのできない存在だ。
自治体間でバラつきはあるものの、藤沢市では報酬が月額5075円(地区会長は6675円)、活動費が年額6万200円支給される。
大正時代から100年以上の歴史があるが、少子高齢化に加え、生活困窮者や児童虐待など多様化・複雑化した問題を抱える世帯が増えるなど、民生委員の役割に期待が高まる一方、全国的に人手不足が課題だ。
市も例外ではなく、市内の民生委員の定数520人に対し、現委員数は9月末時点で499人。市内16地区に配置されている委員のうち、藤沢西部地区(マイナス5人)や御所見地区(同4人)など充足していない地区が散見される。また現任の平均年齢は区域担当71・06歳、主任児童委員62・14歳と委員の高齢化も悩みの種で、後継者の発掘が欠かせない。
モデル事業に効果有
委員になるハードルを下げようと、市は前回の改選時にモデル事業としてサポーター制度を導入した。新任1人につき、同行や見守り活動の補助などを行うサポーター1人を配置。任期は12月から3月、サポーターには1カ月あたり1千円の活動費が上乗せされる。
市はサポーターと新任委員にアンケートを実施。その結果から一定の負担軽減が見られたことから正式導入に至った。
現任の任期は11月まで、12月から退任や再任、新たに委嘱される委員がおり、各地区で推薦などの手続きが進められている。県の条例で次選から定数も1人増える。市民生委員児童委員協議会の三觜壽則会長は「今は高齢でも働いたり親の面倒を見たり、昔に比べて担い手を見つけるのは困難だが、サポーター制度で地域の課題解決のために協力してもらえる人が増えれば」と話した。