大分トリニータ 輝き続ける歴史と未来への期待 【大分県】
2024年、大分トリニータはクラブ創設30周年を迎えた。22日の記念試合は、これまでの歴史を彩ってきた総勢55人のレジェンドたちが集結し、クラブが積み重ねてきた年月の重みを感じさせるものとなった。今季J2リーグを16位で終えたトリニータ。その歴史を支えてきたレジェンドたちは、チームへの思いと未来への期待を熱く語った。
皇甫官
1995年、大分トリニティ(現・大分トリニータ)に入団した皇甫官氏。選手としてはわずか2年の在籍期間ながら、54試合で27得点を記録。2005年、2010年にはトップチームを指揮した、クラブの基礎を築いた存在だ。
「やはり、一番の思い出は初めて練習場に行ったときのことです。土のグラウンドで汗を流した記憶が今でも鮮明に残っています。その後に監督やフロントとして関わり、ヤマザキナビスコ(現YBCルヴァン)・カップで優勝した瞬間も特別でしたね」
皇甫官氏にとって、トリニータの歴史は自身の人生の軌跡そのものだという。苦楽を共にした日々が、心の財産となっている。
「そんな思い出が詰まったチームだからこそ、来年はJ1昇格を成し遂げてほしい」と語る瞳には、今も変わらぬ熱い思いが宿っていた。
石崎信弘
1999年から2001年にかけて監督を務めた石崎信弘氏は、堅実な守備と組織力を重視したチームづくりでクラブを支えた。記念試合では懐かしい顔ぶれとの再会に心を弾ませている様子を見せた。
「選手や懐かしいサポーターの方々と再会でき、本当に楽しい時間を過ごせました」
トリニータへの期待も熱く語った。
「なんとしてでも来年はJ1昇格を目指してほしいです。その上で、J1でも活躍できるようなチームになってもらいたいですね」
これらの言葉には、クラブを育てた指導者としての愛情と、未来を見据えた強い願いが込められていた。
吉田孝行
2000年から2005年まで活躍した吉田孝行氏。献身的なプレースタイルで多くのゴールをもたらし、引退後はJ1のヴィッセル神戸を連覇に導くなど、監督としての才能も開花させた。
「トリニータでは、本当に素晴らしい時代を過ごさせてもらいました。苦しい時期からJ1の基盤をつくる時代に携われたことは大きな経験でした」
こう振り返りながら、クラブの波瀾(はらん)万丈の道のりにも触れた。
「ルヴァンカップでの優勝やJ3降格など、いろいろありました。それでも、トリニータは大分にとって欠かせない存在です。今後のさらなる発展と活躍を期待しています」
現在は神戸で指揮を執る吉田氏だが、「いつかトリニータを指揮したい」という夢は変わらないと語った。
(七蔵司)