マーシャル“Overdrive Pedal”シリーズをプロ・ギタリストが斬る! SAKI編
本誌ヤング・ギター2025年5月号でも特集したマーシャル“Overdrive Pedal”シリーズは、発売以来大きな話題を呼んで人気商品となっている。そして今回、その実力がいかほどのものなのかトップ・プロの方々に試奏してもらう連載企画が実現。まず第一弾としてご登場いただくのは、ソロやLike-an-Angelで活動しているSAKI。彼女のマーシャル・ペダルのインプレッションやいかに!
※この記事はヤング・ギター2025年7月号に掲載された誌面記事を元に制作されたものです。
今回試奏してもらった2機種
JVMDISTORTION & NOISE GATE
入出力:インプット、アウトプットコントロール:VOLUME、TONE、GATE、GAINスイッチ:オン/オフ電源:9V電池、ACアダプターサイズ:101(W)×131(D)×52(H)mm価格:¥29,700(税込)
DSLDUAL SUPER LEAD DISTORTION
入出力:インプット、アウトプットコントロール:GAIN、DEEP、TONE、VOLUMEスイッチ:オン/オフ電源:9V電池、ACアダプターサイズ:101(W)×131(D)×52(H)mm価格:¥29,700(税込)
JVM
「音の抜け感がすごくマーシャルだ!っていう感じがしますね」
今回ソリッドステート・アンプを使ってこの“JVM”を鳴らしているんですけど、ちゃんと真空管アンプの音がするのでビックリしています。音の抜け感がすごくマーシャルだ!っていう感じがしますね。これなら練習スタジオにソリッドステートのアンプしかなくても、普段慣れているマーシャルの音でプレイできるなって思います。私は今もハイ・ゲインの音が必要な現場では実機のJVMアンプを使うんですけど、本当に歪みのキャラクターが似ていますね。特にVOLUMEを上げた時の実機感とドライヴ感がすごい。それからGAINを全開にしても潰れたりしない、すごく使える音になるのもいいです。
あとTONEの効きが良くて、まさにJVMアンプで音作りをしている感覚になりました。それにGATE(ノイズ・ゲート)の効きもすごく良くて、こんなに違和感なくちゃんとノイズを切ってくれるんだって驚きましたね。だからGATEはそんなに上げる必要はないんですけど、仮にフルにしたとしても極端な音の切れ方をしないので使い勝手がいいです。よくペダルの売り文句で“実機のアンプと比べて遜色ない”というのがありますけど、本当にその通りだなと思いますね。あと、見た目もお弁当箱みたいで可愛い(笑)
SAKIお気に入りセッティング
VOLUMEは2時、TONEは1時半、GATEは10時、GAINは2時半というセッティング。VOLUMEとGAINを上げて実機アンプのドライヴ感を出し、TONEで若干ハイ寄りの音作りをしている。GATEは効きが良いので、10時くらいの設定でも十二分に効果を発揮。
DSL
「自分の好みでいろんな用途に合わせて音を作っていけるペダル」
こっちは“JVM”とはだいぶ歪みのキャラクターが違いますね。“JVM”はやっぱりJVMアンプの音がする印象だったんですけど、それとは全く別物で広がる感じの質感の歪みだと思いました。特に低音域をブーストするDEEPの効きがすごくてめちゃくちゃ音色が変わるので、いろんなトーンのキャラクターを作れるなという感じです。楽しみながら音の作り込みに拘れそう。それからDEEPと同様に、GAINも上げていくと低音が強調されるんですが、それもマーシャルっぽいなと思いました。だからGAINとDEEPを組み合わせて調節するとファズのようなすごくブーミーな音が作れるんですが、それはそれで使える音だなという感じで面白いです。
基本的にはTONE、DEEP、GAINの3つでトーンのバランスを取りつつ音作りをしていくのがいいと思うんですが、“JVM”と同じで仮に全部フルにしたとしても使えない音にはならないんですよ。なので、自分の好みでいろんな用途に合わせて音を作り込んでいけるペダルだと思います。あと2台ともそうですが、ノブを回した時のトルク感も高級感があるし、スイッチもしっかりしてて踏んだ時の安定感がありますね。値段も手頃で、これは本当に“買い”です。
SAKIお気に入りセッティング
GAINは1時、DEEPは11時、TONEは3時、VOLUMEは1時というセッティング。オーソドックスなHR/HMのバッキングで使え、さらにバンドの中で抜ける音というのを意識して作ったそうだ。GAINは1時だが、これでも十分すぎるほどの歪みが得られる。
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タイムレスなトーンを実現するギターペダル | Marshall.com
(文●ヤング・ギター編集部 YOUNG GUITAR 撮影●ヒラサワイクコ Ikuko Hirasawa)