9割以上の人が「職場でストレスを感じる」、要因の第1位は「上司との人間関係」 民間調査
エフアンドエムネット(大阪府吹田市)はこのほど、職場のストレスに関する調査結果を発表した。9割以上の人が職場でストレスを感じているとしており、職場におけるストレスの原因や企業のメンタルヘルス対策の現状についても分析している。
職場ストレスの原因1位「上司」・2位「同僚や部下」で、ともに人間関係
20歳代以上の男女300人に職場でストレスを感じるかを質問すると、95.6%が感じていると回答。「ときどき感じる」が47.3%で最多だが、程度の差はあれど、ほとんどの人がストレスを感じている。特に50歳代は「頻繁に感じる」と「ときどき感じる」が同率1位だったことも示されている。
そこで最も職場ストレスを感じる場面を聞いたところ、人間関係がトップ2に挙がった。男性は1位が「上司との人間関係」、2位が「仕事量が多い」だったが、女性は1位に「同僚や部下との人間関係」、2位が「上司との人間関係」だった。同調査では「職場におけるストレス要因は多岐にわたる」とした上で、職場のストレスの多くは人間関係が起因すると分析している。上位は以下の通り。
職場で最もストレスを感じるとき(上位5つ)
・上司との人間関係(19.2%)
・同僚や部下との人間関係(15.3%)
・仕事量が多い(15.0%)
・給与が低い(10.7%)
・仕事内容が難しい・合わない(8.7%)
8割以上は職場ストレスが仕事に影響する、転職検討者も7割以上
職場でのストレスは仕事への集中力やパフォーマンスに影響するかを聞いたところ、30.3%が「とても影響する」と回答。「どちらかといえば影響する」(54.4%)と合わせると、ストレスが仕事に影響する人の割合は8割を超えた(84.7%)。職場ストレスによって転職を考えた人も7割以上(72.0%)いることも、別のデータで示されている。
メンタルヘルス対策が従業員に届いていない? 取り組み「特になし」が半数
過半数の企業で、従業員のストレス対策が行われていないことも明らかになった。「会社で従業員のストレス対策は行われていますか?」との質問に対し、回答者の55.3%が「いいえ」と回答した。
そして半数以上が、会社は従業員のメンタルヘルスについて重要視していない、と考えていることも別のデータで示されている(56.4%、「あまり重要視していない」と「重要視していない」の合計)。
そこで実際に会社のメンタルヘルスに関する取り組みについて質問。20.7%が「ストレスチェックの実施」と答えている一方、トップは「特になし」で48.7%だった。
厚生労働省の「過労死等防止対策白書」では、職場のメンタルヘルス対策について50人以上の事業所ではおおむね9割を超えている一方、10人から29人の事業所では56.6%だった。月刊総務オンラインでは、ベルシステム24(東京都港区)が実施しているストレス解消のために生成AIを活用する取り組みについても紹介している。
「職場のストレスに関するアンケート」は、エフアンドエムネットが運営する管理部門向けのビジネスメディア「労務SEARCH(労務サーチ)」にて、20歳代以上の男女300人を対象に、2024年9月24日と25日にインターネット調査で実施。発表の詳細は公式リリースにて確認できる。