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【静岡の高校サッカー戦後史Vol.79】浜名が1974年度、4年ぶり2度目の全国総体優勝!郊外の寺を拠点に激戦勝ち抜く

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【浜名⑥】成長続け総体2度目V

※2011年3月〜11月に「静岡の高校サッカー 戦後の球跡」のタイトルで静岡新聞に掲載した連載を再掲しています。年齢等も掲載当時のままです。静岡サッカー応援アプリ「シズサカ」でまとめてご覧いただけます。

1974年度全国総体競技別開会式で入場行進する浜名イレブン=佐賀県総合運動競技場


2年続けて全国舞台から遠ざかって迎えた、1974年(昭和49年)度。新チームのスタートは前途多難を思わせた。13人の小所帯だったからだ。ところが、県新人戦で決勝まで勝ち上がった。最後は藤枝東に0−1で敗れたものの、GKとFWをこなしたサッカー部OB会長の錦織正行(浜名Jユース代表)は「やれるぞ、との自信をつかんだ」という。

新学期になって1年生が入部し、所帯は倍以上に膨れ上がった。中にはスタメン組も現れ、主将を務めた小池哲郎(現・三浦、J名古屋スタッフ)には「1年生に助けられた」との思いが強い。

総体県予選が始まると、錦織の言葉を裏付けるように勝ち進んだ。特に、準々決勝からは静岡学園、清水東、藤枝東と難敵を次々と倒し、3年ぶりに全国総体出場権を獲得した。

佐賀総体、金原が決勝点

総体本番は佐賀県で行われた。初戦(2回戦)は矢板東(栃木)を3−1、3回戦は鹿児島商(鹿児島)を2−0で下し、ベスト8に進出した。

準々決勝は関東大会1位の強豪、古河一(茨城)と対戦。0−0で迎えた延長後半6分、ゴール前に詰めていた大橋秀昭(浜名梱包輸送)が右サイドからのこぼれ球を逃さず、1−0で競り勝った。

監督の美和利幸(浜松市南区在住)が最大の難関と見ていた古河一戦を突破し、準決勝は前年度選手権覇者の北陽(大阪、現・関大北陽)に2−1で逆転勝ちして、決勝に名乗りを上げた。

相手は前年度優勝校の児玉(埼玉)だった。準決勝と同様、前半に先手を取られたが、後半2分の小池のシュートで追い付いた。1−1のまま延長入りしたが、前半9分、CKを受けた金原澄男(キンパラ)が豪快にけり込んで、4年ぶり2度目の栄冠を勝ち取った。

「なんとかしようと頑張り抜いた」

中盤から好配球をみせた小池、金原、前線で気を吐いた富田直文(茨城県在住)らを軸に、試合のたびに成長して王座に就いたが、美和には「1年前、2年前のチームに及ばない」と映った。だが、「なんとかしようと頑張り抜いた。こうした姿勢が素晴らしかった」と言葉を続け、頑張りこそが総体制覇の原動力と分析した。

暑さ対策もV奪回を後押しした。割り当てられた宿舎が寝苦しい市街地の旅館だったため、OBが急きょ、涼しい郊外の寺を用意した。主力組はこの寺を拠点に参戦して、猛暑の中の激戦を勝ち抜いた。(敬称略)

【1974年度全国総体決勝先発メンバー】

GK
柴田伸二

FB
井口敦生
宮下秀保
二橋昇
吉越利光

HB
野田明義
金原澄男
内山威
小池哲郎

FW
大橋秀昭
富田直文

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