王者ソフトバンクに何が起きた?昨季先制試合の勝率1位チームが3試合連続逆転負け
南海時代の1988年以来37年ぶり開幕3連敗
プロ野球は開幕カード3試合を終えた。その中で最も予想外だったのは、昨年パ・リーグを制したソフトバンクの3連敗だろう。
みずほPayPayドーム福岡にロッテを迎えた28日の開幕戦は3回に1点を先制しながら、有原航平が6回に大量6点を失って2-8と逆転負け。2戦目も3回に1点を先制しながら追いつかれて4-4で延長に突入し、藤井皓哉が決勝点を献上して敗れた。
そして、30日の3戦目。2回と3回に2点ずつ奪い、4-0でリードする完全な勝ちパターンだったが、7回に追いつかれ、8回に勝ち越しを許すまさかの展開。9回にも2点を失い、結局4-7で敗れた。
昨季16勝8敗1分けと大きく勝ち越していたロッテに、南海時代の1988年以来37年ぶりとなる開幕3連敗。本拠地に限れば球団史上初の屈辱だ。
2024年は先制した試合で70勝、勝率.805
歯車がかみ合わないと予想外のことが起こり得るのが勝負事。いくら強いチームでも負けることもあるとはいえ、負け方が良くない。
3試合全て先制しながらの逆転負けなのだ。優勝した昨季、ソフトバンクは表の通り、先制した試合で抜群の強さを誇っていた。
2024年は先制した試合で、いずれもリーグトップの70勝、勝率.805をマーク。6回終了時にリードしている展開ではリーグ最多の68勝、勝率.919もリーグ2位と勝ちパターンを確立していた。
なにせ、昨季は逆転負けが22試合とリーグで2番目に少なかったにもかかわらず、今季は早くも3試合。これは「時の運」や「流れ」で片付けられる話ではない。
継投のタイミングや甲斐拓也の不在を指摘する声も
昨季はクローザーのロベルト・オスナが39試合に登板して24セーブをマーク。一時オスナが離脱した際に代役を務めた松本裕樹は50試合で14セーブ23ホールドを挙げた。
ブルペン陣もダーウィンゾン・ヘルナンデスが21ホールド、藤井皓哉が19ホールド、津森宥紀が17ホールド、杉山一樹が14ホールドを記録。先発の有原航平が最多勝の14勝、リバン・モイネロが11勝、スチュワート・ジュニアが9勝、大関友久が8勝を挙げたのもリリーフ陣の安定感があるからこそだった。
しかし、今季は開幕戦こそ先発の有原に黒星がついたが、2戦目は藤井、3戦目は杉山が敗戦投手になっている。昨季は勝ちパターンを確実にものにしてきたブルペン陣が計算通りに働いていないのだ。
とはいえ、最近でも2019年の西武や2021年のヤクルトは開幕3連敗から優勝している。継投のタイミングや正捕手・甲斐拓也が巨人に移籍した影響など、様々な指摘があるが、まだ3試合だ。
4月1日から敵地エスコンフィールド北海道に乗り込んで3連勝スタートを切った日本ハムと2連戦。まずは初戦先発が予定されるモイネロの力投が期待される。
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記事:SPAIA編集部