【富士山周辺】富士山頂に行った気分「二ツ塚」登山 前編 ~新間いずみ1万円ひとり旅~
富士山頂までは行けなくても、まるで山頂に行った気分が味わえるお得な登山ルートがあります。暗闇の中スタートするドキドキ感。富士山の南東にある「二ツ塚(ふたつづか)」に登って朝日を眺めてみませんか。
【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへ静岡発のアイドルグループ、fishbowl(フィッシュボウル)の新間いずみが予算1万円で行きたいところに旅をする「新間旅」。「しんま」ではなく「にいま」と読みます。
2023年からWasabeeで連載がスタートし、静岡市西部、焼津、掛川市〜天竜区、西伊豆と旅をしてきました。そんな私、新間いずみは2025年10月をもってfishbowlを卒業します。そのため今回の新間旅は最終回でございます。
今回の旅のスタートは真夜中!
最終回ということで、何かやり残したことないかなと考えました。
4年半「静岡」のアイドルとして活動してきたのに、すぐ近くに見える「富士山」に関わったことがありません。
ということで今回は富士山に登ってみたいと思います。
ただ、いわゆる富士山山頂を目指す登山は私のように登山経験がない初心者にとってはかなり難しいため、今回は「富士山」の下の「宝永山」の、そのまた下にある「二ツ塚」を目指して行きます。
富士山じゃないんじゃないか、となめてもらっては困ります。
何といっても今回の旅は新間旅史上一番の早起きです。
深夜2時から始まる旅のために前日の生活リズムを少し変え、ワクワクが止まらず、ドキドキして眠れない。遠足前の子供のような気持ちになって、新間旅5弾目にして旅の楽しさを改めて感じています。
登山で一番大事なこと「事前準備」
富士山の麓にある水ヶ塚公園駐車場(裾野市須山)から今回の旅をスタートさせます。
静岡市内から車で1時間半かかります。広い駐車場があって、売店やカフェが入る「森の駅 富士山」がありますが、もちろんこの時間には開いていません。
駐車場は6月末の取材時は無料でしたが、夏の登山期間中は有料になるのでご注意ください。
まず登山をする前に荷物の確認です。
この日は晴れ予報でしたが、登山用の「レインウエア」。
雨の時はもちろん、寒さをしのいだりする時にも使えるので登山をする上での必須アイテムです。
そして「水分」や「行動食」など必要なものをザックに詰め込んでいきます。
トレッキングシューズという登山用のシューズに履き替え、準備完了。
スニーカーだと転んだり、靴の中に砂が入ってくるので向いていません。
水ヶ塚公園の駐車場から車で2分の「須山御胎内入口」に向かいます。
須山御胎内入口にある地図看板で現在地と目指す二ツ塚を確認。
トレッキングポールを持ち、頭に付けたライトを点灯。
午前3時、いざ登山スタート!
小学生や中学生のうちに学校行事で登山を経験したことがある人もいるようですが、私はそのような経験はありません。
今回は普段から登山をたしなむ、Wasabeeの編集長と一緒に登っていきます。
編集長は「夜中の登山は、どよーんとするんだよね〜」なんて言いながら先頭を歩いてくれました。
眠れないくらいドキドキ楽しみにしていたので、そんなことあるわけないと思いながら進むこと3歩。
森の中は真っ暗。
足元を照らすライトだけが頼りで、自然と頭が下がり何だか心細くなっていき、どよよん。
本当でした。
絶対に編集長についていこうと思いました。
安全のためにも私のような初心者や深夜の登山はガイドさんと行くか登山経験者と行くことをおすすめします。
ザクザクと地面を蹴る音とはぁはぁという自分の息遣い。それ以外はこの世にないんじゃないかと思うほどの森の静けさ。
終わりのない登山を始めてしまったような気持ちになりました。
いまならまだ引き返せるかな、なんて考えていたら看板が出てきて一旦給水の時間。
水分を摂ると気持ちがスッキリしました。
少し休憩をしてまた登り始めます。
登り進めると大きなゴロゴロした石が増えたり、段差のあるところが増えてきて、歩きづらくなってきます。
初心者必見! 登山のコツ
登山をする上で足が疲れないようにするには、歩幅は狭く、なるべく段差が低いところを選びジグザグ進む。
そうすることによって、どちらか片方の足だけを使うということがなく、乳酸がたまりにくくなり、疲れにくいそうです。
一気に登ってしまいたい気持ちを抑えながら地道にコツコツ登る。
人生みたいですね。
自分のアイドル人生もそうだったかな、この大変な登山を乗り越えたら今後も何だってできるかも。
そんなことを考え夢中になって歩くので自分との“見つめ合い”に登山はいいと思います。
また看板が出てきて給水。看板のことが好きになりそうです。
まだまだ森の中は真っ暗ですが、だんだん木と木の間からうっすら空が明るくなってきているのを感じました。
看板が見えたり、あたりが明るくなったり、そういった変化に励まされます。
土のにおいを感じるため大きく息を吸ってみたり、今まで足元ばかり見ていたのを顔を上げて周りを見てみたり、少しずつ心に余裕が出てきました。
次に起こる変化を楽しみながら進んでいくと、だんだん周りの木の背丈が低くなり、あたりが明るくなってきました。
二ツ塚の頂上へラストスパート
登り始めて50分。
足元もジャリジャリとした溶岩っぽい石たちに変わってきた頃に、なんと富士山の頂上が見えてきました。
そのあたりで足元に白いロープが出てきます。
これは霧が出てきた時でも登れるよう設置された目印だそうです。
今回はそのロープは全く必要ないくらい視界は良好。
雨が降るわけでもなく風も穏やかで、かなり天候に恵まれていました。
日頃の行いがいいからですね。
登山は自然を相手にするので、天気予報をよく見て慎重に行動することが重要です。
少し登って振り返ると雲海が広がっていて、赤い太陽の光も見え始めていました。
この日、日の出は午前4時36分。
まだ時間がありますが、その光景があまりにきれいで、頂上に着いた時のことを想像すると楽しみで仕方ありません。
後ろの景色を気にしながらも進むと目指す二ツ塚・下塚が見えてきました。
自然と歩くスピードが速くなります。
目の前にするとまだまだ遠い砂の山。
日の出まではあと15分。
ラストスパート、力を振り絞って登ります。
そしてついに頂上到着!
登り始めて約1時間半の午前4時半。ついに頂上(標高1804m)へ到着しました!
なんといってもその景色。
東の空をみると、うっすらと雲海がかかって、雲の上が明るくなっています。
今まで空といえば地上から見上げるか、飛行機から見下ろすしか経験したことがありませんでしたが、二ツ塚から見える空は雲と同じ目線で、近いのに遠く見える不思議な感覚になりました。
さらにだんだんと太陽が登ってきました。
日の出です。
そこからは空が赤くなるスピードも早く、少し目を離すだけで、また違った景色に変わっていきます。
後ろを振り向くと、二ツ塚の上塚、宝永山、富士山と、3つの山頂が続くなんともぜいたくな眺め。
昇ってくる太陽の光を受け赤く染まる富士山を見ることができます。
この時間、この場所にしか見られない景色を目に焼き付けようと、振り返っては空の景色を見て、振り返っては富士山の様子を見て、登山での疲れを癒します。
そんな中、編集長がカップラーメンとコーヒーを用意してくれました。
私の人生史上、一番高いところでカップラーメンを食べました。
私を取り巻く全ての人々、環境に急にありがたくなり、ここまで今日来られたことに感謝の気持ちがあふれてきました。
いただきますの本当の意味をわかった気がします。
すごく壮大なことを書いていますが、本当にそんな気持ちになります。
登山恐るべし。
■スポット名 二ツ塚
■住所 静岡県御殿場市中畑
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