幼児の「口の働き」意識 歯科医院と幼稚園が連携
渕野辺ひばり幼稚園で8月28日、子どもたちの「食べる」「話す」などの口の機能が十分に発達しない「口腔機能発達不全症」に関する研修が行われた。講師を務めたのは歯科川崎医院あいおいの田口裕麻院長。23人の保育教諭らが参加し、歯科医院と幼稚園が連携することの重要性を確認した。
口腔機能発達不全症は2018年に保険適用になった口の働きに関する疾患で、咀嚼や嚥下がうまくできない、構音の異常、口呼吸などの症状を指す。日本歯科医師会の22年の意識調査では、10代、20代の4割以上が「活舌の悪さ」「食べこぼし」などの口腔機能不全の疑いがある症状を1つ以上経験していることがわかった(調査は全国の15〜79歳の男女10000人を対象に、8月にインターネット調査で行われた)。
研修では、園児の口呼吸や歯並びなど保育教諭らが日頃から見るべき点や指導法、保護者や歯科医院との連携方法について講習が行われた。参加者はメモをとり、頷きながら話を聞いていた。
八木雅人園長は「毎日子どもと関わる保育教諭が理解を進めることが必要」と話す。講師の田口院長は小学校の歯科健診を担当し子どもたちの口腔機能に問題意識を強めたという。「元気な子どもたちを育てるため歯医者の責任として情報発信しなければ」と話す。