垂れ下がった電線に触れて少年2人が感電、電力会社のずさんな管理に非難の声(印)
この数年間で急速に経済発展を遂げたインドでは、電力供給を補うために継ぎ足しで配線された電線のずさんな管理が問題視されている。街中では複雑に絡まった電線や切断された電線がぶら下がっているが、2人の少年が垂れ下がった電線に触れて感電する事故が起きた。インドのニュースメディア『NDTV』などが報じた。
連鎖感電の恐れがあり、少年たちを助けたくてもそばに近づけなかった。監視カメラの映像はこちら
印アーンドラ・プラデーシュ州カダパ県で現地時間21日午後1時半頃、2人の少年が通電中の電線に触れて感電する事故が起きた。「ヴィディヤサガールスクール」に通っている少年たちは、自転車に2人乗りして学校から家に帰る途中だったが、途中の角を曲がったところで2人は自転車ごと地面に倒れ、体から火花が散り始めた。
2人は垂れ下がった高圧線に接触したようで、自転車から火花が散った直後に地面に倒れ込む様子は付近に設置された監視カメラが捉えていた。オートバイに乗った通りすがりの男性が、2人の異変に気づいて助けようとしたが、連鎖感電の恐れがあり、そばに近づけなかった。
その直後、白い服を着た少年の体から火が上がり、白い煙が立ち上がった。監視カメラの映像には、群衆が2人を取り囲み、3人の男性が少年を抱きかかえる様子が映っていた。インドのニュースメディア『Free Press Journal』は、感電した2人のうち、アーダム君(Aadam、10)が重体で、もう1人のタンビール君(Tanvir、11)は重度の火傷によりその場でその場で命を落としたと報じている。
その後、地元住民によって垂れ下がった電線が撤去され、二次被害は出なかったものの、事故の原因が電力会社の怠慢とずさんな管理にあるとして、少年の家族や地元住民の間で激しい怒りが広がった。今回の件について、警察は事件として捜査を進めている。
2人の被害者が出たことで、カダパ県議員のマドハヴィ・レッディ氏(Madhavi Reddy)は、入院中のアーダム君をお見舞いし、家族にアーダム君への支援を約束した。また、アーンドラ・プラデーシュ州のナラ・ロケシュ大臣(Nara Lokesh)は、アーダム君に対して「可能な限り最善の医療を提供すると約束し、今後このような悲劇が再び起こらないように措置を講じる」と約束し、次のような声明を出した。
「カダパのアガディ通りで垂れ下がった電線に接触し、11歳のタンビール君が亡くなったことに対して、深い悲しみを感じずにはいられません。現在入院中の少年に、より良い医療を提供するよう当局に指示しました。」
「電力会社の職員は、事故の再発を防ぐためにも警戒を怠らないようにするべきです。政府は亡くなった少年の家族の力になる所存です。」
政府はタンビール君の家族への支援を約束したが、今のところその詳細は明らかになっていない。
画像は『NeedToKnow.co.uk 「Horrifying moment two students get electrocuted and one dies on way to school」』より
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)